刺し違いの愛情

 その姿をなんと思ったのか、鳴戸がずいと迫りもう片方の尻を鷲掴んで揉まれるその力強さに、つい感じてしまう龍宝だ。
「はあっ……これで満足ですか」
「お前の尻って……キレーだな。尻の孔もぜんっぜんキレーだわ。ピンク色って女でもいねえぞ。寧ろ、女のアソコに似てんな。いや、女のアレよりも全然これは……」
「ま、まじまじ見ていないでクリーム塗ってください! は、恥ずかしいです!! 恥ずかしい!!」
「褒めてるんだぜ? これでも。いやー、名器って見かけもきれいなのな!」
 歯噛みする龍宝だ。これが極道の交わす会話だろうか。いくら何でも間が抜けすぎている。
 抗議しようと口を開こうとしたところで、徐に鳴戸がクリームを手にたっぷりと取ったと思ったらいきなりアナルに擦り付けてきて言葉ものどの奥へと引っ込む。
「んっ……あっ、あっあっあっ……んんっ、はあっ、おやぶん……」
「ゆっくりな、ゆるゆるにしてやっからそのまま尻上げてな。しっかし、キレーなもんだよな。感心するぜ」
「そんなモンに感心しないでください!! 恥ずかし過ぎます!!」
 さらに文句を言い募ろうとしたが、ぬるっと指が一本アナルに挿し入れられ何の前触れもなかったので思わず身体がビグッと跳ねてしまう。
 指は細かくピストンを繰り返しながら奥へ奥へと入ってきてナカを掻き混ぜてくる。相変わらずこの異物感には慣れない。
 思わず啼いてしまう龍宝だ。
「うあっ……あっあっ、ああっ……ん、はあっ、っく!」
 指が収まり切ると、そこでもピストンされナカを抉るように大きく円を描くように引っ掻いたと思ったら、今度は指が二本に増やされピストンも大胆になる。
 だが、苦しいものは苦しい。龍宝は手を後ろに伸ばして鳴戸の身体に触れ、何とか苦しみから逃れようとするが上手くいかず、つい泣き言が出る。
「おや、おや、おやぶんっ! この体勢、いやですっ……はあっ、受け止めるにはなにかに掴まらないと無理ですっ……!」
「そっか。んじゃあ、俺に抱きつきな。しがみついてればバランスも取れるだろ」
 指が引き抜かれ、くりっと身体の向きを変えられると鳴戸の引き締まった身体が目の前にあり、顔を見ると優し気に笑んでいる。
 思わずぎゅっと抱きつくと、両手で尻を鷲掴まれ揉まれたくる。
「んー、相変わらずいい尻してんなあ、オマエは。揉みごたえがすげえ」
「いっ、いいから早く指、指挿れてくださいっ! 尻を褒められても嬉しくないです!」
「いやホントなんだって。お前の尻は今までのどんなヤツよりもいい尻だぜ。自信持ちな」
「う、嬉しくないいっ……! っあ!! あっあううっ!!」
 ぼやくと、急にアナルに指が二本入り本格的に拡がすことを目的として動き出す。だが、確かに広がしてもらえないと尻が切れてしまうがGスポット責めは今日はしないのだろうか。少し残念に思っていると、それが伝わったのか指が妙な動きを始めたのだ。
「んーっと、お前のイイトコロはっと……ココ、だな。ココだろ? 物足りなさそうにしやがって」
 どんぴしゃでしっかりとしこったクルミ大の前立腺、所謂Gスポットを指でざらっと撫でられ、思わず失禁してしまいそうに感じてしまう。
「うあっ! あああっ、あああううっ! ソコッ、ソコッ、ソコぉっ!! おや、おやぶんソコッ!! あっあっ、気持ちいっ、気持ちいっ!!」
「やっぱり拡げるだけじゃ気持ちよくねえんだな。まあ、女とは違うもんなあ。男抱くってこういうことなのかもな」
「な、なにを感心しているんですっ……! それよりもっと、指、ゆびくださいっ……! は、はあっ、もっと気持ちよくなりたい」
 さらにぎゅっと抱きつくと、指は積極的にGスポットを撫で始める。
 鳴戸はこの責めが上手く、痛くもなければ刺激を受けられる最高の力加減で擦ってくれるため、龍宝はいつもこの責めで啼きたくり、イってしまうのが常だ。
 そして腸液が溢れ出てきたのか鳴戸が指を動かすたびにくちゃくちゃとクリームだけの時とはまた違った音が立つようになる。
 恥ずかしいが、気持ちがイイ。それは、とてつもなく。鳴戸にしがみつきながら、はしたなく啼いてしまう龍宝だ。
「ああっ! あっあっあっあっ、ああっ!! き、きもち、気持ちいっ、気持ちいっ! ふあっ、はあっ、き、気持ちイイッ! んんんっ、あっ、イキそうっ……! おやぶん、イキそうですっ……! はあっはあっ」
「もうイクのか? もうちっと愉しませろや。なっ? 頑張れ龍宝!」
「やっやっ、イクッ、イクッ!!」
「お前はいっつもイクって言ってからが長ぇからな。信用しねえぞ。ほれ、ほれほれココだろ?」
「あっやっ! い、イクって、言ってっ……!」
 さらに前立腺を集中的に撫でられ、その中でも特に気持ちイイトコロ、弱いところがあるのだが、しっかり知られてしまっているため鳴戸の指は意地悪くそこばかりを撫で擦ってくる。
 快感で頭がおかしくなりそうだ。身体と頭がばかになってしまう。そして、イクことばかりを考えてしまう淫獣になってしまう。
「ああああっ! ああっ、やっ……! んっんっんっんっ、きもち、気持ちイイッ!! はあっ、だめ、だめです気持ちイイッ! い、イキそうっ……んっ、イクッ!!」
「また甘えたことぬかしやがって。未だだろうが、ほれ、未だまだ」
 さらに撫でたくられるGスポット。龍宝は熱い息を吐きながらさらに鳴戸にしがみつくとふと、眼に映ったのは鳴戸の耳だった。
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