2015/12月
12月16日
本当は昨日までに終わっておきたかったんだけど、最近は来客も多くてまだまだ進んでいなくて。
だから今日はひよ里ちゃんの隠れ家にお邪魔してずっと針を動かしている。
「なぁ、風華ー。喜助とずーっと一緒におって嫌にならへんのか?ウチやったら三日ももたへんわ」
「もう、ひよ里ちゃんたら。またそんなこと言って。それにそれを言ったら、ひよ里ちゃんだって、ちゃんと副官勤めていたじゃない」
「アレは、アイツがどーしよーもない奴からしょうがなく・・・て、そんな古い話持ち出すん卑怯やで!」
いつもひよ里ちゃんは、悪態ばっかりつくけど、本気で嫌っているわけではなくて、むしろなんだかんだと信頼していることを知っている。
でも、それを真っ向から指摘すると拗ねてしまうから、それとなく話してみる。
喜助さんからすると、もう十分ひよ里ちゃんとは仲良しらしいのだけど、出来ればもっと仲良くなってほしいから。
「そうかしら?」
「せや!アカン!ウチの風華が喜助のヤツに毒されよる!」
ひよ里ちゃんはそう言って何やらハッチさんに八つ当たりしていた。
確かに大きい体だけど、サンドバッグはないんじゃないかしら。
止めようにも今良いところだし、今日は針の滑りもいいし、もう少し、頑張ってもらおう。
ごめんなさい、と心の中でこっそりと謝って。
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