04/02 03:30
主ワタ主/君は手厳しい


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「何してるんですかワタルさん」
「特に何も、かな。」
「ならリーグに引きこもっててください」
「手厳しいな君は」
 俺は決して手厳しくないと思う。チャンピオンのこの人が自由に飛び回るのが良くないんじゃないかな。挑戦者はいつ来るのか分からないわけだし。俺はリーグ行ったらチャンピオン不在なんて認めないぞ俺は。
「挑戦者が来たら帰るし、定刻はリーグに居るし、書類も終わらせているからいいじゃないか」
「そうですか。」
 うん。もう何も言えない。いやいやいや、言うことはある。
「何で俺がポケモンセンターで貸してもらった部屋に居るんですか」
 貴方はストーカーか。
「ジョーイさんに言ったら入れてもらえたよ」
「そりゃチャンピオンの頼みを聞かない人なんて殆ど居ないでしょう」
「だんだん猫が剥がれてきてるよ」
「すみませーん」
 反省の色など無い。そもそも猫なんて被ってるつもりもない。そう、俺はこの正義の味方に敬意をはらうつもりなんてない。だってこの人みたいな正義の味方は残酷だ。いや、正義の味方なんてそんなものか。
「じゃあ私は帰るよ」
「そうですか」
「君の顔が見れたしね。それじゃあ」
 にこにこと笑顔で帰るワタルさん。本当に何しに来たんだ。


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