第31話 センチメンタルラバーズ


目覚めはとてもすっきりしていた。
逃げるように去ってしまった昨日から一夜があけた。窓を覗くと一面に青空が広がっている。今日は絶好のお出かけ日和だ。

普段は着ない少し甘めの服に着替える。
今日は兵長との初めてのデートだ。兵長との、というか私にとっては人生初めてのデートだ。失礼のないように、少しでも楽しんでもらえるように。
それだけを考えて朝早くから準備をした。

支度を終えるとそのまま医務室へ向かう。
休暇ということもあってか、早朝の閑散としている廊下を一人で歩いた。
兵長はちゃんとアルフレートと話をしろと言ってくれた。その言葉と気持ちのおかげで、もう一度ちゃんと向き合おうと思えた。アルフレートは大切な仲間だから。
誰もいない医務室で三十分ほど待っていると、予想通り一番最初にアルフレートが現れた。やっぱり私は彼のことがよく分かっていると自負できる。休暇と言えども朝一番に必ずここに来ると思った。

「……どうしたんですか?こんな朝早く。今日の休暇当番はナマエさんじゃないはずですよね」
「それを言うならアルフレートだって」
「まぁ僕は毎朝来るのが日課みたいなものですし」
「うん、知ってる。私が毎朝来るといつも怒るくせにね」

昨日のことがあって、私達がどうなってしまうのか怖かった。
でも少し安心した。いつも通り普通に喋ってくれている。

兵長に言われた通り、もう一度ちゃんと彼と話をしなきゃ。

「ここには昨日の話がしたくて来たの」
「なるほど。そういうことですか」

互いに視線を逸らさずに見つめ合う。揺るぎない彼らしい瞳の奥は何を想うのか。

「私を好きって言ってくれてありがとう。正直そんな風に想ってくれてるなんて考えもしなかったから凄く驚いたけれど……純粋に嬉しかった」
「……迷惑になってなかったのなら良かったです」
「恋人の好きとは違うけど、仲間として私もアルフレートが大好きだよ」

彼も私にとってはかけがえのない人に変わりはない。それを私はちゃんと伝えたい。

「私にとって調査兵団は我が家みたいなもので、兵団の皆は家族みたいなものだと思ってる。そして特殊医療班は私の誇り……なの」
「ナマエさんが命を賭けてきたものですからね」
「うん。でもアルフレートも今日まで一緒に命を賭けてきてくれたよね。この前言われた通り、私をこれまで一番支えてくれたのはアルフレートだって思ってる」
「……そんなところまで気を遣わなくていいですよ」

こんなことを言ったら兵長は怒るかもしれない。
確かに私の命を救ってくれたのも、私に生きる意味を与えてくれたのも兵長だ。
けれどただの一般兵だった私が、あの日リヴァイ班に……兵長に辿り着くには彼の協力がなければ絶対になし得なかった。
上手く伝わってるかわからないけど。

「私はこれからもアルフレートと一緒に特殊医療班で頑張りたい……それが出来るのはこれから先も貴方しかいないって思ってるから」

気持ちには応えられない。
でも私と特殊医療班を守ってほしいなんて。

「……我が儘でごめんね」

そう告げるとなぜかアルフレートが笑顔を浮かべていた。どうして笑っているのか問いかける。

「嬉しいからですよ」

嬉しい?何が?
私にとって都合の良いことしか言ってないのに。

「僕にはこの特殊医療班を一緒に守っていくことの方が、恋人になるよりも嬉しいことかもしれないです。特殊医療班は誇りなんですよ。僕にとっても」
「……アルフレート」
「誰に何と言われようと、これからも一人でも多くの命を助け貴方のことを支えていきます。それは僕の絶対に変わらない意志です」

初めてはっきりと聞いたアルフレートの意志は、私と同じものだった。それを一緒に貫こうと言ってくれている。彼の強い気持ちがこれ以上にないほど伝わって、自然と涙が零れてしまった。

