心の殻の溶かし方
「此度のボーンは、ドラゴンボーンらしいです」
成長したバイズは、そう言い――クルードに報告をしていた。彼はダークイーグルに着装し、天空から敵を襲撃する鷲。金目の青年は、クルードに跪き、報告を続けた。
「それと、レボルト様についてですが――」
「良い」
「は…?」
レボルトの事を思い出すと、良からぬ事を思い出す。だからバイズには口止めをしていた。バイズは話を続けた。
「地球には既にダークホースとインセクターズを向かわせました。情報によれば、4人のボーンファイターが地球に居るようです。ダークホースはまだ出撃をしていませんが、インセクターズが敗北続きですが、何れも疲労は避けられぬでしょう」
――ドラゴンボーン。地球のボーンであるらしいが、何故始まりの魔神に逆らうのか。
「バイズ――下がって良い」
「はっ」
バイズはそう言い、立ち去る。すると後ろから現れたのは、青緑の髪をした青年だった。アメジストの瞳をしており、無表情だった。
「フレイド――」
「………」
フレイドはクルードの耳打ちが分かった。其れはレボルトが離れ、静寂になっているダークソードフィッシュのグラディス、ダーククラーケンのベントーザなどの過激な一派だろう。
「万が一私が何かあった時はペルブランド達を頼む。あの若造に警戒を続けていろ」
「―――」
フレイドはクルードの言葉に頷き、姿を消した。

「バイズ」
ドロッサスはバイズを見た。ドロッサスはエクェスの鍛錬を続け、ダークアリゲーターの適合者になった。バイズとは盟友であり、彼は調子に乗っている性格である。バイズはそんな盟友に溜息をついた。
「お前、此度のボーン回収、如何思っている?」
「?そりゃあクルード様の命令のままにってな」
バイズは「はぁ」と溜息をつき、調子に乗っているドロッサスを見た。彼は全く、調子が良いが――その計算高い性格が悩ますのだ。だが、友として誇りを持っている姿は何とも勇ましい事か。
「クルード様は良い人だよな」
「良い人――ああ、そうだな」
自分の故郷が滅ぼされても、クルード様は私達を救ってくれた。リーベルトから話を聞いていたが、其れでも尊敬する人だ。バイズは無言のままであるが、フフッと笑った。
「あっ、お前は!」
「す、すまんな…!」
全く、面白い盟友(友)だ。昔は喧嘩をしていたばかりなのに、今は盟友と言える立場になったのだから。バイズにつられ、ドロッサスも笑った。さて、此度のボーン回収、どんな事になるのやら。
――だが、先の運命を知る事無く、バイズとドロッサスはお互いに笑いあっていたのだった。
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