社会人なら自分のアルコール許容量を把握しとけ






※白虎ギルドメンバーで、勝手につけたA級ハンターの太田くんと前田くんというキャラでてきます。






今日の白虎ギルドとのレイドが終わった。ゲートを出て挨拶を交わして、あとは協会に寄って報告書を書いて今日の仕事は終わりだ。
ゲート前で楽しげに笑い合う白虎ギルドのメンバーをみて
自分で決めたことなのに、私はギルドメンバーからしたら、ずっと余所者でしかないんだよなぁ。と少し思う。
「ミョウジハンターのおかげで安心してダンジョン行けるんですから!本当に感謝してます!」と皆さん言ってくれるから、少しは役に立ってるのかな?て思うとまた頑張れる。

でも白虎ギルドに入っていたら毎日白川社長に会えたんだよなぁと。やっぱり何度も頭をよぎる。
白川社長かっこいいし、もしかしたらギルドの中にも好きな人がいるかもしれない。
女性ハンターは少ないみたいだけど、それでもあんな素敵な人なんだから
きっといろんな人に慕われているはずだ。
色ボケに頭支配されたら正常な判断などできなくなるし、だからあんまり近くにいたらもっと好きになっちゃいそうだから
多少距離を置こうかなとも思ったのに
会えないせいでずっと彼のことを考えている気がする。
はぁ………重症だ。この歳になって、こんな恋する乙女病みたいなのが発病すると思ってなかったのに。

「ミョウジハンターも行きましょうよ!」

『え?』

「飲みに行きましょう!白川社長が奢ってくれるそうです!」

「今日もミョウジハンターめちゃくちゃ活躍してましたもんね!行きましょーよ!」

『ありがとう御座います!私もいきます!』

一度家に戻ってさっとシャワーを浴びて化粧をしなおす。いつもレイドの時は軽めの化粧だけど、飲みに行くときはちょっと気合を入れる。
服もラフだけどオシャレな感じで、いつもスカートにするかで迷って結局パンツになる。
よし、出陣だ!!!


「ミョウジハンター!こっちっす!」

白虎ギルドの事務所の近くの居酒屋に入ると太田ハンターにちょいちょいと手招きされる。近づくと白川社長の隣の席が空いているので、そこにお邪魔する。

「お疲れ様です。」

『お疲れ様です!』

最初に誘われたときに白川社長が隣に呼んでくれてから、飲みの時は隣に座るのが定位置になってしまった。
白川社長は優しいので、私に気を使ってくれたんだろうとはわかっているものの、ちょっと嬉しかったりする。



「ミョウジハンター飲み物頼みますか?梅酒でも飲みますか?」

『あ、ありがとう御座います……えっと。んー。』

わいわいおしゃべりしていると、私のグラスをみて白川社長がドリンクメニューを渡してくれた。
気が利きすぎる!!!白川社長のグラスの中身が少なくなったら、声かけて一緒に頼もうと思ってたのにチラッとみるとグラスの量がだいぶ減っていた。
しかも、前飲んだとき後半梅酒を飲んでいたの覚えててくれたの?
くぅ、優しすぎる。え、ホストなの?白川社長なんなの。かっこよすぎる。
しかも今日スーツじゃなくてラフな服だ。アンダーアーマーの服着てる。アンダーアーマー似合うとか、最高かよ。もう、やばい。かっこいい。体格いい。すき。

『白川社長はなに飲みますか?』

「あー、俺は日本酒にしようかと。これ。」

『私も貰ってもいいですか?』

「ならグラス2つで頼むか。」

最近お酒の席だと敬語が抜けるときがある。白川社長は見た目めっちゃワイルドなのに基本敬語で話す。新人ハンターにもちゃんと敬語で接してたし。そういう社会人としてちゃんとしてるとこも好きすぎる。
身体おっきくて、ちょっといかついのに、人当たりが優しくて気が使えて、部下から慕われてて。もうかっこよすぎてメロメロすぎる。
最初断固敬語だったのが、たまーに素で話してくれるようになってきて、そういうのにたまらなく幸せを感じる。
ちょっとは距離が近くなったなかな?だったら嬉しい。
酔ったりするのかな?身体おっきいから、ちょっとじゃ酔わなさそうだけど
ベロベロに酔うことあるのかな?酔ったらどんな風になるのかな

『めちゃおいしいですね。』

「そうだな、あんまり飲みすぎるなよ。」

『気をつけます!』

白川社長が持つと、グラスがかなりちっちゃく見えて可愛い。お酒を飲んでるだけで、なんかもう色気ありすぎてエロい。いや、そう見えるのは私がちょっと酔ってるからなのかな?
身体全部おっきくて、隣に座ったら本当に私が子供みたいに感じる。脚の長さなんて怖いくらい違うから同じ様に椅子に座ってるのに、太ももの長さが全然違いすぎてなかなかのショックをうける。
これ、こんなに体格差あったら
エッチの時ってどうなるんだ?いや、ダメ。今は考えるのダメ。禁止!!





