そのまえ | ナノ
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テストと勉強会

次の日、さっそく土日ということもあり勉強会が開催された。しかもこれからほぼ毎日誰かが勉強を教えるという死にそうなコースで鬼畜だと思った。だが鬼の形相の風間に捕まったとき「やばい本気で殺される」と思ったから死んでいないだけマシなのかもしれない。

自分の目の前で仁王立ちしている風間を見上げる。ちなみに見上げる形なのは名前が正座で座らされているからである。

「これを見ろ」
「はい」
「数字が読めるか」
「8点です」
「いいか。8点だ。現時点のお前の成績の平均は8点だ。勘でやっても大体の人間は2桁取れる」
「はい」
「今からお前の平均点数を30点に引き上げる。俺たちはお前を殺す気で指導する。お前は死ぬ気で勉強しろ」
「はい」

死んだ目で相手の言葉を肯定し続ける作業を繰り返し、視線だけで人を刺殺できそうな風間さんの目をもう一度見る。あっこれは殺されますね。

風間の右隣に立っている東に助けを求めるように視線を向ければ苦笑いで自分の隊の隊員たちを指差された。自分の隊の隊員の勉強見てあげる東の男前っぷりには感心する。そして同時に癒しが消えたという事実に名前はつうっと心の涙を流した。

さっそく勉強に取り掛かる。風間が暗記物の文系を後半に、理系を前半にと決めたためまず数学から取り掛かることにした。

「お前、数学はどこまで理解しているんだ」
「……えへっ」
「可愛くないぞ。全部だな」
「あれ……風間さんの真顔思ったより精神削られるぞ……」
「おいここを読め」
「あ、はい」

とりあえず指定された問題を解き、風間がそれを採点する。そして採点を終え、顔を上げ一言。

「お前は馬鹿なのか?」
「お願い風間さん真顔で聞かないで」

顔を覆って泣きたくなるほどに名前は成績が悪かった。

中学校には通っていなかったため、中学の内容はすっぽりと抜けている。もちろん高校でも基礎がわかっていないためさっぱりだ。

高校編入のときは今回のような東たち年上組からの熱心な指導の下とボーダーの科目数の少ない特別試験でギリギリ入学できたわけだが、入学してからはサボりっぱなしだった。

「学校ではどうしている」
「元気に授業受けてます!」
「受けていて、これ、だと……?」

自分どころか自分の隊全員の学力が優秀な風間が驚きを通り越してフリーズしてしまいそうになる。自分も教える立場だったら自分は絶対に嫌だなと名前は他人事のように風間に同情した。

「これから毎日寝れないと思えよ」
「やだ…風間さんったら……」
「頬を赤らめるな勉強しろ」
「うぃっす」


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