好きさ、好きさ、好きなのさ
※大人向け
***
緩やかに堕ちて
じわじわと侵食する
まるで麻薬のように
私の心と身体を蝕むのは
「なまえ」
「赤木さん」
ひやりとした壁に凭れた背中が擦れる。薄暗い照明と無音の空間がその場所で幾度となく繰り返される淫靡な行為を想像させて自然と肩に力が入ってしまう。
「何だ、こういう所は初めてか」
「…初めてじゃ、ないですけど」
何回来たとしても緊張するに決まってる。だって、赤木さんと…
「案外遊んでねえんだな」
「…そんな女に見えてました?」
「いや、なまえらしいよ」
ククク、と笑ってベッドに腰掛けるとポケットから煙草を取り出して火を付けた。これが大人の余裕というやつか、と感心しながらなまえはバスルームの扉を開けて中を覗く。広い浴室は淡いベージュのタイル張りで綺麗に掃除されていて、何も考えずに湯船に湯を張ると部屋に戻ってから小さな声でお湯入れました、と言った。
「まあ、隣に座れや」
「…はい」
「緊張してるのかな」
「してます…すごく、あっ」
逸らした視線が揺れる。ふわりと肩を押されて倒れたのは柔らかなベッドの上。余裕の無いなまえに優しく微笑んで熱を帯びる唇を重ねた。ちゅ、ちゅ、と啄むような口づけを交わすと潤んだ瞳で見つめる彼女の表情はとても官能的で。
「その顔、堪らねえ」
「あ、の…お風呂…っ」
「終わってからでいい」
「でも」
そんなもん後回しだ、後回し
「おっ、思ったよりあるなあ」
「んあっ!急に触らないで下さ…っ」
ブラウスの上から掬い上げるように揉みしだくと手のひらいっぱいにその柔らかな感触を楽しんでいる。
「なまえ、自分で脱いで見せてくれよ」
「え、でも…恥ずかしい…」
「大丈夫だ。俺しか居ねえから」
(それが一番恥ずかしいのに)
ブラウスのボタンをひとつずつ外してはらりと肩から落とす。スカートも、と促され言われるまま脱げばしなやかで細く引き締まった脚と雪のように白い素肌が露になった。
「さて、始めるとするか」
心臓がドクドクと脈打つ。口づけを交わす度に身体の芯が甘く疼いて止まらない。浅い呼吸に合わせて上下する胸を赤木の指先が優しく撫でる。ぷっくりと膨れて固くなった乳首を強く吸い上げて舌で転がされればまるで電流が走ったように身体が痺れて何も考えられなくなった。
「あ、っ、だめ…ぇ」
「そうか?ここはそうでもなさそうだぞ、ほら」
薄い布地に覆われた秘所に指を這わすと湿り気を帯びたそこは既に充分に濡れそぼっていて、甘く香る"女"の匂いに自然と身体が熱くなる。
「こんなに濡らしていやらしい娘だ」
「だっ、て…赤木さんの所為で…」
「今くれてやるから待ってろ」
壁に両手をついて脚を開かせると、なまえの腰をぐ、と掴んで尻を持ち上げた。白く円やかな身体を割ってとろとろに溶けた膣内へと熱く猛った赤木の雄が徐々に押し込まれていく。覆い被さる様にピタリと重なる二人の身体は深く、深く繋がっていた。
「赤木さ…んっ、これ好き…ッ」
「なまえ、気持ち良いだろ、なあ」
荒々しい息遣いにぱつぱつと肌を打ち付ける音が響いて、時折漏れるなまえの甘い嬌声が赤木の耳を擽る。華奢な肩を掴んで固定すると折檻のような激しさで彼女を攻め立てた。
「ひ、あっ、ぁあ──!」
青白い肌がほんのりと色づいて艶やかな黒髪がさらさらと肩に流れる。その無防備な首筋にがぶりと甘噛みすれば一際大きく跳ねたなまえの身体が小刻みに震え、絶頂を迎えた事を表していた。
「…っ!」
その後を追う様に赤木もまた熱く滾る己の欲をなまえの胎内に全て吐き出す。びくびくと収縮を繰り返し最奥へと放たれた白濁がなまえの心を満たして泣きたいくらいの愛しさに胸が張り裂けそうだ。
「…赤木さん…大好き…」
事後の余韻が残る身体を寄せて赤木の懐へと顔をうずめる彼女のあどけなさに、思わず笑みが零れる。
「なまえは甘えん坊なんだな」
「だって…赤木さんの事が好きで好きでしょうがなくて」
「ククク…気の毒によ」
こんな俺に捕まっちまったんだからな
幼子を慈しむ様に、大きな手のひらが優しく頭を撫でる。
「じゃあ次、もう一回な。大丈夫だろ?」
「えっ、あの……はい…」
恥ずかしさと嬉しさに耳まで赤く染めながらお手柔らかにお願いします、と小さく頷いた。
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