第23話 調査兵団パンデミック


ナマエの怪我が完治の日を迎え、無事に俺の班に復帰したことにより、ナマエと過ごす時間は日に日に増えた。
俺の部屋にもよく泊まるようになり、あれから幾度も体を重ねてきた。最初こそかなり痛がっていたが、今はその面影すら懐かしく思える。
慣れたと言うよりは仕込まれた、といった方が正しいか。
今日もこの腕の中に。
しかしその願いはしばらく叶ってはいない。

「緊急事態だ」

集められた幹部にエルヴィンは言った。

「どうしたリヴァイ。具合が悪いのか?」
「……いや。至って良好だ」

悪いのは具合じゃなくて機嫌だ。

「では本題に入ろう。現在調査兵団に蔓延している感染症については知っているな」
「今日まででかなりの兵士がダウンしてるよね。こんなの初めてだよ」

冬も終わりを迎えた頃。調査兵団に突如病が襲った。そいつは次から次へと兵士を蝕み、被害は拡大していく一方だった。

「命の危険まではない、というのが救いだね」
「医療班の報告によると重症化さえしなければ、強い風邪症状と言ったところか。ただし適切な治療を受けないと症状は長引くようだな」

高熱から始まる全身症状。屈強な男達もたちまち床に伏せる程だ。

「事態が落ち着くまでは当面の訓練等は全て中止する。また少しでも症状が出た者は、速やかに医療班に診てもらうように各自伝達してくれ」
「そもそも医療班の皆は大丈夫なの?」
「いや、半分は感染してしまったとのことだ」

この緊急事態の中心にあいつはいた。
病気が蔓延してから、ナマエとはすれ違いの日々が一週間以上続いていた。特殊医療班であるナマエの力が必要不可欠なのは当たり前のことだ。もちろんナマエも全力でこの事態に対応しているだろう。
俺が気に食わねぇのは、あいつが一切休まず無茶をしていることだった。

「症状はどうですか?よくなりましたか?」
「ああ……かなりマシになったよ」
「ナマエさん、薬の内容なんですけど……!」
「はーい、こっちが終わるまでちょっと待っててね」

いつ覗いても休んでる様子は見受けられない。患者がいなくなるのが先か。ナマエがぶっ倒れるのが先か。あれは何の根比べだ。
しばらく入り口にもたれかかって見ていると、やっと患者が途切れたナマエと目が合った。

「……兵長!」

いつもならここで嬉しそうに駆け寄ってくるのだが、残念ながらそんな表情は全く見られない。それどころか少し怒ってるように思える。

「何やってるんですか!?」
「お前の様子を見に来た」
「ダメですよ!ここは病気の巣窟なんですよ!?兵長に移ってしまいます!さあ早く帰って下さい……っ!」

心配してのことなんだろうが。面と向かって帰れと言われると無性に腹が立つ。
今目の前にいるのは俺の恋人としてのナマエではなく、特殊医療班のナマエ・ミョウジだった。

「もしかして熱でも出ましたか!?」

ナマエの手が額に触れる。久々に感じたナマエの温もり。それだけで俺は欲情するのか。心底自分に呆れそうだ。

「熱は……ないですね。良かった」
「そろそろ昼休憩か」

一緒に昼食でもと思っていたが。

「いえ、これから各部屋を回って病状の確認をしに行きます」
「各部屋?」
「ご覧の通り医務室は満床の上、今回は感染力も強いので各部屋で治療と隔離をしている状態なんですよ」

休憩も取らず次の仕事に向かう、と。それも笑顔で話すナマエに頭が痛くなってきた。

「お前ちゃんと寝たり食ったりしてるのか?」
「合間を見てそれなりに」
「ナマエさん、嘘は良くないですよ」

一人の兵士が俺達の間に割って入る。確かこいつは特殊医療班の実質NO2で、ナマエの右腕のような存在だ。名はアルフレートと言ったか。

「リヴァイ兵長、いいところに来てくれました。このままナマエさんを食堂に連行して下さい」
「いいのか?」
「そうでもしないと、食事も休憩もいつまで経っても後回しなんですよ」
「アルフレート!余計なことは言わないでって……!」

さっきと話が違うじゃねぇか。
ちらりとナマエを見ると、思いっきり視線を逸らされた。

「とにかく我々が倒れたら元も子もありませんから、お互いちゃんと休憩しましょう」
「正論だな」
「うう……わかってはいるけど」
「わかっているならつべこべ言わず、二人で昼食に行って下さい」

ピシャリと医務室の扉が閉められた。
なるほど、ナマエの性格をよくわかっている。

「……閉め出されちゃいました」
「ああ。優秀な部下のおかげでな」

ナマエの手を握る。やっと観念したのか、小さな手に握り返され俺達は食堂に向かった。


昼食時なのに食堂はガランとしていた。ここにもこの非常事態の余波はあるようだ。

「自室で食べてる方もたくさんいらっしゃいますしね」
「お前はどうなんだ?体調は悪くなったりはしてねぇのか?」
「はい、至って良好です」

元気だと言うならひとまず安心はしたが、それでも顔を見りゃ寝不足だってことはすぐに分かった。少し痩せた気もする。

「私、体力には自信があるんですよ」
「そういう問題じゃねぇ」
「それにバカは風邪引かないっていう、きっとあれですね」

お得意の無茶をしていることには変わりはないだろうから、念のため釘を刺しておく。

「小まめに休憩は取れ。飯はちゃんと食べろ」
「わかりました」
「それから夜もちゃんと自分の部屋で寝ろ」
「……はーい」

素直に言うことを聞く気はねぇようだな。生返事をされ、軽く舌打ちをした。
それに気付いたのか。

「たくさんの人の命を救うのが私の夢で、家族の意志ですからね?」

俺にこれ以上何も言われないように予防線を張りやがった。このやりとりをどれだけしようが、事態が終息するまできっと平行線なのだろう。

「で、いつになったら終わるんだこれは」
「むしろまだ拡大してるんですよねぇ……」
「全員かかるまで終わらねぇとかじゃねぇよな」
「そんなまさか……でも兵長に何か症状があった時は、私が全力で看病しますからね。すぐに言って下さいね」

決して自惚れてる訳じゃねぇがさらに睡眠を削って、全力で看病しようとするナマエが想像出来てしまった。

「さて、ご馳走様でした」
「行くのか?」
「すみません……やっぱりどうしても皆さんの容態が心配でして」

行くなと止めても無茶をするなと言っても、こいつには全て無駄なことなのだろう。

「でも少しでも兵長と過ごせて元気を貰えました。午後も頑張ってきますね」

送り出すのは不本意だ。だからせめてもの。

「……事態が終息したら一番に俺の所に来い」
「もちろんです」
「万が一お前が感染した時は、俺が看病してやる」
「絶対ダメですよ!移りますから!」
「なら俺も感染したらお前の看病は必要ねぇぞ。俺もお前には絶対移したくねぇからな。他の奴に看病を頼む」
「他の、ってまさか他の女の人じゃないですよね……?」
「さあな」
「嫌です……!絶対私が看ます!」
「俺は駄目で自分はいいとは我が儘な奴だな」
「何とでも言って下さい。それは特殊医療班兼恋人である私の役目です!誰かに兵長を取られるくらいなら、私はいくらでも我が儘言いますからね!」

涙目に訴えるナマエの姿が俺を満たしていく。わざとナマエの愛情を引き出すようなことをした。大人げないどころか、ガキそのものだ。
絶対感染しないように部屋にいて下さい。そう必死に訴えながら、ナマエは食堂を離れていった。

結局午後からもナマエが休むことは一切なかった。
夜も深まった頃。俺は医務室へと足を運ぶ。
昼間確かに俺は自分の部屋で寝ろと言ったはずだが。素直に聞くはずもねぇか。

「……やっぱりな」

そこには椅子にもたれかかって眠っているナマエの姿があった。自分の部屋どころか、横になって寝てすらいない。

「……本当に倒れるぞ」

落ちていた毛布をそっとかけ直す。
どうしようもねぇと思いながらも、俺はこいつのこういうところに惚れている。だから結局ナマエの無茶を本気で止めることなど出来ないのが事実だ。
早く俺の元に帰ってこい。心の中でそう呟いてその場を後にした。





その後患者数はピークを迎え、ピークを過ぎれば次第に減少していった。
調査兵団の活動が停止して一週間。ナマエが医療班として治療に専念してから、実に二週間の月日が経過していた。

「事態も少しずつ落ち着いてきたようだな。回復した者から訓練を再開する予定だ」

再びエルヴィンの元に集められ、今後の活動について指示を受ける。結局のところ俺もナマエも感染することはなく終えられそうだった。

「ようやく終息しそうだね」

エルヴィンの部屋を出てすぐにハンジに話しかけられた。

「君の恋人が人一倍頑張りすぎて、天使だって声が上がりっぱなしだよ」
「何だそりゃあ」
「その天使様も今回ばかりは本当に大変だっただろうね。さっき会った医療班の子達もやっと休めるって喜んでたよ」
「……休める?何の話だ」
「あれ、聞いてない?駐屯兵団の医療チームが派遣されることになったんだよ。確か今朝からの予定だったはずだけど」

そんな話全く聞いてねぇ。
……あのバカ。

時刻はすでに昼を回っている。俺はすぐさま踵を返した。向かう先は決まっていた。
駐屯兵団から救援が来たのなら、どうしてあいつは俺の所に来ないのか。

「なのでこのような場合だと、こちらの薬を使った方が効果的だと思います」
「なるほど、面白い見解だ。さすが噂通りですね」
「噂?」
「はい。貴方の噂は駐屯兵団でも耳にしていました。調査兵団の敏腕な天使でしたっけ」
「……それ、誤解なんです!前に先輩が冗談で言い始めただけで、私はただの一介の兵士ですよ」
「おかしいな。僕にもそう見えるんですけどね。本当に一流の医療技術と可愛らしさを兼ね備えているじゃないですか」
「いえいえ!冗談がお上手で……」
「冗談などではなく……そうだ。落ち着いたら今度お食事にでもどうですか?」

何をしているのかと思えば。
まさか自分の恋人が口説かれてる場面を見るとは思わなかった。ただでさえ不機嫌だった俺は、ますます機嫌が悪くなる。

「おい、ナマエ!」

威圧的な声で呼ぶと、驚いたようにナマエが振り返る。

「兵長!」

今日は一瞬で満面の笑みを浮かべ、俺の元へと駆け寄ってきた。

「どうしたんですか?」
「どうしたもこうしたもあるか。お前こそ何故まだここにいる?」

すでに調査兵団の医療班の奴らは一人もいない。ここに残っているのはナマエだけだ。

「駐屯兵団の方に引き継ぎをしていました」

ああ、お前はそれだけのつもりだろうな。だがこいつは違う。
目の前の駐屯兵団の男を睨み付ける。

「これが終わったら兵長の所へ向かうつもりだったんですけど、もしかして迎えに来てくれたんですか?」

声を弾ませ嬉しそうに話すナマエを見て、俺より先に男が口を開いた。

「なるほどリヴァイ兵長。貴方の、ですか」

察しが良いな。話が早くて助かる。

「分かったら余計なことはしない方が身のためだぞ」

それだけ言うと、男はニコリと微笑んだ。
食えねぇ野郎だ。

「何のお話ですか?」
「いいから行くぞ」
「あ、でもまだ……」
「ナマエさん。後は僕達にお任せ下さい」
「……でもカルテが」
「早くしろ」
「すみません……!よろしくお願いします」
「はい。ごゆっくり」

