あなたは私のもの

 少し考えた龍宝だが、ココしかないことくらい鳴戸ではないが分かっている。分かって、抱かれようと決めていたが怖いものは怖い。鳴戸がそんな無茶をする男ではないと分かっていても、色事に慣れていない龍宝にとって、ソコはある意味、恐怖の場所なのだ。
 どうしても頷きかねていると、大きな溜息を吐いた鳴戸が離れていってしまおうと身体を起こしてしまうのに、慌てて腕を掴んで引き止める。
「行かないで、行かないでください! 分かりました、いいです。大丈夫ですからあのっ、離れて行かないでください!」
 半泣きどころか、泣き声でそう言って叫ぶと足の間に戻ってきた鳴戸によって頬を両手で包まれ、すりすりと涙で濡れた頬を擦られる。
「誰も怒ってねえし、呆れてもいねえって。ただ、なんかぬるぬるしたモンねえかなって思ってよ。さっき孔突いてみたら結構硬そうだったから、そのまま挿れたら絶対に切れるだろ。それはマズイと思って、なんか探しに行こうと思っただけなんだけどな」
「それだったら……ちょっと待っててください。冬に使ってた手荒れのクリームが、棚の中に」
 身体を伸ばし、サイドテーブルについている引き出しを開けると中には手のひら大くらいの大きさのチューブのクリームの姿がある。これを使えば、なんとかいけるのではないか。
 そう思い、恐る恐るクリームを鳴戸に手渡すとぷちゅっと音を立てて唇を吸われ、頭を大きな手で撫でられる。
「大丈夫だって、無茶はしねえよ。だからその不安そうな顔なんとかしな。怖くねえから。なっ? だったら、もう少し構ってやる。お前がいいって思った時点で知らせてくれればその時に、ってことで」
「おやぶんは、それでいいんですか……? だって、早く挿れたいんじゃ」
「俺はなー、そんな鬼畜じゃねえの。怯えているお前見て早く挿れたいから挿れますなんて、なに言ってるんだって話よ。そんなに飢えてねえっての。ほら、もっと身体ラクにして、ゆったりしてろ」
 さすがにそれは無理な話だと思うが、鳴戸の機嫌はどうやら損ねてはいないらしい。また頭をゆっくりと撫でられ、さらさらと後ろ髪を梳かれる。
 そのまま鳴戸は顔を下ろし、ぐいっと龍宝の両足を折り曲げるようにして上げたと思ったらいきなり内ももに吸いついてきてなめしゃぶられ、思わず変な声が出てしまう。
「んあっ!? あっ、おやぶん、なんてところを舐めてっ……! うっ、ああっ! やっ、ああっ!」
 息を荒くしてひたすらに内もも周辺をくまなくしゃぶってきて、熱い舌が唾液を纏いながら這い回るそれに快感を見出してしまい、羞恥を覚えながらもつい啼いてしまう。
「んっんっ! おや、おやぶん、だめです、そこはっ……そこっ、だめっ! だめっああああ! やっ、あっ、き、気持ちいっ! い、イイッ!!」
 するとくるんっと身体を反転させられ、尻が突き出すなんとも破廉恥な体勢を強いられ、恥ずかしさのあまり、大声で啼いてしまう。
「ああっ! いやっ、いやですっ、このカッコ、いやだっ!! おやぶんっ、おや、おや、おやぶん、いやだっ!!」
 だが、鳴戸は無言で双丘にむしゃぶりつき、尻全体に舌を這わせたくり吐息が荒い所為で舐めたところが冷えたり温まったりと、微妙なその快感につい感じてしまいペニスが緩やかに復活し勃起してくるのが分かる。
 恥ずかしいと思えど、身体は正直ということだろうか。
 そのまま暫く、身体を舌で愛された龍宝はトロトロに蕩けてしまい、普段は真っ白な肌全体を桃色に上気させ、鳴戸の唾液塗れの身体で次を強請る。
「は、はっ……おや、おやぶんもう、もういいです、や、止めてください……! 分かりました、いいです。尻、いじっていいです。も、充分……愛してもらいましたからもう、いいですこれ以上されると、おかしくなる」
「漸く根を上げやがったか。思ったよりも強情だったな。ま、お前だから仕方ねえか。んじゃ、本格的に尻いくぞ」
「はあっはあっ……はいっ……!」
 龍宝は自ら両足を拡げてM字に固定し、秘部がすべて見えてしまう体勢を取り息を荒く吐きながら、鳴戸の指を待つ。
 すると、徐に鳴戸がチューブの蓋を取り中身を中指に捻り出し、まずはアナルにしっかりと塗り込んでくる。その冷たさに思わず身体を跳ねさせると、膝小僧にキスが落とされ「大丈夫だ」という言葉をもらう。
 小さく頷き、目を伏せながら鳴戸の成すことを見ていると、しっかりとクリームを擦り込まれたアナルは既に熱持ったようにじーんとした快感が響いてきて戸惑ってしまうが、とうとう中指が一本、ナカへと挿し入れられ、その異物感に首を反らせて苦しんでしまう。
「ううっ、あああああっ……! や、苦しいっ……! は、はあっはあっ、あっあっ」
「我慢だ、少しの間我慢しろ。すぐにイイトコ見つけてやる。すぐだから、我慢だ」
 幸い、痛くはないのでそのまま耐えていると、細かくピストンを重ねながら指が奥へ奥へと入ってゆき、限界まで収められるとそのままアナルを広がせるように指がぐるりと一周し、それを何度も繰り返される。
 そして二本に増やされた指はさらに奥へと入り、掻き混ぜるようにして指が動き思わず呻いてしまう。苦しくて仕方ないのだ。
「はあっ、あうっ、うううっ、あああああっ……! や、や、いやです、おやぶん苦しいっ……!」
「待てよ、待て待て。すぐに、探してやるから待ってろ」
 鳴戸はさっきからしきりになにかを探しているようだが、龍宝にそれは分からずただただ苦しいような、微妙な快感のようなものまで混じり始めてさらに指の挿入がきつくなる。
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