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※宍戸だけ 生意気なトコが、可愛かった。 他にも、照れた時の仕草とか、本当に嬉しそうに笑った時の顔とか。俺がきゅんとくることを、アイツは全て素でやってきた。 だから好きになったのだって、ごく自然なことだった。 でも俺が日吉を好きになる前からずっとアイツは俺のことが好きだったらしい。 そんな日吉の気持ちを知らずに告白したので、あの時は突然泣かれて焦ったのをよく覚えている。 「始めと終わりが、同じってのもどうなんだかな…」 誰もいない部室で、独り言に返事をする声など当然あるはずもなく、怖いほどの静寂が俺を包んだ。 どうしてあんなにも互いを好きだったのに別れることになったんだろうか。 理由も言わずただただ、泣きながら"すみません"を繰り返す日吉を俺は、怒ることも優しく宥めることも、抱き締めることもできずに"別れてください"という言葉の意味を延々と考えることしかできなかった。 今、一人になって思うのは、きっと俺と日吉は好きって気持ちの均衡が、ちゃんととれてなかったんだ。 ずっと、俺に気づかれないよう独りきりで悩んだり苦しんだりしてたんだな。 ごめん、って謝るのは俺の方だ。 ちゃんと謝って、できればまた普通の先輩と後輩に戻りたい。 だけど俺が日吉を好きでいる限り、日吉は苦しみ続けると思う。 だったらいっそのこと、日吉を好きだった気持ちは忘れよう。 俺が悲しいとか、寂しいとか、辛いとか…そんなことはどうでもいい。 俺が幸せでいるより日吉がまた、嬉しそうに笑ってくれればそれでいいんだ。 好きだったよ、日吉。 きっとお前が思ってるより、ずっと。 忘れる (でも、多分無理だ。) いつも以上に意味不明… 120425 |