08



青銅たちは顔を見合わせた。
そして氷河が口を開く。








「沙織さん…実は、その神の使いがそこにいるんだが…。」





「!」





「ヘスティアの使いが?」





「ああ…。
今来てもらおう。」







紫龍と星矢が教皇宮を出ていく。
その間、一輝と瞬と氷河は黄金聖闘士と話す。






「俺らが留守の間に、すごいことになっていたのだな…。」




「おかげでこっちは朝から走りまわされていたのですよ。」





「わが師カミュ…お疲れのようですが…」





「いや、この程度疲れとは言わない。」





「なら良いのですが…。」










明らかにやつれてる黄金聖闘士たち。
朝から世界中を飛び回らなければならないのだから、
疲れていて当然なのだろうが…とすこし同情する三人。








「この人だ!」




「今日、町であったのだが…」







星矢と紫龍が連れてきたのは、黒い髪の美女。
淡い色紫のワンピースとカーディガンを羽織って、少しきょどきょどしていた。







「沙織さん。
この人がその聖木を届けに来たティアだ。」





「ご機嫌よう、アテナ。」







にっこりとほほ笑むティア。
その美しさに、思わずその場にいた全員が見とれた。





二人を除いては。










「…なぜ」









小さく、ハーデスがつぶやいた。









「え?」



「ハーデス…?」






青銅たちが、震えているハーデスを怪訝そうに見る。
しかし、ハーデスはそんなことを気にせずに立ち上がり…そして










「何故そのような格好をしているのだ貴様―――――――――――――――ッ!!!!!!!!!!!」








大声で、叫んだ。
わなわなと震えるハーデスの威圧感で、空気がおびえたように震える。
それに一瞬、全員の顔が凍り付いた。








しかし、ただ一人。
ティアだけは笑顔を湛えたまま表情を変えなかった。









「短気ですわね、ハーデス。
神なのですから、もう少し落ち着いたらどうです?」




「少なくとも他の神に比べたら桁違いで余は気が長いわ!
だが!さすがに余でも叫ばずにいられるか!」



「あら、なぜですの?」




「貴様が断りもなく出かけた上に、そのような格好でいたからだ!
そのうえあの青銅どもと街にいただと?
これがどならずにいられないわけがないだろう!」




「そうですか?」








怒鳴るハーデスとのんびりしたティア。
何がなんだか理解できていないアテナとその聖闘士たち。











「ポセイドン…これはどういうことですか…?」





「何で、ティアとハーデスが普通に話してんだよ!」









沙織と星矢が聞くと、額を押さえながらポセイドンが口を開く。







「お前たち…知らずにともにいたのか…。
あやつのことだから、巻き込みたくなかったのか…ただ単にどこか抜けていたのか…。」




「だから!何がだよ!」








額を押さえていた手を下し、真面目な顔をしてポセイドンは告げた。









「あやつが竈の女神・ヘスティア。
クロノスとレアの間に生まれたこの中で一番早くに生まれた神…ようするに、私やハーデスの姉神だ。」




「・・・・え?」








えぇええええぇえええええええええええええええええ!!!!???















教皇宮に、こえにならない驚愕の叫びが響き渡った。

































































prev next

bkm
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -