あわあわC※/敏京
「京君…っ、好き、すっげぇ好き…!!」
「あ、ぁン、とし…っ僕も…!」
好き。
それは言葉にならんと、喘ぎん中に掻き消される。
なかなか言えへん事やけど、敏弥の言葉に呼応する様に括約筋を締め付けて、敏弥のを離さへん。
気持ちえぇ。
身体も、心も。
2人共が汗だくで、お互いに噛み付く様にキスを仕掛ける。
身体に張り付いた泡は、外気に触れて身体から無くなり、ピッタリと密着する敏弥と僕の身体。
全てが、好き。
「あぁ、も…っ、アカン無理イく…ッ」
「ッは、イくの?イっちゃう?」
「んン"…っ」
一度唇を離して、そう言うても、また敏弥に唇を塞がれた。
自分の好きな様に、腰を振って絶頂へと自分を追い詰める。
湯の中で、敏弥の腹に擦れた自分自身はもう限界で、敏弥のキスを受け入れながら背中に強く抱き付き、下から突き上げるリズムと合わせて頂点を目指す。
「あッ、ぁ!とし、敏弥…!イくっ、イ…!!」
「ッ、京君…!」
きつく敏弥の腕が身体を抱き締めて、僕の好きな箇所を掠めて最奥を突き上げられると、身体がビクッと跳ねて湯ん中に射精した。
イった余韻で痙攣して、敏弥のを締め付ける中で精液が放たれる。
中に出される感覚でさえ、イって敏感な僕の身体は快感に変わってぐったりと敏弥の肩に頭を置きながら余韻に浸る。
お互いの息が浴室に響く中、ゆったりとした時間が流れた。
敏弥は僕の髪を撫でながら耳やこめかみにキスしとって。
アカン。
熱い。
ふわふわする。
「敏弥ぁ…」
「ん?」
「熱いー…」
「え、のぼせちゃった?」
「んー…」
「ちょッ、可愛いし!」
のぼせとらんとは思うけど、風呂ん中でヤったから汗めっちゃ掻いたし怠い。
熱い。
早よ出たい。
喋るんも怠くなって、ぴったりと敏弥に身体を寄せて首筋に頭を寄せると敏弥が何か煩い。
「えぇから早よ出よやー」
「あ、うん。抜くよ?」
「…ッん」
身体を持ち上げられて、萎えた敏弥のが引き抜かれると中から精液が垂れる感覚。
めっちゃ気持ち悪い。
「中の掻き出すね?」
「ん」
怠いから、全てを敏弥に任せる。
僕が出してもたから、もうこの湯使えんし。
あ、でもまた溜めりゃいいか、敏弥が。
「あー…疲れた…」
「でも楽しかったねー」
「ん」
「また来ようね」
「考えとくわ」
「やった」
身体に付いた泡をシャワーで落として身体を拭いて、ベッドに2人でダイブ。
何や一回ヤっただけやのに、凄い体力使った気ぃする。
まぁ、気持ち良かったし、楽しかったらえぇねんけど。
「あんな風に、将来広い風呂のあるマンションに引っ越して京君と入るんだー」
「何やねんソレ。ショボい夢やなぁ」
「いいじゃーん。ゆったりまったり2人で風呂。京君の疲れは風呂と俺が癒すの」
「は、風呂だけでえぇし」
「いやいや、俺が絶対でしょ」
「敏弥いらーん」
「酷ぇー」
何か敏弥ん中で勝手に将来設計されとった。
何やねん、その幸せ家族計画的なノリは。
「今の風呂でもえぇやん」
「え、男2人じゃ狭いじゃん」
「は。それがえぇんやろ」
「え?」
狭い風呂やと、2人否応無しにくっつけるやん。
ニッと笑って敏弥を見ると、僕の言いたい事がわかったんか敏弥の顔から笑みが零れる。
うん。
何か僕ら、下らへんぐらいバカップルやろな。
キモい。
「京君大好き」
「はいはい」
「流さないでよー京君は?俺の事好き?」
「ウザい」
「わかった。好きなんだね」
「何でやねん」
何なんこのポジティブさ。
ゴロンっとこっちに敏弥の身体が転がって来て、抱き締められる。
「でもやっぱ、京君がリラックス出来る空間もほしいじゃん」
「んー…まぁ敏弥が将来、風呂がデカいマンションに住んでも、仕方無く行ったるわ」
「いや、そん時は一緒に住むでしょ」
「何でやねん」
アホな事を言いながら、2人で顔を見合わせて笑い合う。
たまには楽しいねんな。
敏弥とおるから、楽しいんやろけど。
「敏弥、シよや」
「気分大丈夫なの?」
「全然いけるし。せっかくラブホ来たんやから。嫌なん?」
「まさか。喜んで」
雰囲気違ったトコでするんも、楽しいやんな。
仕方無いから、また一緒に来たろ。
終
20090108
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