影浦隊と文化祭の季節
「どうするかなぁ」
「何してんだお前」
「開口一番で何してんだとはなんだい影浦氏」
「いやここ俺の作戦室だろうが」
ところ変わって影浦隊作戦室。絵馬と仁礼と北添と共にババ抜きに勤しんでいた名前に影浦が聞いた。
「文化祭の出し物何にしようかなぁって悩んでたらゾエがお菓子食べたいって言うからお菓子持ってきて、ゾエと仁礼ちゃんとババ抜きしてたら絵馬くんが戻って来て絵馬くんもいれて2回戦してる」
「あっそ」
相変わらず自由に他の作戦室に出入りしてるなと思いつつ影浦も4人が囲んでいたテーブルに加わった。仁礼が普段ごろごろしているスペースなので周りには漫画やらゲームが散らかっていた。冬場になると、ここのテーブルはこたつへと変わる。
「カゲもちょっと考えてよ。何なら面白いかな」
「基準それかよ」
「当真も国近ちゃんも面白いのがしたいって言ってたし。今ちゃんは何だかんだいって手伝ってくれるよ」
「アクション大会でもすれば?」
「私もそれ思ったんだけど、穂刈たちに当真が死ぬからやめとけって言われた」
仁礼が名前と全く同じ案を出し、名前が前回の荒船隊での話を説明する。
「カゲのとこは何するの? お好み焼き食べたい」
「さりげなくリクエストすんな」
「カゲが焼いて村上くんに運んでもらえれば完璧じゃない? 売上貢献するよ?」
「穂刈さんは?」
「穂刈は神輿を担ぐ」
「どっから神輿持ってきた」
穂刈のイメージは神輿やら祭りなのか、「そしてハッピを着て校内宣伝。完璧では?」名案だ!という顔をする名前に「んな予算あるか馬鹿」と影浦が一蹴した。
「ゾエのとこは?」
「美術展とホラー映画上映会でもめてる」
「第二の映画馬鹿いた」
第一の映画馬鹿である荒船の作戦室で加賀美が紙粘土で何か作っていたのはもしや文化祭用だろうか。加賀美の作品が並ぶというのもなかなか面白いが、人見チョイスのホラー映画の場合来れる人間は限られてくるのでは。
「当真たちと話して決めた方がいいんじゃない? 得意なもの聞いたり」
「あがっ!?」
「やっぱそうかなー」
「おい、俺の分どこだ」
「冷蔵庫入ってるよ」
北添に言われたとおり、やはりクラスメートと話し合った方がよさそうだ。明日にでも聞いてみることにしよう。
「ほい」
「わ、またゾエ一抜けじゃん」
「あがり」
「ん、私も」
北添、絵馬に続いて名前も最後のカードを出す。それを見た仁礼は何!?と驚く。
「また負けた!?」
「仁礼ちゃん、ババ引くたびにあがって言ってたらそりゃ負けるよ」
「え!? なにそれ、言ってない!」
「「言ってる言ってる」」
「嘘だ!」と冷蔵庫からゼリーを持ってきた自分の隊長を見た仁礼だが、「言ってたぞ」と隊長にまで言われてしまうのだった。
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