08:マネージャー…?


そして帰宅後、私は立海の人たちに連絡すべくスマホと向き合っていた


こういうときってどんな書き出しにしたらいいんだろう…


と目を回しつつ、私はメール画面を立ち上げた


【立海大附属のみなさんへ。
本日お会いしました江藤みのりです。
よろしくお願いします。】


『…っと、これでいいかな…』


ごく普通の自己紹介文を載せ、私はメールを送信した


すると、すぐに


【江藤さんだね、今日はありがとう。助かったよ】


と返信


私は、


【いえ、そんなに大したことしてませんから…】


と返信


そうすると電話番号を聞かれ、教えると5分もたたないうちに携帯が鳴った


『え!?…は、はい、もしもし』


《あ、もしもし?江藤さんかな?》


『あ、はい…』


この声は幸村か…


そう思いながら返事を返す


《ちゃんとお礼と、今度の話が出来なかったからね。それをするために電話させて貰ったよ》


『お礼と、今度の話…?』


私が小首を傾げると、幸村が笑う


《ふふ、キミの幼馴染みに邪魔されてしまったからね》


幼馴染み…赤司くんのことか


って、なんで知ってるんだ…?


…あぁ、柳か、と納得しつつ、通話を続ける


『はぁ…それで、お話とは…』


《あぁ、それはね、今度の練習試合のときに、俺達のマネージャーをしてほしくて》


『え…?』


どうして、という疑問符が、身体中から出ていただろう


それを敏感に察知したのか、幸村が説明してくれる


《実は俺達にはマネージャーがいなくてね。マネージャーを雇っても、選手狙いでまともに仕事をしなかったり、応援が大きくて、練習の邪魔になったり…》


『は、はぁ…大変なんですね…』


と返すと、幸村くんは小さく笑う


《…ふふ、やっぱりキミは他の子と違うね》


と言われ


『えっ!?そんなに可笑しい行動してます!?』


と問うと


《いや、良い意味で予想を裏切ってくれるなと思って》


『…はぁ…』


それがどういう意味なのかは理解できなかったけど…幸村が楽しそうだからいいや


《それで、立海と帝光、その他の学校の練習試合が来週末にあるんだけど、予定はどうかな?》


『来週末ですね?ちょっと待って貰えますか?』


《あぁ、勿論》


そこまでで一旦通話を止め、母親に聞く


すると、来週末は用事は入ってないとのこと


あと、あなた自分でスケジュールつけてるでしょ、と言われたので、後でスケジュール帳を探そう…


そう決め、また通話する


『もしもし』


《あぁ、お帰り。早かったね?》


『なにも予定がなかったので…』


と告げると、幸村が薄く笑ったのがわかった


《それなら良かった。俺達のマネージャーをしてもらえるかい?》


『…あの、私…スコアの付け方とかなにも知らないんですけど…』


とおずおずと告げると、幸村は大丈夫と笑う


《ちゃんとその辺はサポートするから。…お願いできるかな?》


『…はい、そこまで仰るのでしたら』


と答えると、また幸村が笑うのがわかった


《俺達同い年だろ?敬語はなくても良いんじゃないかな》


『あっ…善処します』


《ふふ、よろしくね。それじゃあ、詳しいことはメールするから》


『はい、お疲れ様でした』


《うん、じゃあお休み》


『はい、お休みなさい』


そこまでいうと、幸村が電話を切るのを待っていたのだが、少しすると幸村から切ってもいいよと言われたので、お言葉に甘えて切った








マネージャー…?

(そんな、まさか私が…)



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