09:初心者のデータ収集


立海のマネージャーを引き受けた日から一週間がたった


…そう、とうとう練習試合のマネージャーをやる日が来たのだ


場所は聞いていたので、そこに向かう


『えっと…ここを曲がって…』


…あ、あった


ここか…


大きなスポーツセンターがあった


普段は、誰もが知ってる氷帝学園のテニスコートを使うんだそうだけど、他のスポーツの動きを取り入れたいからと、今日はスポーツセンターになったらしい


あ、因みに、赤司くんも、今日どこかで練習試合らしい


頑張って、とだけ送っておいた


…まあ、赤司くんなら抜からないと思うけど


そう思いながら、スポーツセンターの中に進む


すると、すぐにいろんな色のジャージの軍団がいた


『…わお』


私は驚いて足が止まった


だが、私の足音が聞こえていたからか、そのジャージの軍単が一斉にこちらをみる


私がびくっと反応すると、幸村が笑顔を浮かべて歩み寄ってくる


「やぁ!よく来たね、江藤さん」


「…ん?お前が幸村の言っていたマネージャーか?」


びくっ


『…あ、あの…』


「ふふ、そんなに睨んだら萎縮してしまうよ、跡部」


「…お前、帝光中の生徒か?」


『は、はいっ!』


制服でわかったのか、じろりとみられて、緊張する


「…ふーん、なるほどな」


「跡部、彼女は他の女の子と違うから、大丈夫だと思うよ」


「…そーかよ。いくぞお前ら!」


跡部の掛け声に、他の人たちも歩み出す



『…はあ』


「緊張しただろう?ごめんね」


幸村が背中をさすってくれる


『は、はい…』


「じゃあいこうか?」


『は、はい!』


幸村について、スポーツセンターのさらに奥へと進んだ


今日のために、テニスについて少しだけど勉強した


…それが少しでも役立てばいいけど…


そんなことを思いながら、幸村について中を進む


『…わぁ…』


そこには、とても広いテニスコートが数個あった


「それじゃあ、江藤さんはこっちだよ」


幸村に手をひかれて、とあるテニスコートのベンチに、両肩を押されすとんと座らされる


『…』


その間に、真田が他の立海メンバーに指示を出している


柳は何故か幸村の後ろに立って、凄い勢いでノートにメモを取っている


…おそらくは私のデータだろう…


そんなもの取っても何にも得なんてないのに…


なんて思いながら、鞄からノートとペンを取り出した


私なりに、彼らがやってるテニスがこんな感じ、って言う風に、データを取ろうと思っていたのだけど…


…たかが、テニス初心者のデータなんて…役に立つんだろうか…


そんな不安も首をもたげたけど、自分なりにやってみようと、決意したのだった









初心者のデータ収集

(出来る限りやろう…)



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