09
「どういう、ことですか・・・?」
そこに何故彼らが関わってくるのか菘には分からなかった。
和葉は目を外に向ける。
「俺達は滅多な事がなければ死なない。いや、死ねない」
「殺すには心臓を一突きするか頭を跳ねるしかありません」
「混血児だって少ない。人と妖が交わる場合、人が妖気に負けてしまう事が多いからな」
和葉は煙管を置くと、菘に向き直る。
「妖怪を倒すために祓い屋は作られた」
ごくり、と菘は唾を飲み込んだ。
「なら、その妖怪はどこへ?祓い屋の上にいるのは誰だ?」
「祓い屋にいた貴女なら、分かるのではありませんか?」
額を嫌な汗が伝う。
「・・・み、かど」
顔が蒼白になり、震えながら菘がそう呟くと、二人は頷いた。
「それが、祓い屋がここを狙う理由でもある」
つまり、人の心を保った妖怪。
私達みたいなのものを作りたいんですよ、と蒼詠が言った。[ 56/61 ] [*戻る] [次へ#]
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