僕を溶かした熱の正体

 ちゅるちゅると音を立てて上の辺りを舌で抉るようにして舐め、柔く噛む。歯に軟骨が当たり、なんとも心地いい。まさか、耳という部位がここまでいじりがいのある箇所だとは思ってもみなかった。だが、それは鳴戸限定になるが。他の人間ならお断りだ。
「おやぶんの耳……だんだん赤くなって、熱くなってきましたよ」
「だっ、黙りやがれ! もうしゃぶらせねえぞ!」
「おー、怖っ! それはいやですから、もうちょっと……」
 ぎゅっと鳴戸の頭を抱きしめ、再度耳を責め立ててみることにする。やはり、食み心地がいいのは耳たぶだ。一番耳たぶが気持ちイイ。
 龍宝は鳴戸の耳に興奮を隠しきれず、ペニスが勃起してくるのを感じながら夢中になって食む。
 熱い息を耳に吹きかけ、耳たぶをしゃぶりながら犬歯で少し強めに噛んでみると、ぴくっと鳴戸の身体が僅かに動いた。感じたのだろうか。それならそれでちょうどいいと、連続して耳たぶのあらゆるところを噛んでいると、とうとう噛み過ぎて膨らんできてしまい福耳のようになってしまった。それでも止めずに、自分の欲望のままに耳たぶばかりを食み続け漸く満足して口を離すと、なにやら鳴戸の様子がおかしい。
「お、おやぶん……?」
 当の鳴戸はどうやら怒っているようで、ぷるぷると身体を震わせている。
 調子に乗り過ぎてしまったらしい。
「あ、あの、おやぶん? 怒って、いるんですか……?」
「こんなにココ勃たせて俺の耳しゃぶってんじゃねえ! ちっと甘い顔見せりゃいい気になりやがって!!」
「あっ!! うあっ、おや、おやぶんっ、やめっ……!!」
 いきなり逆手にペニスを握られ、思わず抱えていた鳴戸の頭にしがみつくと、激しく上下にペニスを擦られ、突然訪れた快感に腰が勝手に震えてしまう。
「おやっ、おやっ、おやぶんがいいって、耳しゃぶっていいと言ったでしょう!? こ、こんなっ……んっ、ああっ!! やっ、ああっ!!」
 左手はタマを揉みしだき、右手でサオを扱かれる。この二点責めに、龍宝は身を捩ってあられもなく啼いてしまう。
「やっ、おや、親分はなしっ、手を離してっ、離してくださいっ! やっ、感じるっ! き、気持ちいっ! あっあっ!! ああっ、あっあっ!!」
「おー、イイ声で啼くねえ龍宝。お前はそうやって啼いてればいいの。俺を感じさせようなんざ百年早いぜ。ほれ、ほれほれ。ココを、こうしてやれば……」
「お、おやぶんっ! やっ!! ああっ、やっあああ!!」
 どうやら大量にカウパー液が滲み出しているらしい。鳴戸が手を動かすたびにくちゃくちゃと粘着質な音が立ち、勝手に腰が捩れてしまい身体が震える。
 しっかと鳴戸の頭を抱えていた龍宝だが、たまらなくなりなんとか離れようとするが責め立てはさらに激しくなり、このままイかされるのではないかというほどにペニスを扱く手の動きは苛烈を増している。
 そこで目に入ったのは鳴戸のしゃぶり過ぎて真っ赤になって耳で、快感から逃れるようにして耳に思い切って食らいつく。
「あっ! コイツ、離しやがれ龍宝! 誰が許した!!」
「んむっ、んむっ……ふっふっ、はあっはあっ、んっんっ、おやぶんっ!」
「噛みながら感じてるんじゃねえよ! いいから離しやがれ! このままイかされてえのか!!」
 しかし耳から口を離さない強情な龍宝をどう思ったのか、鳴戸の手はペニスから離れ尻をまさぐり始めた。
「んっ、んんっ!? んっ、ちょっ……お、親分ソコはっ! ……そ、ソコッ!」
「なんだって? ソコがどうした。ココだろ? ちゃんとクリームは塗ってあんだろうな。流血沙汰はごめんだぜ。お前は俺の大事な一の子分だからな。血はいけねえ」
 両手で双丘を開かれ、奥に眠っているピンク色の窄まりにちょんと指が乗る。
「あっ! や、おやぶんっ!! もう乾いているでしょうし、今日はっ」
「今日はなんだよ。俺はヤる気だぜ? もうヤる気満々でお前をくっちゃくちゃにしてやりたくてたまらねえな。覚悟しな」
 指はそのまま、僅かなぬめりを利用して一本、中指が挿し入れられる。その異物感に、つい呻いてしまう。
「うううっ、あっあっ……おや、ぶんっ、そこは今日は無理ですっ……! はあっ、改めてクリーム塗り足さないと切れちまいますって」
「だったらさっさと塗るなり持ってくるなりしな! 俺はここで待っててやる。早く行きな」
 どうやら、鳴戸に譲る気はまったく無いらしい。仕方なく、龍宝はせめてもと思いシーツを身体に纏ってバスルームへと向かう。
 今日はなんだか、いつもと違っていろいろな出来事がある日だ。鳴戸の変貌に、耳齧り、セックスはいつものことだとしても、何処か今日は奇妙な夜だと思う。
 スーツが放ってあるバスルームへ到着し、クリームを手に取ったところだった。急にドアが開き、全裸になった鳴戸が乗り込んできたのだ。
「お、おやぶんっ! 向こうで、ベッドで待っていてください! 見られたくないんです!!」
「女みてえなこと言ってんじゃねえ。今日は俺に塗らせろや。いいだろ? お前の尻の孔、見てやるよ」
「なっ、なっ……何を言っているんですっ!! 頭がおかしいですよ!!」
「ごちゃごちゃぬかすんじゃねえ。親分の命令だぞ。聞けねえのか、テメエは」
 そう言われてしまえば、従わざるを得ない。それを知って、鳴戸はそう言ったのだ。悔しいが、これも仕方のないことだと割り切り、龍宝は鳴戸に背を向けて少し屈み、片尻を手でぐいと開いてみせる。その顔は羞恥で真っ赤に染まっている。
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -