四十八手
*二つ巴*

「ほら、休んでる暇ないでしょ?」

ゆらゆらと目の前で揺れるそれから、風華はわずかに目を逸らして呟く。

「ん、だって、こんなに大きいから」

「・・・やらしい言い方」

「そ、そんなつもりじゃ!」

くつくつと喉の奥で笑われて、風華は自身の失言に気付く。
喜助は一頻り笑いを納めた後で自身の竿を軽く降ってみせた。

「はいはい、分かってますよ。・・・ね、風華。もっとして?そしたら、アナタのココも、うんと可愛がってあげるから」

「・・・ん、」

ちゅくり、と湿った音がして、花弁が擽られる。
そっと触れられただけなのに、それだけで腰が抜けてしまいそうだ。

寝転がった喜助の上に風華が跨がっている。
だが、いつもとは違い、それぞれ頭と脚を逆にしており、丁度互いの性器が互いの顔の前にくる体制だ。

風華はまた口を精一杯開いて、喜助の竿を食む。
亀頭に口付けをし、割れ目に舌を這わせる。風華の唾液と喜助の先走りの汁が絡み、唇の合間からぬちゅりと音が響く。

「ん、ふぁ、ンっ!」

「・・・ァ、いいよ、風華。・・・っうぁ、はぁ、・・・もっとして?」

艶を含んだ吐息を漏らしつつも、彼は責め手を緩めるような男ではない。
片手を風華の蜜壺に、もう一方の手を胸に宛がって悦ばせる。

互いが互いを責め合う様子はまさしく『二つ巴』。
がっぷりと組み合った体勢で互いの快感を引き出し高めあってゆく。

「ン、ふ、ァあ、んん!」

「いいね、ァん・・・そう、はぁ、そこ、もっと舐めて?」

風華が舐める度に、喜助も真似をするように彼女の花弁に舌を這わせてくる。
その合間にも、彼の指先は花弁や胸の頂と戯れを愉しんでいる。

ぞくぞくと背筋を駆け抜ける快感に溺れてゆく。

まだこれが本番ではなく、前戯だなんて。
まだ深い快感に呑み込まれなくてはならないなんて。

そんなことに気付いたのは、あまりにも今更な話だった。



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