2015/12月
12月29日
「・・・ええ、そう・・・ちゃんと伝えようかなって」
遠いような近いような。
そんな世界にいる友人と電話をする。
向こうもきっとこの時期はお祝いで忙しい筈だから、あまり長い時間は話せないけれど。
でもこんなことを相談出来るのは彼女だけ。
だからかな、つい話し込んでしまうのは。
とんとん、と階段を上がってくる音がして、「あ、お風呂からあがってきたみたい。じゃあまた、・・・ふふ。お互い頑張りましょうね。・・・ええ、よいお年を」と恒例の言葉で締め括って電話をきる。
ちょうど喜助さんが部屋に入ってきて、驚いたように私を見る。
「おや、まだ布団に入ってなかったんスか?」
まだしっとりと濡れたままだった私の髪に櫛を通して「風邪引きますよ」とタオルで水気を切る。
そうっと髪を撫でられる感覚が心地よくて、私はうっとりと瞼を閉じた。
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