降下する軌道線

 だが、いくら龍宝がいやがる素振りを見せても鳴戸が止まることは無く、ひたすらにアナルをいじっては探るような指の動きで奥を穿ってくる。
 いい加減、泣き言が漏れてくる。元々男を受け入れるのはこれが初めてで、指など挿れたことも無ければ後ろに関しては初めてで、それがここまでつらいことだとは思わなかった龍宝だ。
「お、おやぶん今日はもうっ……! も、止めて、止めてくださいっ……! はあっ、は、は……」
「待てって、もうちょっと待ってろ。ここら辺のはずなんだが」
 ぐりっと指がナカを掻き、ある一点を掠めた途端、まるで痺れるような強烈な快感が襲いかかってきて思わず啼いてしまう。
「んあっ! あああっ、ソコ、変なトコ当たりましたっ! 変、変、ヘンです、変なトコっ……! やっ、ソコッ!! ああっ、あああああ!!」
「見つけた! よし、ココだな。ココの、出っ張ったココをこうして……こうやれば」
 突然やってきた快楽にどうしていいか分からず、シーツを逆手に持って撫でられるたびに跳ね上がる腰や足も放っておき、初めて感じるナカでの快楽、所謂Gスポットをいじられる感覚に溺れ浸る。
 その快感たるや相当なもので、あっという間に頭の中から雑念が飛んで行き、快感だけを拾うための人形のように変えられてしまう。
 今はただ、快感を受け止めるしか龍宝にできることは無かった。
 鳴戸はひたすらにGスポットを絶妙な指加減で責めてきて、その中でも特に感じる部分が多々あり、そこを集中して責められると正気を保っていられない。
 つい、大声で啼いて快感を訴えてしまう。
「んああっ、あああっ、あああうおやぶんっ! おや、おや、おやぶん気持ちいっ! 気持ちイイッ! ああっ、んあっ、だめっ、だめですだめっ! やっ、気持ちよすぎるだめですっ! うあっ、あああう!」
「そっか、そんなにイイか。かっわいい声出しやがって。ブツがもっと勃っちまうな、その艶っぽい声聞いてるとよ」
「はあっはあっ、おやぶん、おやぶんおやぶんっ、気持ちいっ! 気持ち、気持ちいっ! やっ、ああっ!!」
 思わず腰が断続的に跳ねてしまい、それでも鳴戸の指はしつこく追ってきてひたすらにGスポットを撫で擦ってくる。ピストンも加わり、穿ちながらのGスポット責めに悶絶の龍宝だ。
「んんっ、んんううううっ! ううっ、うああっ、あっだめです、い、イクッ……! イキそうっ……! おや、おやぶんイキそうっ、イっちまいそうですだめです、あああああ!!」
「ん? おお、イクか。いいぞ、イっちまいな。イったらまた勃たせるから、イけ龍宝! 思いっ切りイっちまえ! ココ、だろ? お前のイイトコ」
 さらに苛烈を増す指使い。前立腺が削れてしまうのではないかというほどまでに撫で擦られ、訳の分からないイキが襲ってくるのを感じていた。
 ナカイキというものを体験したことがない龍宝にとってはなにがなんだか分からないが、とにかくとてつもなく気持ちイイなにかがやってきている。そのなにかは分からないが、勝手に身体が悦んでいる。悦び、イキを促してきている。
 訳も分からず叫び、必死になって絶頂を訴える。
「や、いやだっ! い、イクッ……! イック、イックううううっ!! おや、おや、おやぶんイクッ! イっちまうっ!! あああああ、ホントに、ホントにイクッ……!! ガマン、できないいいっ!! あっ、ああああああー!!」
 鳴戸の赦しは一応もらったので、とにかく身体を解放してみるとやってきたのは強烈なナカイキで、興奮と快感によりパンパンに膨らんだペニスがさらに膨らみ、鈴口から勢いよくザーメンが吐き出される。
 何度にも分けてのソレは龍宝に多大なる快感を運んできて、射精のタイミングに合わせ足や腰がビグビグと跳ね動き、どっぷりと射精の余韻に浸り切る。
「はあっ、あはっ……はあっはっはっはっ、はああっ……イ、イった……。ううっ、んんんん気持ちイイ、イイ、イイ、すっごく、イイッ……はあ、おやぶん」
「これまた、思いっ切りイったな。お前の白い汁がそこら中に飛び散ってんぞ。エッロいなー龍宝くんは。顔も身体もトロットロじゃねえか、ドエロだよお前は」
「ん……おやぶん、キスして……してください、キスがいい……」
「甘えちゃってんなー、かわいいやつ」
 身体を伸び上がらせてきた鳴戸の頬を両手で包み、龍宝自ら口づけると今度は角度をかけて鳴戸がキスしてくる。何度も触れ合わせるだけの口づけを愉しみ、だんだんと濃厚になってゆくそれに、夢中になって舌を絡ませ合い溢れ出る二人分の唾液を啜り飲み込み、舌を柔く噛んだりして散々口づけに酔い唇を離すと、そこには至近距離で瞳に欲情を浮かせた鳴戸が龍宝を射抜いている。
 思わずこくんとのどが鳴り、両手を鳴戸の背に伸ばし抱え込むようにして肩口に顔を摺り寄せて甘える。
「おやぶん、気持ちイイです……すごく、イイ……」
「そうかい、良いことじゃねえ? そう言ってもらえると俺も嬉しいしな。さて、そろそろ挿れたいところだけど、どうだ?」
 その言葉を聞いてふと気になった鳴戸のペニス。今は勃起しているのだろうか。心配になり、少し身体を離して下を見てみると勃起してはいたが、どうにも愛してあげたいという欲求が頭を擡げ始め、体重をかけて鳴戸を押し倒し足の間に入る。
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