×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -
07

「戦闘訓練キタコレ!!!」





chapter:07




次の日からはガイダンスもそこそこに、普通の授業が始まった。
ヒーロー科は他の学科と違い中々のハードスケジュールが組まれている、そうだな、7時間割授業だといえば大抵の学生経験者が眉間に皺を寄せるだろう。

国数英とかの必須科目に加え、体育なんて生ぬるい科目の代わりに組み込まれたヒーロー必須科目がある、これだけハードなら放課後マックなんて出来ねーよ、そもそも俺っちはナナの所に帰りてぇから行かないけど。

今日の午後は初めてのヒーロー基礎学、聞く話によると体を動かす科目らしいから昼飯をしっかり取らなきゃ途中でぶっ倒れちまいそうだ。

ナナが毎日作ってくれるボリューム満点手作り弁当に舌鼓を打って午後に備えれば… その時は来た!



「わーたーしーがーーーっ普通にドアから来たッ!!!!」



ガラッ!っと勢いよくバリアフリーの扉を開け放ち、胸を張って現れたのは銀雄時代の戦闘服(コスチューム)を身に纏う、我らが英雄オールマイトだ。

日本全国の少年少女の憧れと言っても過言じゃないヒーローの登場に誰もが沸き立った、流石はオールマイト、彼ほど声援の似合う男はいねーよなぁ、悔しいけどやっぱり格好いい。



「ヒーロー基礎学!ヒーローの素地を作るために様々な訓練を行う科目だ!単位数も最も多いぞ!そして早速だが今日はこれ!!」



戦 闘 訓 練 !!!



「それに伴って…こちら!」



オールマイトが手に持っていたスイッチを押すと、教室の壁にいくつもの切れ目が入り、そのままスライドするように壁が飛び出してきた。
番号振りされたジュラルミンケースがいくつも収納されたそれは、待ちに待った自分だけの戦闘服(コスチューム)!



「着替えたら順次グラウンド・βに集まるんだ!!格好から入るってのも大切なことだぜ少年少女!!自覚するのだ!今日から自分は…ヒーローなのだと!!!!」



………取りあえず言っていい?
オールマイトカッコ良すぎかよぉ!!!



やって来ました、グラウンド・β…グラウンド?ここメッチャ建物建ってますけど?寧ろ市街地、雄英の敷地って何でもありかよ。

グラウンドへの連絡通路を出れば、既にオールマイトや着替えを済ませた女子が待っていた。
予想以上に女子の戦闘服は目のやり場に困る、皆パツパツスーツ!ラインはっきり!特に八百万さんのボトムスどうなってんの?スースーしないの?恥ずかしくないの!?



「ヒーロー科最高」

「峰田…お前って奴は…」



大きな丸いボールみたいな物を頭にくっ付けた男子生徒…峰田が女子陣を見てサムズアップする、いや、気持ちは分からなくもないよ?俺っちも男だからね?

大人しそうな麗日さんの戦闘服もピチピチだ、肌に密着した宇宙服といった感じだろうか、麗日さんの個性は『無重力』だと聞いたから、個性に合った良い戦闘服だと思うぜ!
と褒めたらスッゲー照れちゃった、麗日さん可愛いなぁ。

そして麗日コスチュームに圧倒されたのかタジタジな緑谷が「コミュニケーション能力って…凄い…」と呟いたのが聞こえた。
流石に女の子慣れしてないのが見え見えだぜ緑谷よ…。



あ、俺っちの戦闘服が気になっちゃう?俺っちのは真っ赤だぞ〜!
翼の邪魔にならないよう背中の開いたハーフベスト、両手の保護と打撃力を増幅させる籠手、腹は無防備だ、鍛え上げられた腹筋が最大の防御だぜ!
腰は尻尾の邪魔にならないいつもの工夫。

全ての装備に耐熱性と撥水性を兼ね備えたモノを使用し、至るところにポケットがついていて、俺っちのエネルギー補給用の非常食が入ってる。

燃費が悪いのが今のところのネックだからな、それに服ってのは翼や尻尾を使う時邪魔になりがちだから、正直裸の方が戦いやすいと思うんだよね、まぁ流石に猥褻物陳列罪で捕まりたくないから仕方無いね!

要は頭装備のないキリン装備一式を翼と尻尾の邪魔にならないよう改造して色を赤くしただけです。
…………………あれ、俺っち今何してたんだっけ?



全員が集まったのを確認したオールマイトが早速授業の内容を説明する。



「今回は屋内での対人戦闘訓練だ!」

「(ゲッ!俺っちの苦手なやつ!)」

「君らにはこれから『敵組』と『ヒーロー組』に分かれて2対2の屋内戦を行ってもらう!!」



いきなりの対人戦闘が今回の訓練内容だと告げられ、クラスメイト達はワクワクの表情から驚きの表情に変わる。

基礎訓練もなしに?という蛙少女…蛙吹さんの疑問に見事脳筋な思考で返してくるオールマイト。
基礎を知るための実践、やり方を知るためにまずはやってみろってことですね分かります!

皆が皆してオールマイトに質問するもんだから、オールマイトは聖徳太子状態だ、関係ないことを聞いていた奴もいたみたいだけど、それらにまとめて答えるようにオールマイトは話し出す。



「いいかい!?状況設定は『敵』がアジトに『核兵器』を隠していて、『ヒーロー』はそれを処理しようとしている!『ヒーロー』は制限時間内に『敵』を捕まえるか『核兵器』を回収すること、『敵』は制限時間内まで『核兵器』を守るか『ヒーロー』を捕まえること!!」



設定アメリカンだな!!
まるで映画みたいな設定に誰もがそう突っ込んだ、まぁオールマイトの見た目アメコミだしある意味間違っちゃいないけど…。

そしてチームと対戦相手はくじで決めるらしい。
その意図を緑谷が解説してくれて成る程ってなった、そういえば相澤先生がアングラ系ヒーローだと見抜いたり、緑谷はヒーロー業界に詳しいようだ、好きなんだなぁヒーロー。



「先生ー、2対2だと1人余りますけど、どうするんですか?」

「1チームだけ3人チームになる!必ずしも敵とヒーローの戦力差が同じとは限らない、相手の方が戦力を多く持つときどうカバーするかはいつだって課題なのさ!勿論その事も加味して評価するぞ!」



成る程、3人チームが相手だと捕縛する手間も増えるし、核兵器確保や防衛の妨害も増える。
なにより1人で1人を相手にする、という単純な戦法は取れなくなる、最悪2人同時に相手しなくちゃいけないんだ。

そして仲間の援護や奇襲は限りなく望めない、こりゃ当たりたくないぜ…。



そして運命のくじ引きが始まった。
俺っちはIチーム、何と3人チームの1人になった。



「マジか!3人チームの相手は嫌だと思ったけど、まさか3人チームになるとはなー!」

「ホントだね!よろしく二人とも!」

「あ、あぁ」



同じチームになったのは透明人間である葉隠さんと、尻尾仲間の尾白だ。
尾白と同じチームになったとき、俺っちは彼と厚い握手を交わした、同じ尻尾使い同士切磋琢磨していこうぜ…!



チーム分けを済ませ、ついに屋内対人戦闘訓練が開始される。
最初の対戦は…。



「Aコンビが『ヒーロー』!!Dコンビが『敵』だ!!」



緑谷・麗日コンビ対爆豪・飯田コンビ。
先生ー、これどう考えても波乱の予感しかしないんですけどー!?

[*prev] [next#]