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HRが終わった瞬間に教室に突撃して来たツムくんの行動の早さには驚いた。
そんなツムくんは荷物をまとめている私を後ろから抱き締めて早く早くと催促している。
遅れて銀島くんも教室まで来てくれた。


「ツムくんそこまでスイーツバイキング興味あったっけ?」
「?そんなないで」
「え、じゃあ何でそんなにテンション高いの?」
「(名前)とデートやもん!楽しみすぎて最後の授業寝れんかったわ!」
「……治と一緒だ」


荷物をまとめ終わって、回る腕を外しながら立ち上がればすかさず手を繋がれた。
そのまま教室を出ていこうとするツムくんを見て皆が追いかけてくる。
ドアを出たところで追い付いたサムくんに手を取られ、指先が絡んだ。
くっと引っ張られたからその反動で肩にかけていた鞄がずり落ちて少し邪魔になったから直したいんだけど、どちらも手を全く離してくれない。


「鞄、肩にかけたいんだけど」
「俺持つで?(名前)貸して」
「いや、俺が持ったる!(名前)その鞄寄越して?」
「お前ら2人して何で(名前)の鞄まで取り合ってんねん……」
「「鞄持ってたら彼氏っぽいやん」」


揃って真顔で答えてきた双子に、私もだけど質問した銀島くんも呆気にとられている。
じーっと見てきた双子の申し出を断ったら残念がられたけれど、サムくんがかけ直してくれた。
鞄は諦めたみたいだったけれど、それでも手だけはお店に到着するまで離してはくれなかった。
店内はそこそこ混雑していて、やっぱりこの時間は同じ学生が多いみたい。しかも双子はアイドル級の人気を持っているし、稲高バレー部は有名だから気付いた人たちからだんだんと広がって店内がかなりざわつき始めた。
何か申し訳ない。私が引き連れているみたいになっていて……。


「なぁ(名前)ヤバない?……めっちゃ飯もあるやん。時間内に制覇出来る気がせえへん」
「……サムくんから幸せオーラが見える」
「(名前)何から食う?取りに行くで!」
「ツムくん行くから引っ張らないで」
「俺、初めて来たんやけど色々あんねんな」
「バイキング90分しかないってよ。ゆっくりしてたら食べる時間なくなる」


角名くんの言葉にばたばたと立ち上がって思い思いに料理を取りに行った。
さすが運動部ってだけあって、皆お皿に山盛りに持ってきては完食を繰り返している。
私が同じだけの量を食べられる訳もなく、まだ主食系をガツガツ食べている皆を見つつ、ケーキを食べていたら、店員さんがデザートプレートとポラロイドカメラを持ってテーブルにやって来た。
え、誰が頼んだの?というか何頼んだの?


「お待たせしました。ご注文のカップル限定プレートです。記念にお写真も撮れますが……えっと、失礼ですが、お連れの方はどなたになりますでしょうか……?」
「あ、俺です」


平然と悪びれる様子もなく、私の隣に座る片割れが手を上げた。



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