闇が染み出て他を浸す

 そんな邪な心を抱えつつ、さらっと腹を撫でてみると一気に顔に赤みが差し「はっ……」と、なんとも色っぽい溜息を吐きやがった。
 なんだ今の声と顔は。驚いたぜ、なんて顔しやがるんだ。感じてる顔丸出しの色気たっぷり子ちゃんじゃねえか! これだけでも充分オカズにできるぜ……! もっとやっちまおう。
 両手でさらさらと裸の上半身を撫でてみる。めちゃくちゃ、手が気持ちイイ。なんつー肌してやがるんだこいつ。しっとりしてて、けどさらさらでもある。しかもにおいもすげえ甘いにおいがして、こんな極上モン、女でもいねえぞ! 興奮してくるな。色気に負けそうになっている。いやしかしだ、こんな色気駄々洩れにさせてるこいつが悪いんじゃねえ? 俺は何も悪くねえ! 撫子、これは浮気じゃねえぞ! 誓って浮気じゃねえが……限りなく浮気に近い浮気だが、浮気じゃねえ! 心はお前にあるぞ!! だが、今はこいつを触る!! 触り倒す!!
 何故か燃えてきてしまい、ぷつんっと勃った乳首をきゅっと抓ってみるとビグッと身体が跳ね、今度こそ間違えようのない喘ぎ声が耳に届いた。
「うあっ……!! あ、あっ……!!」
 すっげー色っぽい声! なんだこの声。こいつ、男だよな? 男の声なんだが、何故かとてつもなくイイ声だ。この声、いいなあ……しみじみ鳴戸が羨ましいぜ。
 なんだったらもっと聞かせてもらおうっと。
 そこでふと目についたのが、へそだった。こいつ、へその形もいいな。いい形してるぜ。触りたくなるようなへそだ。キレーなモンだし。
 ちょいっと指先を窪みへ入れてみる。そこまでは、ほんの冗談のつもりだった。だが、次に聞いたヤツの声で、一気に俺の中の何かに火をつけた。
「あああっ!! あ、あっ……ふっ、ううっ……!! や、あっ!!」
 あー……もうだめだ。めちゃめちゃにしてえ。くっちゃくちゃにして抱きてえ!! 今の声は反則だろうがっ!! この色気の塊を今すぐ何とかしてえ!!
 その欲に逆らわず、そのまま首元に顔を埋めてすんすんとにおいを嗅ぎつつ、早速舐めてみることにする。やっぱ、肌も美味ぇのかな。
 ぺちゃっと舌を置いて下から上へと舐め上げると、舌の上に甘みが乗ってそれがまた強烈に美味い。なんだこの旨味の塊みたいな味。信じられねえぜ。もっと欲しい。もっと舐めたい。
 そのまま耳の後ろに鼻を突っ込んでみると、もっと甘いかおりが強くなる。ってことはだ、ここもかなり美味い箇所じゃねえか? 試してみる価値はある。
 くすぐるようにして舌と唇を使ってちゅっちゅっと口づけながら舐めてみると、先ほど舐めたトコよりもずっと、美味い。いいにおいするし美味いし、サイコーだなこいつ。いいカラダ持ってるよ。鳴戸だけじゃ勿体ねえ。独り占めはよくねえってことで、もうちょっといろいろしちまおう。
 そのまま鎖骨にキスして、ちょっと舐める。うん、やっぱり美味い。すると時間差でピクッと身体が動き、また「は、ぁっ……」と吐息をつく龍宝。
 色っぺえなあオイ! 酔っているからこうなのか、それとも普段隠している部分が見えているのかどちらなのかが知りてえ。
 悪ぃ撫子。この秘密を探らせてくれ。帰ったらなんか美味いもん食いに連れて行ってやる。
 さて、と。お次はあれかな、やっぱ乳首かな。でも、へその方が反応良かったよな。よし、へそだ。狙うはへそなり!!
 脇腹のラインを両手でするっと撫でるとピクピクッとヤツの身体が動く。気持ちイイのかな。涙はもう止まっているようだし、止めるのなら今だ。と思いつつ、俺の身体は勝手にヤツの身体を愛撫し始めてしまう。
 と、止まらねえ……! つか、止められねえ! さらに言うと止めたくねえ!!
 ちゅっと胸の中心に吸い付いてみる。うん、美味い。そのまま舌を尖らせてするすると下へと這わせると、ピクピクピクッと龍宝の身体が動く。なんだ? 感じてんのか? 分からねえけど進めようっと。
 そして目当てのへそまで行き着き、べろっと全体を舐めてみたところでとんでもない声が耳を劈いた。
「うあああっ!! ああっああっ、やっあっ……!! あぁっ……!!」
 ははあ、ここがこいつの弱いところだな。つか、すんげえ声。撫子みてえだなこいつ。でもま、感じてるのはいいことだ。
 じゃ、そのまま進めるぜ! へそだな、へそ。ターゲット、へそ!!
 まずは、ひたすらしゃぶってやるか。舐めまくってやろうっと。
 そのまま窪みを中心に、舌を出してぺちゃぺちゃと舐めてやると、腹がぐねぐねと動きそのうちに息が荒くなって腹も一緒に上下に動き始める。
「ああっああっ、あっあっ、やっあっ!! あっあっ、おや、おや、おや、おやっ!!」
 んん? なんだ『おや』って。変な言葉だな。ま、いっか。喘ぎ声が『おや』なんておかしなヤツだけどまあ、これも個性だな。っつーことで再開。
 今度は、この窪みも舐めてやるか。
 舌先を尖らせ、窪みに挿れてちゃぷちゃぷとヨダレと一緒に舐めてやると、それは顕著な反応を示し、また『おや』を繰り返し始めた。つか、腰が捩れて舐めにくい!
「やっやっ、かん、感じるっ!! 感じ、ちまうううっ!! おや、おや、おや、おやぶん止めてっ!! 止め、止めてくださいっ!! ああああおやぶんんんっ!!」
 さらに捩れる腰。つか、そっか『おや』っつーのは親分のことか。てか、じゃあこいつの頭の中では鳴戸にこうされてるってこと? まあ、それならそれで俺は構わねえけどな。鳴戸がいなくなっちまってこいつも淋しいんだろ。
 手を伸ばしてさらさらと頭を撫でてやると、ふわっと表情が和らぐ。うわっ……すっげえかわいいツラしやがった今こいつ!! いいなー、いいなー鳴戸。こんなのが恋人って、いいなー。かわいいなー。

×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -