そのまえ | ナノ
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -


大人組と麻雀に混ざる

「もう始まってんの?」
「いや、今から始めるとこだ」
「なんだ太刀川。名前連れてきたのか」
「なんだとはなんだい諏訪さん」

とある20代男性が暇を持て余していた夜の事。諏訪隊の作戦室に今一人暇な人物とそこの隊員がやってきた。

「だって部屋いても暇だし」
「お前高校生だろ。さっさと寝ねーと遅刻すんぞ」
「高校生はいま夏休みですよおっさん」
「誰がおっさんだこら」

「ほほう、これが麻雀というやつですか」と名前が席に座る。太刀川に理由を聞いてみれば「東さん来るなら行く」と着いてこられてしまったらしい。

「堤さん、東さんは?」
「もう少しかかるらしい」
「なんと。仕方ない、諏訪さんで我慢するか」
「お前おサノより態度でけぇな」
「名前麻雀のやり方わかんの?」

聞いてみればおもちゃのやつしかやったことがないらしく、太刀川は教えようとしたがルールが多く途中で面倒くさくなって「見てりゃわかる」と投げやりにされてしまった。







「名前、来てたのか」
「あっ東さん。お疲れ様です」

少し遅れてやって来た東に名前が丁寧に挨拶する。それを見て「お前のとこの餓鬼に人によって態度変えちゃいけねーって教えとけ」と雑な扱いを受けていた諏訪が太刀川に文句を言った。

「勝ってるか?」
「勝ってるかはよくわからないけど結構面白いです」
「おら、東さん来たんだからどけ」
「さっき負けたくせに口ばかり達者で嫌になっちゃうわ」
「うるせーお前の方が嫌だわ」

女子高生に弱い冬島はまるで戦闘力にならないため現在は麻雀に参加せずに強制的に体操座りをさせられている状況である。できれば楽しんでいる子供を外したくなかった東は「俺は名前とチームでやっていいか?」と聞いた。

「普通に勝てなさそうだからやめてください」
「いいですね。全般的に太刀川さんを潰す方向で行きましょう」
「なに、お前こないだのまだ怒ってんの?」
「なにしたんだよ太刀川……」
「楽しみに残してた録画のネタバレされた。犯人言われた」
「最低だな太刀川。泣いて土下座しろ」
「諏訪さんさっきまでこっち側だったじゃん!!」

推理小説好きな諏訪にとって犯人のネタバレとは死をもって償うかビールを10本献上してもらうかしないと許されないほどの重罪であった。太刀川は床に座っていた冬島に助けを求めるが疲れていたのか冬島はすでに眠りについてしまっていた。とりあえずソファにあった昼寝用の布団をかけてあげた。

「そうだ。名前はつまみ作ってくれ」
「あ、いいな。俺こないだの豆腐のやつ食いてぇ」
「えー。ただで働かせるなんて悪い大人ですね」
「小遣い寄越せってか。悪い子供だな」
「名前、俺も食いたいな」
「わかりました。どういう系がいいですか?」
「おい太刀川。隊員が完全に東さんのほうに懐いてんぞ」
「名前、俺コロッケ食いたいんだけど」
「自分で作ってなよ」

「悪いな太刀川」と名前の頭を撫でながら東が勝ち誇ったような笑みを見せ、堤は「泣いていいんだぞ」と太刀川を慰めた。

その後、つまみとコロッケ両方作って来た名前は「信じてたぞ」と太刀川に頭を撫でられたため「そういうのいいからお小遣いちょうだい」と笑顔で手を叩き落とした。


prev / next

[ back to top ]