「お、ゆき!
ケージさんに説明終わったの?」









「終わったの?じゃないよ!何してんの!?てか、なにやらかしてんの?!」











「これはまだセクハラじゃない!
ボディタッチの域だ!
訴えられる心配なんてない!」









「ボディタッチも立派なセクハラだから!」











美形な顔をキリッと真面目にして不謹慎なことを言う藤木。













「あ、恐がらせてごめんね。
それと、手を握らせてくれてありがとっ!」











「あ…は、はい。」











そそくさと逃げていく町娘にひらひらと手を振る藤木。










「新手のナンパ方法なんて見つけないでよ…。」








「いいじゃん。
あたし昔から女子受けはいいからさぁ。
それを生かせばセクハラし放題ってもんよ!」









見事なドヤ顔で、にんまりとほほ笑む藤木。
あきれ顔のゆきに、慶次がポンっと肩に手を乗せる。














「大変だねぇ。
変態な相棒を持っちゃうと。」










「そういうケージさんも女好きそう。
女の子の女好きは許されても、男の女好きは死刑だお。」











笑顔で親指を首のところでサッとスライドさせる。



意味は伝わらなくても、恐ろしいセリフと異様なその笑顔で代替意味は伝わった。
















「それにしても、ゆきと仲良くなるの早くない?
仲良くなるのもう少し時間かかるかと思ったのになぁ…。」












「あ、うん。
慶次さんが優しいし、話し上手だからすぐに慣れちゃった…。」








「ゆき…。
恐い人が無理っていうのはわかるけど、世の中で優しくて話し上手っていうのは大抵その裏には思惑があるんだからそう簡単になびいちゃ駄目だからね…?
例外的にケージさんはただ単に脳筋だからいいけど、今度から気を付けてね。」










「う…た、確かに。
…分かった、今度から気を付けるね。」











「あ、あれ?
俺今さりげなく貶されなかった?」









「気のせいですよ、多分・・。」









「多分って…。」










あって間もない少女たちに貶されたことを、ショックに想いながらも気を取り直して笑顔で二人に提案した。














「二人とも、俺の家に来ないかい?
二人に会わせたい人がいるんだけど。」





慶次の提案に藤木とゆきは少しだけ顔を合わせた後






「別構わんよ!!!!!!」




「お邪魔させていただきます…!」







慶次ならばなにもしない、と信用したため、ふたりは否定しなかった。







「良かった!
そうと決まれば即行動!
早速行こうか!」








三人はぐだぐだ話ながら慶次の家に向かった。

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