ライバルの匂い
子元殿が風邪で倒れたという。
これは後から聞いた話。
私はとても心配になりました。
これは誰から聞いたかと言うと・・・
「王元姫殿聞いてください!文鴦殿が。」
「?」
子元殿は、最近加わった文鴦という青年に熱心だという。
諸葛誕は少し寂しいという。
「なんなの?それ?」
そして今日の朝、子元殿と文鴦殿が稽古をしている時に
子元殿の調子が悪かったらしく、途中で倒れたというのです。
そして昼頃
「文鴦殿、そのリンゴはどうされたのですか?」
「ああ、司馬師殿が食べたいというので買ってきました。」
「司馬師殿がリンゴ?」
「実は朝から調子が悪いようで、今寝込んでいらっしゃるんです。」
「なんだと!」
「朝から看病をしているのですが、なかなか良くならなく。」
「看病だと!」
「では、皮を剥いたりするので、これで失礼します。」
「まるで女房役ですよ!私のポジションはさらりと奪われました。」
あなたはあなたで何になりたいのよ。
そう思ったけど、私もちょっと嫉妬する気持ちがあった。
夕方になるまで、子元殿の様子を知らないなんて。
そして、彼がずっとそばで看病している。
どうして、私がそばに居ないのだろう・・・。
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