2015/12月
12月27日

鉄裁さんが朝から張り切っている。
それもそのはず。
今日は大掃除をする日だから。

普通は晦日や大晦日なんだろうけれど、私達の場合はそのどちらもそういう作業に向かない日だから少しだけ早めにやっておく。
私と雨ちゃんは、押入れの掃除。要らない物は処分しなければ増える一方だ。
ある程度片付けたら、今度は新しいレンジフードやスポンジ、箒、その他諸々の買い出しに。

「喜助さん、買い出し行けそう?」

「はいな。こっちも粗方片付いたからいけますよン」

ちょっと大荷物になるから、喜助さんにも買い出しを手伝ってもらう。
雨ちゃんには駄菓子の在庫管理をお願いして、戸口へ向かう途中に鉄裁さんの声が響いてくる。

「ジン太殿!雑巾掛けがまだ終わってませんぞ!」

「うげ、見つかった!」

どたばたと走り回る音。
私と喜助さんは顔を見合わせてこっそりと笑いあう。

あらあら、今日は何時に終わるのかしら。



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