スリガラスの向こう側

 下から威圧的な低い声で行動を制する鳴戸の声が聞こえる。
「手ぇ、退かしな龍宝。顔が見えねえじゃねえか。退かしな」
「やっ、あっ……へんな、顔してるっ! 親分に見られたくないくらいきっと、変な顔してますっ……!」
「その変な顔が見たいんだって。退かさねえなら止めちまうぞ」
 それはいやだと思う。
 仕方なく、そっと両手を顔から剥がしてゆくと、下から見つめられていた鳴戸ののどが大きく上下する。
「オマエ、なんつーツラしてんの。うっわ、色っぺえなあ。すんげえキレーなツラしてやがる」
「じ、じっと見ないでくださいっ! きっと、すごく恥ずかしい顔してますからっ……!」
「オマエって改めて見てみるとこういう時でもホント、美人なんだな。驚くわ」
 何を言われているのかよく分からず、また両手で顔を隠すと無理やり退かされてしまい、下から伸び上がってきた鳴戸に掬い上げられる形でキスをされ、舌と舌とを絡め合うような濃厚な口づけを迫られ、鼻で呼吸をしながらなんとか動きについていこうとするが上手くいかず、結局鳴戸についていく形で貪られ、何度も口のナカを舐められたし舌を柔く食まれもした。
 取りあえず一通り龍宝の咥内を蹂躙するとそこで満足したのか、もう一度しゃがみ込んで下腹責めを再び始めた。
 仕方なく、龍宝は行き場のない両手を鳴戸の肩に置き、身体を細かく震わせ顔を真っ赤にしながら下で成されることを見つめる。
 しきりに舌が下腹を這っている。そのたびに、身体が勝手にぴくっぴくっと反応してしまい、それも恥ずかしかったが、その舌は徐にへそに入り、尖らせた舌先で窪みの中をしゃぶられ、思わず身体が大きく跳ねてしまう。
「んっうあっ!! あ、あ、あっ……ソコ、ソコだめです、だめ、止めてくださいっ……! 感じる、感じちまうから、止めてっ……あああ!」
「お前、へそも感じるのか。身体触りゃ悦ぶし、へそ舐めても悦ぶ。淫乱子だなあ、ツラに似合わず」
「し、知らないっ! 知りませんっ……! は、恥ずかしいし、いやです、そんなとこ……舐めるなんて」
「キレーなモンだぞ、お前のへそ。いいカタチしてんな。もっとしゃぶっちまおうっと。あと、コッチもな」
 改めてしゃがみ直した鳴戸は、へそを舐めながら片手をペニスに絡めゆっくりと扱き始める。その二点責めに、龍宝は身体を震わせて悦びの声を上げる。
「ああああっ! んっあっあっあっ、ああっ、き、きもち、気持ちいっ! 気持ちいっ! おや、おや、おやぶん気持ちいっ! んっ、ああっ!!」
 舌先はまたへその窪みに入り、ペニスは鈴口ら辺を人差し指の腹でなぞるようにして動かされ、動きこそ見た目は地味なれど快感はものすごく、腰が震えて仕方がない。
 そのうちにやってくる、強烈な射精感。
 腰がガクガクと震え、下半身に熱が集中して快感の塊となってぐるぐる下腹辺りを回っている感覚がする。
 まさか、こんなことでイってしまうことになるとは。だがしかし、確実に身体は射精に向かっている。
「ああっ、あっあっあっあっ、おや、おやぶんイクッ! い、い、イクッ……! ああああイっちまうううっ! だめ、だめです本当に、ホントにイキますっ……! うっああああ!!」
「イっとけイっとけ。イったらまた勃たせるまでだ。なにも我慢することはねえから、イっちまいな。ほれ、こうすればイクか?」
 今度は手のひらで亀頭全体を包むようにしてくりくりと手を動かされ、一番敏感な箇所をこのように責められてはもはやイクしかない。というより、勝手にイってしまう。
 内股が震え、身体も同じく震えが走り爆発的快感が身体の中に巡り、それが下半身で弾けた途端、ものすごいイキの波がやってきてとうとう絶頂に達してしまう龍宝だ。
「ああああ!! イック、イック、イックううううっ!! あああっああああっあっあー!! イックううううっ! うううっああああああー!!」
 腰がビックンビックン跳ね上がり、ペニスがぶくぶくっと膨らんだと思ったら勢いよく白濁液が鈴口から発射され、それらはすべて鳴戸の手に飛び、何度にも分けてのそれに快感がなかなか身体から出て行かない。
 それを察したのか、最後の一滴まで搾り取ろうとせんばかりの勢いで鳴戸がさらに亀頭を刺激してきて、またイってしまう龍宝だ。
「ああっ、あっあっ! ま、またイクッ! い、い、イクッ……! ああああイックうううっ!! ああっ、あっあっあー!!」
 ビグビグビグッと腰が勢いよく跳ね捩れ、また大量のザーメンが吐き出され、今度は龍宝の腹にすべて飛び、ザーメン塗れの身体をタイル壁に凭れかからせる。
「あ、はあっはっはあっはあっ……イ、イった……ん、はあっ、き、気持ちいっ……! あっ、イイッ! はあっはっはっ」
 すると間髪入れず、鳴戸がザーメンの飛んだ下腹を舐めしゃぶり出したのだ。
「だっ! いけません、親分それはだめです! そんな、俺の出したのを舐めるなんてそんなことをしてはいけません! は、離れてくださいどうか!」
「ん……いいだろー? べつに強制されてヤってるわけじゃねえんだし。しゃぶりてえんだ、しゃぶらせろ。気持ちイイんだろ? ココ」
 歯噛みする龍宝だ。
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -