2015/12月
12月23日

「うん、いい感じ」

こっそりと隙を見付けては編んでいたモノがようやく完成した。編み目を少し細めにしたことと、模様編にしたせいか、予定より少し時間が掛かってしまったけれど、何にせよ出来上がって良かった。

「・・・失礼します・・・風華さん、あの、紅茶・・・いりませんか?」

「あら、ありがとう、雨ちゃん」

部屋へお茶を運んできてくれたのは、雨ちゃん。
きっと、鉄裁さんが気を効かせてくれたんだわ。

紅茶を飲んで一息ついた私に、雨ちゃんが恐る恐る「・・・出来たんですか?」と聞いてきたので、「ええ、今出来上がったところ。どうかしら?」と広げてみせてあげた。

「すごい、すごいです、風華さん・・・!!」

目をキラキラさせて雨ちゃんは褒めてくれた。
それから、恐る恐るそれに触れて、「・・・ふかふかしてて、暖かい、です・・・」と言って微笑むから、私も笑い返す。

彼も喜んでくれるかしら。



24/35


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -