06






連日、降り続いた雨がようやく上がった。


先日助けた姫は少しずつ回復していると自分の式に霜惺は聞いた。


彼女一人が助かったのは運が良かったからなのだろうか。


しかし、彼女への待遇や娘ではなく「姫」と呼ぶことなど様々な疑問が彼の胸をあの日からずっと渦巻いている。


雨が止まない。


梅雨だから当たり前と言えば当たり前。


それは分かっていてもこうも連日雨続きだと気が滅入る。


「・・・はぁ」


「溜息か?」


「さすがにこの雨じゃあな」


気怠そうに答えながらごろりと横になる。


「違うな」


「は?」


「姫のことが気になっているんだろう?違うか?」


「・・・お前、人の心が読めるのか?」


「俺はお前が初対面の姫をそこまで気にかけていることに感心している」


「俺はそこまで薄情ではないよ…しかし、な」


コツンと柱に頭をつけて寄りかかる。


「あれが実の娘にすることか?」


「あの父親がわざと拐わせたという線もあるぞ?」


「…しかし、それが本当なら尚更あの娘を助けなければと思うのだが?」


霜惺はちらりと永鬼を見上げる。


「ーーー良いのか?」


「ん?」


「お前の嫌いな道だろう。誰かの道具になるなんて。それに…同情や哀れみで救えるほど簡単ではないぞ」


「永鬼…私はあの姫が何故か気になる・・・いや、惹かれているのか?」


ふっと笑う霜惺の顔を見て永鬼は溜め息をついた。


「お前の人生だ。好きにしろ」


「そう?助かるよ。……お祖父様は怒るかな?」


ははっと霜惺は力なく笑う。









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