「本当はこんな風にナマエさんに気持ちを伝えるつもりはなかったので、混乱させてしまったのは申し訳なく思います」
「ううん……っ、謝る必要なんてないよ」
「……でも、泣かせてしまって」
「違うの……これは嬉し涙だから」

涙を拭うと私も彼に笑顔を向けることが出来た。私を好きだと言ってくれたことよりも、特殊医療班が誇りだと言ってくれたことが何よりも嬉しかった。

「そういえば初めに会った時から思っていたんですけど、今日はやけに可愛らしい服装ですね。もしかして兵長とデートにでも行くんですか?」
「あ……うん、よく分かったね」
「あの方もそういうところはぬかりなく牽制してきますよね」
「牽制?どういう意味?」
「ああ、気にしないで。せっかくの休日なので存分に楽しんできて下さい」

本当にいつも通りの変わらないアルフレートにほっとしてしまう。そんな自分を狡いとも思う。
それに兵長に言われなかったら、こうしてちゃんと向き合えていなかったかもしれない。
兵長にもアルフレートにも感謝しなきゃ。
それから、最後に――。

「あのね……もう少ししたらちゃんと話すから」

それだけで彼は何もかもを察してくれた。

「兵長の後で構いませんからね」
「うん……ありがとう」

楽しんで、と改めて言ってくれた彼に手を振り医務室を後にした。





兵長との約束の時間にはまだ少し早い。せっかくだからゆっくり歩きながらもう向かってしまおう。
待ち合わせの場所に行くまでの道のりさえも、デートの時間だなんて思いもしなかった。
暑い日差し。
夏の訪れを感じる木々や花達。
大好きな人と過ごす大切な時間。
今日が素敵な一日になることを期待しながら、遠ざかる兵舎を眺めた。


とはいえさすがに早すぎたかもしれない。待ち合わせのお昼までにはまだ二時間くらい時間がある。
お店近くのベンチに腰をかけながら空を見上げる。とてものどかな時間だ。
兵長はどんな格好で来るのかな。デート楽しみだなぁ。何だか兵長を待ってるだけなのにどんどん楽しくなってきた。
次に町並みや通りすぎる人達に目を向ける。私達調査兵団とは全く違う日常がそこには流れている。
もし私が兵士になっていなかったら、医者として町のどこかで暮らしていたのだろうか。そしたら兵長に会うこともなかった人生、か。

「よう、ねえちゃん。さっきからずっと一人で座って何してんの?」

変なことばかり考えていたせいか。声をかけられるまで男達の気配に全く気がつかなかった。

「俺達と遊ばない?」

いつぞやもこんなことがあった。
確かあれは……お墓参りの帰りだった。

「結構です」
「つれないなぁ。そんなこと言わないでさ、俺達と一緒なら絶対楽しいよ」

あの時はあまりにしつこいうえに腕を掴まれたから、思いきり投げ飛ばしたんだっけ。

「私、こう見えて調査兵団の兵士なんですよ」

ならば今回は先手を打つことにしよう。

「何その冗談。そんな嘘で俺達を撒こうって考えてんの?」
「いえいえ。痛い目みるのは貴方達なので、引くなら今のうちですよって忠告です」
「……おいおい、言ってくれんじゃねぇか」
「恐いもの知らずか何なのか知らねぇが、あんまり俺達を怒らせない方がいいぜ。それともめちゃくちゃに犯されてぇ願望でもあったか?ひゃははは!」

男の一人が私の胸ぐらを力強く掴んだ。
この人を実際に怒らせたら本当に恐いのかな。
恐いもの知らずか。それは的外れだと思う。調査兵団の兵士である私達は、何よりも恐いものをこの身をもって知っているから。

