09



「どういう、ことですか・・・?」


そこに何故彼らが関わってくるのか菘には分からなかった。


和葉は目を外に向ける。


「俺達は滅多な事がなければ死なない。いや、死ねない」


「殺すには心臓を一突きするか頭を跳ねるしかありません」


「混血児だって少ない。人と妖が交わる場合、人が妖気に負けてしまう事が多いからな」


和葉は煙管を置くと、菘に向き直る。


「妖怪を倒すために祓い屋は作られた」


ごくり、と菘は唾を飲み込んだ。


「なら、その妖怪はどこへ?祓い屋の上にいるのは誰だ?」


「祓い屋にいた貴女なら、分かるのではありませんか?」


額を嫌な汗が伝う。


「・・・み、かど」


顔が蒼白になり、震えながら菘がそう呟くと、二人は頷いた。


「それが、祓い屋がここを狙う理由でもある」


つまり、人の心を保った妖怪。


私達みたいなのものを作りたいんですよ、と蒼詠が言った。



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