2015/12月
12月2日
「あ、こら、もう!」
何処から迷い込んできたのか、三毛猫が毛糸玉にじゃれている。幸いすぐにそれを引っ込めたから助かった。
せっかく買った毛糸が無駄になってしまうところだった。
針を置いて、猫を抱き上げる。
「あなた、何処から来たの?」
猫が話せる訳もないのだけれど、つい声を掛けてしまうのは褐色美人の知人のせいかしら。
「・・にゃんこさん、」
「あら、雨ちゃんの遊び相手だったの?」
雨ちゃんがこくり、と頷いて、屈んで手を広げる。
抱き上げていた猫は、「にゃー」と一声鳴くと、するりと私の手を抜けて雨ちゃんの足元に擦り寄っていった。
「・・・邪魔しちゃ、だめ」
雨ちゃんはその猫を抱き上げて注意している。
なんだか気を使わせてしまったみたい。
お詫びに雨ちゃんの好きなホットココアを入れてあげようかな。
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