頭を下げるナマエを力いっぱい引っ張って、無言で自分の部屋へと連れ込んだ。
ナマエの都合など一切考えず、自分の思うがまますぐに自分の部屋に閉じ込めてしまいたかった。

「久しぶりの兵長の部屋ですね。やっと来れました」

それなのに文句の一つも言わず、ナマエは笑顔を向けてくれる。その何もかもが愛しくて触れたらどうにかなりそうだ。

「すぐに風呂の用意をしてやるから入れ」

だがまずはナマエを休ませてからだ。己の気持ちを抑えてナマエにそう促した。

「そんな、兵舎のに入ってきますよ?」
「こっちの方がゆっくり入れるだろ」
「でも……」
「いいから素直に甘えろ」

ナマエが納得しそうな言葉を並べただけで、本当はただ俺が一緒にいたいだけだった。それを悟られないように背を向ける。

「あの、兵長」

しかしそれはすぐさまナマエによって妨げられる。

「自分で言うのも何ですが、私結構頑張ったと思うんです」
「ああ。ご苦労だったな」
「兵長の言うことも聞かずに無茶をしたので自業自得なんですが……実は結構疲れているのが本音です」
「……何が言いたい」

やっぱり部屋に戻りたいとでも言うのか。珍しくナマエの考えていることがわからず、何を言うのか構えてしまった。

「なので、兵長の言う通り素直に甘えますね」

照れたように笑って何をしでかすのかと思ったら。俺の元へ歩み寄るや否や、そのままナマエが抱きついてきた。

「ふふ。久しぶりの兵長です」

そのうえ胸元に頭をこすりつけて嬉しそうに笑ってる。
……何だこの可愛い生き物は。一瞬にして俺の理性を奪っていきやがる。

「おい。ナマエ」
「……ああっ、ごめんなさい。お風呂でしたね」
「やっぱり後にしろ」
「はい?」

先ほどまでの休ませてから、などと思っていた自分はどこへいったのか。
気が付けばナマエの腕を掴み、寝室へと連れ込んでいた。

「へ、兵長……!?え、え?」
「言っておくが二週間だぞ。その間ずっとお前に触れてねぇ」
「それはそうですけど……」

俺にも甘えさせろ。決してその言葉は口には出せない。だから代わりにじっとナマエを見つめる。

「……簡単に口説かれてんじゃねぇよ」

あの駐屯兵団の野郎。
思い出すだけで腹が立つ。

「誰の話をしているんですか?」
「お前以外に誰がいる」
「ええ!?私口説かれたことなんてないですよ?それなら兵長の方じゃないですか。付き合ってるってわかってるはずなのに、未だに告白されてますからね……」