「私達調査兵団は毎月必ず壁の外に行くんですけど、巨人に遭遇せずに帰還することはありません。貴方は巨人を見たことがありますか?あいつらは一瞬で人間を捕食し殺すんです。そしてその意図も目的も未だ不明です」
「は?一体何の話をしてやがる」
「調査兵団に入団して四年、訓練兵の期間も入れると七年兵士をしてることになりますかね。私は今もなお数え切れない仲間を失いながら巨人を相手にしています」
「くっ……!」
「そんな私が貴方達を恐がるとでも?」

胸ぐらを掴んでいる男の腕を掴み返す。

「今回も正当防衛ですからね」

前回同様、思いきり力を入れると男がクルリと一回転をして道路に転がった。

「てめぇ……!何しやがる!」
「だから正当防衛です」
「このクソアマ……っ!」

もう一人の男の拳が上がる。
その拳は日々の対人格闘訓練に比べるととても遅く感じられた。
調査兵団の兵士なら不合格。もっとしごく必要がある。兵長ならそう言うだろうなと、この一瞬でそんなことを考えていた時だった。

「ぐわはああっ……!」

拳を振りかざしていた男が、一瞬にして思ってもみない方向にふっ飛んでいった。
こんなところまで前と一緒だなんて。やっぱり私のヒーローだ。

「兵長!」
「ひとまずこいつらを殺す」

ヒーローであるはずの兵長が、開口一番とても物騒なことを言った。
そして倒れた男にそのまま馬乗りになり、今度は兵長が拳を振りかざした。

「な、何言ってるんですか……!ダメですよ!」

巨人がいないこの壁の中ならこんな男達より、いや誰よりも恐い人は誰なのか。
それはこんな風に怒った兵長だろう。


+


日差しが暑い。
ふと空を見上げながら、あいつが無理やり決めた待ち合わせの場所に向かう。

同じ兵舎にいて待ち合わせる意味があるのか。俺にはよくわからねぇが。待ち合わせをすることがよりデートっぽくて良いのだとあいつは言っていた。
そもそも誰かとこんな風に出かけるのは、俺にとって初めてのことだった。地下街の頃を考えたら、女を抱いてきたことは腐るほどある。だが互いに共有する時間はセックスの時だけだ。
こうしてかけがえのない誰か――と共に過ごす毎日が俺に訪れるなんて思いもしなかった。

そうこう考えているうちに待ち合わせ場所が見えてきた。
確か近くにベンチがあったはずだ。そこでナマエを待つとしよう。そう思った矢先、視界に入ってきたのは二人組の男に囲まれた……あれは間違いなくナマエだ。

いつぞやもこんなことがあったな。
あれは確かハンジと呑みに行く途中のことだ。
同じように男が一人転がっていて。
そうだ。こんな風に自然に俺の体が動いていた。
あの時は半殺しにしてやろうかと思ったが、今日はそれじゃあ気が済まねぇ。

「兵長!」
「ひとまずこいつらを殺す」

馬乗りになり殴りかかろうとする俺の拳をナマエが止めに入る。

「な、何言ってるんですか……!ダメですよ!」

振り返ると必死な顔をしたナマエがそこにはいた。

「さっさと離せ。投げ飛ばされるようなことをしたこいつが悪い」
「本当に殺しかねないので絶対にダメです!それに兵長の手が怪我でもしたらどうするんですか!?」

昂っていた感情にほんの少しだけ冷静さが戻る。男の上から離れると奴らは一目散にその場から逃げていった。

「良かった……安心しました。万が一私とのデートで怪我などされては、それこそ特殊医療班失格です。兵長の健康をお守りするのが私の役目ですからね」

ほっと胸を撫で下ろす様子のナマエを見やる。
何でこいつはお決まりのように街に出たら男に絡まれてやがるんだ。あの時みたいに兵服とは違うひらひらふわふわした服を着やがって。
もちろんその姿が可愛いのは当たり前のことだが、他の野郎どもに見られるのは解せない。
そもそもこいつはいつからここにいるんだ。最初から俺と行動すればいいものを、待ち合わせなんてするから絡まれてんじゃねぇか。

