09



「そこまで驚くことですか?
アテナの聖闘士ということは神という存在にも慣れてるのかと…てっきり。」




「そういう問題でもなかろう。
それにおぬしが完全に気配を消しているということもあるだろう。」




「神の姿では不便ですので。」








ポセイドンとあっさり話しているティア。
それだけで、本当に只者ではないということがなんとなくわかった聖闘士たち。








「だが、その姿もなれんな。
…頼むから神衣を着てくれ。」







紫のカーディガンとワンピース姿を一度見てから、再びため息をつくポセイドン。
それを苦笑交じりに見てから己の姿を見下ろすティア。








「せっかく買っていただいたのでもう少しきていたかったのですが…しょうがありませんね。
天界に帰ったらまたきましょう。」








その言葉と同時に、彼女の姿がまるでカゲロウのように揺らいだ。









「少し、離れててください。」







真紅の焔が彼女を包んだ。








「!?」




「ティアさん!?」









慌てて駆け寄ろうとした瞬と星矢をポセイドンとハーデスが止めた。








「案ずるな。
今、神衣を纏っているだけだ。」




「も、もえてるじゃねえか!」







燃え盛る火柱を見て、青ざめた星矢はハーデスにつっかかる。
しかし、先ほどとは打って変わり落ち着き払ったハーデスは何でもないように答えた。






「いったであろう。
ヘスティアは竈の神だ。
それはつまり、炎の女神ということ…。」





「聖なる炎を扱うことなど、あ奴にとっては朝飯前だ。」





「そういうことですわ。」








火柱が形を作り、それは現れた。








「改めて、自己紹介いたしましょう今の世のアテナよ。
我が名はヘスティア。
家庭を守る竈と聖なる火の神ですわ。」









そこから現れたのは黒の髪をなびかせ、銀と紅の鎧に身を包む女神の姿だった。




















prev next

bkm
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -