×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -




小学校も4年生に上がった時、双子に連れられてバレーボール教室にやって来た。
双子に両手を引かれているから歩くしかなくて……。
その時、たくさん人がいる中でも一際背が高い人がいて目が奪われる。


「……5年生のアランくん言うらしいで。かっこええな……!」
「ええな」
「「横文字の名前……!!」」
「……え、そっちなの?」
「俺カイメイしよかな……」
「勝手に名前変えたらバァちゃん悲しむんちゃう?」


顎に手を当てて、真剣に悩み出した侑くんをじっと見つめる。
どうするんだろう……。
治くんは私の手を握ったまま、侑くんを見てる。
悩んでいた侑くんは何かを閃いたらしく、ハッとした表情を浮かべて「オサムのサム……!!」と呟いた。
それを聞いて治くんが「じゃあ侑はツムか」と……。
その瞬間、キラキラとした目で双子から見られて、一歩後ずさった。
あ、感想求められてる。


「……かっこいいよ」
「なんでやねん!!」
「!?」


双子の名前は好きだったから呼べなくなるのかなぁ、とか思っていたら改名と言う程でもなくて率直な感想を伝えたら、前を歩いていたアランくんからツッコミを入れられた。
……びっくりしすぎて、握ったままだった治くんの手に思いっきり力を込めてしまった。
でも結局、双子はその呼び名でいくみたい。
体育館で話を聞いている時に、侑くん……ツムくんがひそひそと話しかけてきたけれど、バレーボールに詳しくない私は首を傾げて聞く事しか出来なかった。
それからバレーボールを実際やる事になった。


「どうやった(名前)?」
「バレーって考える事が多くて難しいね」
「やけど、スパイク決まったら気持ちええやん!」
「うん……!それに2人ともすごかった」


今日、初めてバレーボールをやった。
助走からジャンプをして腕を振り上げたら、手のひらにボールが来て、ネットの向こうに落ちた瞬間、おぉ……!って思った。
ボールを打った手のひらにまだ衝撃が残っている。
自分のものじゃないみたいでドキドキした。
けれど、それ以上に……、バレーボールをやっている双子の楽しそうな表情にもっとドキドキして、そっちを見ていたいと思ってしまったから、ぽつりと言葉がこぼれ落ちた。


「私は2人を見てる方が楽しいかも……」
「……!せやったらマネージャー、俺らのマネージャーやったらええよ」
「マネージャー……私が?」
「ええやん!一番近くで俺ら見てて!」
「うんっ!」


……でもどうやったらマネージャーってなれるんだろう。
中学に行ったらなれるのかな?
なれるんだったら今のうちにバレーボールの勉強をしたら、双子の役に立てるかもしれない。
それを双子に伝えたら喜んでくれたのが嬉しかった。
帰ったら早速ルールとか教えてもらおう。
双子が必要としてくれるマネージャーになれるように頑張ったら、まだ一緒にいれるかな。



|



MAIN | TOP