「確か待ち合わせはお昼って言ったはずなんですけど、予定よりも一時間くらい早いですよ?」
「それを言うならお前はそんな俺よりも更に早く来てんじゃねぇか」
「私は兵長が来ないかなぁって待っているのが楽しかったからいいんですよ」

にへら、とナマエが笑う。
言いたいことは色々あった。だがそれは全て大きな溜め息となって吐き出されていった。
自分でも自覚しているが、ナマエのこの笑顔に俺は弱い。自惚れだと思われても構わねぇが、この笑顔から俺のことが好きだという気持ちがよく伝わるからだ。

「……それで、今日の行き先は考えたのか?」
「はい。まずは茶葉を見に行きましょう」
「茶葉か。悪くねぇな」
「では出発しましょう。デートの始まりです!」

張り切るナマエに左手を差し出した。

「どうしました、兵長?」
「繋いでおけ。はぐれたりでもしたら厄介だ」

子ども扱いしたことに不満を言いながらも、すぐに嬉しそうな顔をしてナマエは俺の手を握った。

まず向かった先は俺達がいつも足を運んでいる馴染みの店だった。店内に入るや否や、ナマエは真っ先に茶葉が陳列した売り場に張り付いた。

「兵長!これ新作ですよ!わぁ……!一体どんな味なんでしょうね?」

先ほどははぐれるなと子ども扱いしたことに不満を抱いたようだが、子どもみたいにはしゃいでるのを見ると間違ってはいないと思う。

「寄こせ。俺が買う」
「えっ、いいですいいです!自分で買いますから」
「……お前、俺と何しに来たんだ。俺はお前の買い物を付き合うためだけに来たんじゃねぇぞ」
「そ、それはそうですけど……。うーん、でも申し訳ないと言いますか何と言いますか……」

また何やらブツブツと独り言を言っている。こういうことになると途端に遠慮がちになるのは一生直らねぇかもしれねぇ。

「ではこうしましょう。新作は兵長が買って、いつもの茶葉は私が買いますね。そしてプレゼント交換です」
「どっちも俺の部屋に置くのに交換する意味があるのか?」
「はっ……確かにそうか。ではでは私が――」

こんなことをしていたらあっという間デートが終わりそうだ。ナマエの手にある茶葉をひょいと取り上げる。

「兵長っ、だからそれは私が」
「そうだな。お返しはお前の料理でいいぞ」

前に母親から譲り受けたものは料理だと聞かされた時から、いつかはと思っていたことだった。これならナマエも納得するはずだという俺の読みは当たっていた。

「……では腕によりをかけて作りますね」

また一つナマエはいつもの笑顔を向けてくれた。

茶葉を買い終え、次にナマエが向かいたいと言った行き先はナマエの家族の墓だった。
それも頭を下げてお願いをされた。本人曰く一度でいいから俺を連れて行きたかったらしい。
俺も一度ちゃんと挨拶をしたいと思っていたから、頼まれる必要なんてなかった。むしろそうする必要があるのは俺の方だ。
そうしてしばらくナマエに案内されるがまま後についていくと、ナマエの両親に辿り着いた。

「兵長、ここまで付き合って下さって本当にありがとうございます」
「礼を言われるようなことなんて何一つしてねぇぞ」

ナマエが墓の前で膝をついてしゃがむ。
一陣の風が通り過ぎた。

「クルトさん、アンナさん。久しぶりだね。今日はね驚くことがあるんだよ」

俺もナマエの横に膝をついて並ぶ。これがナマエの両親の墓、か。

「紹介するね。この人がいつも話してるリヴァイ兵長だよ」
「……いつも話してたのか?」
「はい、兵長とお付き合いする前から二人にはよく兵長のことを話してました。誰よりも強くてカッコ良くて優しくて仲間思いで、それに努力家で真面目で正義感が強くて厳しい中にも愛情があって……」
「おい、どんだけ美化してんだ俺を」
「美化なんかしてないですよ?いつもありのままの兵長をお話してるだけです」

