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俺の恋人は、目が悪い訳でもないのに眼鏡をかけている。 「…なぁ、何でだよ」 「似合うとるやろ?さすが俺やわ〜」 「似合ってるけど、何か…気になっちまうんだよなー」 忍足から眼鏡を奪って、眼鏡のない奴の顔をまじまじと観察する。 ムカつくぐらい整っている顔を、何でこんな物で隠してしまうのかが俺には分からないのかもしれない。 「俺は眼鏡ないお前の方が好きだけどな…」 「…亮!」 「うわっ、何だよ抱きつくなきめぇ!」 「せやかて、かわええこと言うんやもん。仕方ないやろ」 「はぁ?どこが可愛いだよ、アホか?」 「真顔でそんなこと言っちゃう亮もごっつかわええ!」 ぎゅうぎゅう抱き締めてくる忍足が、訳がわからなくて俺もよくわからないまま背に腕を回した。 …まあ、こんな変な忍足も眼鏡をかけてない忍足も、心行くまで俺が独占できるのは嬉しい、と思う。 「他の男にそないなこと、言うたらアカンで?俺だけに言うてや?」 「他の男にって、俺の近くに伊達眼鏡かけてんのお前しかいねえし」 「万が一、万が一俺みたいな眼鏡似合う奴が現れたら…俺のこと選んでな?……ん、」 「んぅっ……」 万が一、男からキスをされてもこんなに心臓がうるさくなるのはお前しかいないけどな。 気にする (好きだと、自然にそうなるみたいだ) 121222 |