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「あ、俺です」
「ツムくん……一体何を頼んだの?」
「今説明してた通りやで?カップルやないと注文出来へん限定プレート。俺らにぴったりやん。俺があーんしたるから一緒に食べよな〜」
「説明ありがとう……。どこから見付けてきたの……」
「さっき(名前)から割引券見せて貰ったやん?そん時に見付けた!」


目の前に置かれたプレートはどこもかしこもハートがあしらわれていて、何というか凄い……しか感想が出てこない。
堂々と嘘つくツムくんも恐ろしいけど、カップル限定のものを頼んだから店内から悲鳴が起こっていて頭を抱えたくなる。
店員さんがにこやかにカメラを構えて待っている中、ツムくんは角名くんたちに「俺らの動画録ってや〜」なんてお願いをしていた。


「写真、どう撮る?ちゅーしよか?」
「……普通でお願いします」
「あ、やったら一緒にハート作ろうや!……もっとこっち寄って、(名前)左手出してな。俺右手出すから」


ツムくんの左手が私の腰をさらに引き寄せる。
弾んでいる声に思わず笑ってしまって、その瞬間を撮られた。
貰ったポラロイド写真の中にいる2人はハートマークを作って楽しそうに笑っている。
……これだけ見たら確かにカップルだ。
貰ったポラロイド写真をツムくんにあげたら、しばらく眺めた後に生徒手帳に大切そうに挟んでいるところを見て、恥ずかしくなる。


「写真の笑顔ほんまにかわええ〜ずっと見てられるわ」
「……じゃあ写真見てて。そんなにこっち見ないで何か恥ずかしいです」
「?隣に本物の(名前)がおるんやから、本物見てる方がええに決まってるやん」


この日を境に、稲高でツムくんと私が付き合っていると瞬く間に広まった。やっぱり店内に稲高生もいて見られていたらしい。
あと角名くんから聞いたけど、SNSでもそこそこ盛り上がっていたとか……。



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