四十八手
*岩清水*
同じ騎乗位でも、位置によってここまで抵抗があるとは彼女も思ってもみなかった。
「ホラ、風華」
「でも、」
「だぁめ。ちゃんと風華の可愛い下のお口を開いてみせて?」
「・・・っ、」
なぜ逐一そういうことを告げてくるのだろうか、この男は。
だが残念なことに、こうして煽られることに快感を覚えてしまう風華が強く拒否することは出来ない。それも見越して、彼がわざわざ普段以上に煽っていることも分かっている。悔しいと思うが、それ以上に彼に愛されることを望んでいる体は素直に従うばかりだ。
「そう、いい子」
喜助の顔の横に両膝をつく。
彼の顔を跨ぐようにしているから、必然的に自身の割れ目を惜し気もなく晒すことになる。
恥ずかしさにぎゅっと目を瞑る。
「さすがにまだ濡れてないっスね」
「やだ、見ないでっ、」
そのまま無言になった彼は、どうやら舐め回すように眺め続けているようだった。
今夜はたしか『岩清水』を試したいと言っていた。
おそらく彼のことだから、『清水の如く溢れ伝う蜜を見たい』とかそういうことを考えているのだろうことは察しがつく。
しかし、蜜が溢れるまでこのままにするつもりなのだろうか。
さすがに耐えきれずに風華が前に回した腕は、あっさりと彼の腕に絡め取られて背中に回される。
「だから、ダメだって。そんなことしたら舐められないでしょ?」
「・・・やめて、」
「素直じゃないなぁ」
「だめ、あンっ!」
まだ渇いた秘所に、たっぷりの唾液を含んだ舌が這いまわる。たった一往復されただけなのに、それだけで腰が抜けるほどの痺れが足の先から脳の奥まで届く。
背中が跳ねたと同時に尻肉を強く掴まれて更に仰け反る。
同時に奥から熱いものが溢れたのが分かった。
「ひゃんっ!・・・っあ、」
「・・・甘いね、風華の清水は」
「や、・・・そんな、とこで、しゃべらな・・・っ、んん!」
目を瞑ったまま、いやいやをするように頭を振る。意味のない行為だとは分かっているが、勝手に頭が振れていた。
そのとき、ぴちゃぴちゃと濡れた音を立てて風華の秘所を這いずり回っていた喜助の舌先がある一点を掠めた。ぞくりと背筋が粟立ち、目の奥に白い光が走る。
「・・・ァん!」
「ここ舐めると、風華の清水がどんどん流れてくるね」
「も、いわない、でぇ、・・・んんっ!」
ちろちろと舌先で敏感な肉芽を責められ続ける。
後から後から蜜が溢れるそれは、山深く、岩間の奥の湧水のごとく。
ただただ溢れ、渇れることを知らず。
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