2015/12月
12月10日

「どーも、奥さん、ご無沙汰してます」

「あら、いらっしゃい!お久しぶりですね」

今日は古いお客様が来てくれた。
とても古い、大事なお客様。

「旦那、今いける?」

「ごめんなさい、さっき起きたところだから、まだ・・・」

「ふぁ〜、起きてますよーン・・・お客様っスかぁ?・・・おや?おやおや?珍しい顔っスねぇ!」

ずずいっと、顔を寄せた喜助さんの態度に彼は苦笑い。
ちょっと喜助さん、とたしなめると喜助さんは体を引く。

「で、今日は何をご所望で?」

「アンタ、相変わらずだな、ホント。まぁいいけどよ。今日は旦那にこれを渡そうと思ってな」

「なんスか、これ?」

大きな紙袋を差し出してくれた彼を喜助さんは怪訝な顔で見ている。

「なにって、今月誕生日だって聞いたからですよ?浦原技術開発局初代局長殿」

にやにやと笑って彼は「ささ、どうぞお納めください」と喜助さんの前で膝を折った。

「・・・アナタも大概根に持ちますよね」

「ん?何のことだかさっぱりだなァ?」

少し不穏に見えるやり取りだけど、この人たちはこれで楽しんでいるみたいだから、まあいいかしら。



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