四十八手
*しぼり芙蓉*

胡座をかいた喜助の間にすっぽりと収まっているのは愛しい女性。

その愛してやまない風華の体を、ついつい悪戯な掌が這い回ってしまうのは致し方ないことで、さらにいつもより意地悪をしてみたくなるのも已む無しというところだ。

「もう、やめっ、あ、や、」

「まぁたそんなこと言って。本当はもっとしてほしいんでしょ?」

「いや、んッ、ァ、そこっ、や!」

「ココ?」

「はぁあっ!」

ぐりぐりと赤く熟れた肉芽を指で押し潰してみれば、風華の肩がびくんと跳ねる。
軽い絶頂を迎えたのだろう、いくらか力の抜けた彼女の体を背後から抱え直す。

「よいしょ、と」

「ん、・・・やぁ、待って、・・・喜助さん、まだ」

「大丈夫だから」

「ひゃ、ッ、んんッ!」

両胸を鷲掴みにして、人差し指で桜色の先端を転がす。
優しく愛撫すれば、それに応えるように淡く色付いてゆく。
勃ちあがったそれを指の股できゅっと挟み込むと風華が身を固くする。
柔らかな白い乳房を包み込むように優しく撫でれば、彼女の強ばった体が元のたおやかな柔らかさを取り戻す。
それを何度も繰り返す。

「登山は楽じゃないんスよ、風華サン」

「はぁ、んっ!や、何の、はな、し・・・?ゃんっ」

絶頂に近付いては遠退き、遠退いては近付くもどかしさ故か、自ら腰を揺らし始めた彼女の体を抑え込むように腰に腕を回して、淫らに濡れた花弁に指を這わせる。

「や、あぁっ!あ、んんッ、だめぇ」

快感に喘ぐ風華の嬌声に混ざりあうように、ぐちゅぐちゅと卑猥な音が響く。
焦らした分、掻き乱す指先の動きを激しくてしてやれば、短く熱い吐息を漏らして、彼女は体を何度も小刻みに跳ねさせている。

体の奥に溜まった熱を放出する為に、喜助は自身の腰の動きも加速させてゆく。
背後から抱き竦められ、しがみつく場所がなく宙をさ迷っていた風華の腕が彼の首に交差し、快感に喘ぐ爪痕を遺す。
ぴり、と肌を走るその小さな痛みさえ、今は登り詰める為の媚薬となる。

「風華、っ・・ぁ、一緒に、・・・イって?」

「あ・・・は、ん、・・ん、んッ・・あぁあッ!!」

彼女が達したことにより、ぎゅうと柔らかな肉壁に半身を絞りあげられて、白濁が溢れだす。

二人、ともに絶頂に登り詰めて、体をゆっくりとほどいて口付けを交わす。

「いい景色でした?」

「・・・え、と、さっきから何の話なんですか?」

首を傾げる彼女に「後で教えてあげる」とだけ告げて、風華を抱え込んで布団に潜り込む。



名山富士の別称ーー『芙蓉』
しぼり芙蓉と名を転じては絡み合う。

その名山の頂上に到達したときに見えるは、
絶景かな、絶景かな。


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