こういうことを恥ずかしげもなくさらりと言ってしまうナマエが愛おしくて堪らない。
本来なら唇を塞ぎたいところだが両親の手前だ。今は我慢しておくとする。

ナマエの両親の墓を前にして静かに目を閉じる。
伝えたいことはたくさんあった。その多くは感謝の気持ちばかりだった。
ナマエを育ててくれたこと。
そしてナマエが継いだ医療が、特殊医療班を生み出し兵士達を幾度となく救ってくれたこと。
命をかけてナマエを守ってくれたこと。
その命を今度は俺が全力で守りたいと思っていること。
二人が愛情深く育ててくれたおかげで、ナマエはこんな俺に十分すぎるほどの愛情をいつも与えてくれる。
俺だけじゃない。二人から受け継がれた意志や想いは、ナマエを通し多くの人へと伝わっている。

ナマエと共に生きる。
俺はそう誓った。
その気持ちに偽りはない。
そして今ここで再度誓いたい。
俺はナマエを愛している。
誰よりも、何よりも。

この気持ちは二人に届くだろうか。俺がこんな風に心の中で語りかけても、ナマエが全部話しちまってるかもしれねぇが。
そっと目を開けその場に立つと、ナマエも続けて腰を上げた。

「行きましょうか」
「もういいのか?」
「はい。十分すぎるくらいです」
「次の機会にはフーゴの墓にも一緒に行くぞ」
「……はい!」

今度はナマエの方から手を繋いできた。それを俺は強く握り返す。

「クルトさん達と何をお話したんですか?」
「それは俺達だけの秘密だ」
「あ、もしかしてお嬢さんを僕に下さい!的なあれだったりして」
「……まぁ似たようなもんだな」
「え?ええ!?冗談のつもりだったのに!本当の本当に本当ですか!?どんな風に言ったんですか!?」

ナマエにどれだけ問われても、結局俺が両親に語りかけた内容を話すことはなかった。
その後町で夕食を済ませ、俺たちは兵舎へと戻ってきた。もちろんナマエは俺の部屋で朝まで一緒の予定だ。

「はー!初デート、凄く楽しかったですね!」
「それは何よりだな」
「たくさん色んなところに付き合わせておいて失礼かもしれませんが、やっぱり私はこの部屋が一番落ち着きます」

そう言ってナマエはソファに座った。

「あ、そうだ!早速新作の紅茶を淹れてみましょうか。どんな味か楽しみ……」

立ち上がろうとするナマエの前に立ちはだかり進路を塞ぐ。
行き場を失ったナマエは再びソファへと腰を下ろした。徐々にその距離をつめ覆い被さる形になる。

「やっと二人きりになれたな」

そうして耳元で囁いてやると、その耳が真っ赤に染まっていくのがわかった。

「兵長、紅茶は……」
「まだいい」

その唇に小さなキスを一つ落とす。
俺達の始まりの合図だ。
ナマエもそれを察したのか体に力が入っていた。

すまねぇなナマエ。
今からすることはお前の思うそれじゃない。
こうしてやっとお前を捕らえて俺がしたいことは――。

そっと唇を離し言葉を紡いだ。

「ナマエ。お前が隠していることを全部話せ」
「…………え?」
「俺もそろそろ限界だ」

お前から真実を聞き出すまでは、今日はどんなことがあっても逃がさない。
その覚悟だった。
ナマエはどんな反応を示すだろう。

誤魔化すのか。
驚くのか。
怒るのか。
泣くのか。

だがナマエはそのどれでもない表情をしていた。
凛とした揺るぎない目。
そう、強い意志を持つ俺が惹かれたあの目だった。


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