2015/12月
12月11日

「ちわーっす」

「あら、一護くん、いらっしゃい」

今日はどうしたの?と聞くと、妹さんに頼まれて駄菓子を買いに来たんですって。

「一護くんは妹さん想いで優しいわね。きっと妹さん達も自慢のお兄ちゃんでしょうね」

妹さん達の為に駄菓子を買いに来てあげるお兄ちゃんだなんて素敵。仲の良さに微笑んで袋を手渡すと、彼は誉められたことが恥ずかしかったみたいで、ちょっと照れたように片手を振った。

「いや、そんなことないって。歳が離れてるしよ、フツーだって!」
 
「黒崎サーン、なーに、鼻の下伸ばしてるんですか?」

「うぉわっ!!?う、浦原さん!?」

「もう、喜助さん!子ども相手にみっともないことしないで」

「だって、」

「だって、じゃありません。いいから、仕事に戻ってください」

喜助さんはわざと扇子をぱちんぱちんと開いては閉じて、閉じては開いてを繰り返していたけれど、すごすごと部屋へ戻る。
この人は男の人とみると一護くんみたいな子どもにさえ、こうやって絡むから困る。
冗談なんだろうけど。

「ごめんね、一護くん」

「え、あ、いや・・・風華さんも大変だな」

「ふふ、そうね。でも、」

でも、この場所を選んだのは私だから。
だから、こんなの苦労の内にも入らないわ。
そう言ったら、一護くんは「女の人ってスゲーな」って驚いていた。



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