一線を越えてからのナマエは、無理に遠慮したり我慢したりすることが無くなったように思う。その分俺も予想しないような反応をよくするようになった。

「兵長?」
「どうせ言ってもわからねぇだろうからな」
「あっ、待って」

お前が好きだと、そしてお前は俺のものだと分からせるにはこれが一番早い。

「ん……っ」

久々にナマエに口付けを落とす。本来ならゆっくり味わいたいはずなのに、今はそれすらも惜しいと思ってしまう。

「あ、やぁっ、兵長……っ、私」
「拒否なら受け入れねぇぞ」
「拒否、だなんてっ、あ、だって」
「だって何だ」

性急な俺にナマエは自ら唇を重ねて言った。

「私もずっと兵長とこうしたかったから……拒否なんてするはずがありません」

素直なナマエがどれだけ俺の心をかき乱していくか。一瞬にして理性を失った俺は欲望の全てを剥き出しにした。

「へ、兵長っ?何を!」
「足を開け」
「あ、待って、そんなすぐ……っ!」

静止する声を振り切って、ナマエのナカを貫いた。

「――あああっ!」

昂った自身が狭い膣内をこじ開けていく。

「へいちょ……っ、苦しい……!」
「っ……ちょっと我慢しろ。すぐに良くなる」
「んっ、ああ!」

愛撫など何もない。欲望のままに強く打ち付けて、強制的に喘がせている。それも一際強い刺激だけを与え続けた。

「はっ……ほら、もう濡れてきてるぞ」
「だって、兵長がぁ……っ」
「何だ……こうしてほしかったんじゃなかったのか?」
「やあっ、ああ、ん!」

グリグリと最奥の一番敏感なところを突き上げると、さらに甲高い矯声を上げた。こんな状況でもナマエの体は俺が教えた通りに反応をする。それが堪らなく興奮する。

「そこ、ばっかり、ダメ……っです」
「なら止めてやろうか?」
「いじ、わるなこと……っあ!」
「じゃあ言えよ。好きなとこだけ突かれて気持ちが良いって」
「あっ!んんっ、はげし」
「何がだ。締め付けて離さないのはお前の方だ……っ」
「やあっ、それ、すぐ……!」
「ああ、イっていいぞ」

絶頂が近いことを示して全身が震え出している。このまま身を委ねればすぐにでも達することは出来るのに、ナマエはそうしなかった。

「兵長も、一緒じゃなきゃ、や……っ」

その言葉に思わずこっちが飛びそうになってしまった。
まだ熱が収まらない自身をズルリとナマエの中から引き抜き、一度自身を落ち着かせる。

「散々煽ったのはお前の方だからな……せいぜい後悔するなよ」

コクリと頷くナマエに思わず口角が上がってしまった。そしてナマエの片足を持ち上げ、応えるように一気に奥まで突き上げた。

「あああっ!」
「……っ、いつになくすげぇな」
「やあっ、は、あ!」
「中はドロドロに絡みついてくるぞ」
「ん、あっ、兵長……っ、んん」

俺の名前を呼ぶ甘い声を塞ぐ。
上も下もぐちゃぐちゃになるほど、ナマエを喰らい尽くしたい。

「……も、無理っ」
「っ、俺はまだだ。我慢しろ」
「そんなっ……!だめ、だめっ」
「何だ一緒にイクんじゃなかったのか?」
「だって、あっ、あああっ――!」

先ほど達する前に止めた余韻が残っているのか、結局ナマエは逆らえず達してしまった。
もちろん俺の律動は止まらない。

「や、あっ!イった、ばっかなのに……っ」
「俺はまだだ。もう少し付き合え」
「またっ、ああ、すぐ」
「ああ、何度イっても構わねぇぞ」

ナマエを好きになってどれくらい経つだろうか。日に日にナマエに溺れていく。際限などない。
今回の件で身に染みた。離れたら駄目になるのは俺の方だ。俺は空白を埋めるようにナマエを全身で喰らい尽くし、その中に何度も熱を放った。


結局残っていた僅かな体力を全て奪ってしまった。

「ふわふわ……気持ち良い」

情事後、頭を撫でるとナマエがふにゃふにゃした笑顔を浮かべた。

「えへへ、兵長の匂いがする。今日からまた一緒にいられますね……」
「そうだな。また好きなだけここにいろ」
「……兵長が優しい」
「どこがだ。休ませるどころか追い討ちをかけた男だぞ」
「ふふ……そういえばそうでしたね。でも私はとっても嬉しかったですよ?」

トロンとした瞳に少しずつ瞼が落ちていく。

「ゆっくり休め」

その言葉を聞いたのかどうかはわからない。すぐに眠りに落ちてしまったナマエを確認すると、俺は静かに寝室を出て戸棚へと向かう。
ナマエの隣に入る前に紅茶を一杯飲むとしよう。
今日は俺もゆっくり眠れそうだ。やっとナマエが腕の中に戻ってきたのだから。


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