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「好きやで…ちゃう、すっきやねん!…これもちゃうな…」 どうもみなさんこんにちは。 氷帝学園2年、テニス部レギュラーの日吉若です。 実は、同じくレギュラーで先輩でもある忍足さんに放課後に呼び出されました。 時間きっかりに行こうかと思いましたが、もしかしたらシメる…みたいな、そんな非平和的な呼び出しかもしれないと思ったので早めに来てみれば、忍足さんが既にそこにいて、何やら呪文のように「好き」と呟いていたのです。 これってもしや、告白するための呼び出し…? ていうか忍足さんて俺のことが、その、す…好きだったのか…。 いや、俺は別に嫌な訳じゃない。 寧ろ好きだ。 だけどずっと忍足さんは脚がきれいな年上の美人な女の人がタイプだとたばかり思っていたから、若干諦めモードに突入していた。 どうするんだこれ…心の準備が全然できてない! とりあえず約束の時間になるまで待とう。落ち着け、落ち着くんだ俺。 「あれ?日吉、お前そんなとこで何してんだよー? 早くしないと部活おくれっぞー」 向日さんのバカー…!! 「日、吉…?」 「はい」 「なななんや、もう来とったんか。あんな、俺……ずっとお前に言いたいことあってん」 「はい」 「そのな…す、好きや」 「はい」 「あの…"はい"しか言っとらんでちょお怖いねんけど…へ、返事は?」 「はい」 「お、おん…」 「俺も…好きです…っ」 挙動不審で、今全くかっこよきない忍足さんの胸に、とりあえず飛び込んだ。 恥ずかしいけど、その何倍も嬉しいです。 諦めなくてよかった。 背中に感じる彼の手の温もりに、不思議と安心した。 伝える (今日からずっと貴方の隣が俺の居場所です) 120318 |