※※※





『次何にしますか?』

「あー……。」

結局日本酒を順に飲み比べる勢いで飲み続けている。
初めて飲んだ時に『私酔ってもちょっと楽しくなるだけで、ベロベロになったことないので大丈夫です!』と言っていただけあって
結構飲んでも口数が多くなって少し頬が赤くなる程度だった。
本当に大丈夫なんだな。と思った一方で

じゃあなんで初めて会ったときはあんなになるほど酔ってたんだ?という疑念が拭えない
目がトロンとしてて、最上にもたれかかるように袖をくっと掴んでいた。
あんなに酔って、あの後…何もなかったのか?
ミョウジハンターがそういう女じゃない事は、少し一緒にいただけでもわかったけど
どうしても思い出すたびにイライラした。


「ミョウジハンターそれ何飲んでるんですか?」

『これ、この日本酒!』

「いいすっね。俺も頼もうかな。でも俺辛口のが好きなんすよね。どうしようかな。」

『一口飲む?』

「まじすか?もらいます!」

「ミョウジハンターて酒強いっすよね。好きなんですか?」

『家で飲まないから、外に出たらいろんなの飲もうって決めてるんですよね。』

「なるほどー。」

わいわいと、若手のハンターと楽しげにミョウジハンターが話しているのを眺めながら酒を飲む。意外に仲いいんだな、あいつら。

「これ、ミョウジハンターも飲みますか?一緒に頼みます?」

『のむのむ!』

「んじゃ、頼みますね!」

『お願いします!私ちょっとお手洗いに。』

ゆっくりと立ち上がったミョウジハンターが、テーブルに手をついたまま一息ついている。

「おい、飲み過ぎたんじゃないのか?」

『いえ、ちょっとフワッとするなーてだけです!』

ヘラへラと笑いながら答える。
それを飲み過ぎたと言うんじゃないのか?
心配したものの、ミョウジハンターはそのままトイレまで行った。

「白川社長っ!飲みましょう!!!」

「おい、飲み過ぎじゃないのか?」

「社長、太田この前彼女と別れたんすよ。やけ酒ですよ。」

「おいおい、ほどほどにしとけよ。」

「うるせぇ前田!A級ハンターに釣られてくる女なんて結局金目当てなんだよ!いいよな、お前はA級でイケメンだし……俺なんて……。」

「うわぁ…。まぁのめのめ!」

「前田、飲ますな。」

「社長はいいっすよ!ミョウジハンターとかS級だし。かわいいし。やさしいし。」

「は?」

「おいっ!太田!」

「ミョウジハンター社長のことめっちゃ好きじゃないっすか。ただでさえ可愛らしいのに社長の前だとさらに可愛いじゃないっすか!俺もあんな彼女がほしいっすぅう!!!」

「いや…ちょっと落ち着け太田。」

いつもムードメーカー的な太田がこういう酔い方をすると質が悪い。若いからか飲み方が雑だ。
はぁ……ギルドメンバーにまでそういう風に見られてるってどうなんだ。
たしかに俺も馬鹿じゃない。ミョウジハンターの俺への好意は隠しきれてない。本人は抑えてるつもりなんだろうが、もう完全に漏れている。

最初は変な女だとは思ったが
仕事中は真面目で割とキリッとしている。頭の回転がはやいのかかなり優秀だ。
一方でびっくりするくらい素直であり、天真爛漫というのか、
凄く美人だとかそんな事はないが、愛嬌があって可愛らしい。という感じだ。
いつもニコニコしていて人当たりがよく、可愛らしい。おそらく彼女に惹かれる男は少なくないはずだ。


「はぁ……太田。ちょっと水でも飲め。」

『あれ、太田くん大丈夫?めっちゃ酔ってる?』

「あ!!!!ミョウジハンター!!!!きいてください!」

まずいところにミョウジハンターが帰ってきた

「おい太田。」

「おれめっちゃミョウジハンタータイプなんすけど!どうすか!」

は………おい、お前

『え?ありがとう。うれしいわ。んで、太田くん彼女いるんじゃなかったっけ?どうしたの?』

「こいつ別れたんすよ。」

『え?あの可愛いって自慢してた子だよね?』

「ミョウジハンター慰めてくださいっ!」

『顔で選んだって言ってなかった?勉強になったね!』

「うわ………ミョウジハンターエグッてくるタイプすか?」

こいつらいつの間にこんなに仲良くなってるんだ。

「じゃあミョウジハンターはどんなタイプが好きなんですか?」

『えー、んー。優しくて強いひとかな?』

「「(それ白川社長のことだよな?)」」

「おい、お前ら飲み過ぎだぞ、そろそろ帰るぞ。」








※体力がつきて、収集が付かないのでオチ無し※
〈どうでもいいオリキャラ設定〉

太田くん(21)
A級ハンター、剣士 
大柄な体格で明るい性格。ムードメーカー的なポジション
恋愛経験があまりないので、わりと顔で彼女を選びがち。白川社長の男気に憧れている

前田くん(22)
A級ハンター、魔法系
シュッとしてるイケメン。太田と仲良い。
昔からほどほどにモテてるのでそこまで彼女欲しい欲はない。














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