愛撫の極意

 鳴戸の両手は不穏に動き出し、性的な触れ方で龍宝の身体に手を這わせ始める。そのなんとも官能的な触れ合いに、つい熱い吐息をついてしまう。
「は、はあっ……おやぶんっ……手、熱い」
「興奮してんだ。ちったあ我慢しな」
「ちが、気持ちイイです、すごくイイ……おやぶんの熱い手、好きです。もっと触れて欲しい」
「煽んなよ、襲っちまう。今はイイコトしてる最中なんだから大人しくしてろって。な?」
 そう言ってさらりと下腹を大きな手で撫でられ、快感に思わず息を詰めてしまうとそこばかりを集中的に撫でてきて、思わず身体が大きくぶるりっと震えてしまう。
「はっ……はっ、やっ……ああっ」
「お前ってホントここら辺弱いよなあ。そんなに感じるか?」
 言葉もなく何度も頷くと、人の悪い笑みを浮かべた鳴戸が顔を下腹へと寄せてきて、舌を出して大きく舐めた。
 熱くぬるついた舌が肌を滑り、明らかな快感にじわっと身体が熱持つのが感じられる。そしてその場所を舐められることで勝手に身体が悦び、ひくひくっと蛇腹のように下腹が動く。
「はあっ! はっはっ、あっ、やっ……ソコ、ソコッ! アァッ……!!」
 その舌はついにへそまで行き着き、尖らせた舌先が窪みに入れられ、ちゃぷちゃぷとしゃぶられ舐められる。あまりの気持ちよさに、妙な声が出てしまいそうだ。
 必死になって歯を食いしばり、声を抑えているとさらにへそを責められ往復してへそばかりを何度も何度も舐められてしまう。
 ついには、へそに指が入り拡がすようにして横へ引かれ、そのわずかな隙間に舌が入り、丁寧に舐めしゃぶられる。
「ううっんっ、んっんっんっー!! はあっ、はあっはあっはあっはあっ、い、やだっ……きもち、気持ちいっ! い、イイッ……!!」
 まるで搾り出すように声を出すと、漸く舌と指がへそから離れてゆき、身体を伸び上がらせてきた鳴戸に口づけられ、ちゅっと音を立てて唇が吸われる。
 ふっと顔が離れてゆき、涙で潤む瞳で鳴戸を見るとにかっと笑い、首元に顔を埋めて嬉しそうにこんなことを言った。
「お前トロットロじゃねえか。そんなにイイか? へそ」
 ちゅっと首にキスが落とされ、手は胸を這い乳首を中心として円を描くように動き、きゅっと左側の乳首が抓まれる。思わず身体がひくっと動くと、また嬉しそうにのどの奥で笑っている。
 どことなく悔しい気分になり、未だ首元に顔を埋めている鳴戸の耳を食んでみることにした。顔を横へずらし、ぱくっと思い切って口のナカに入れてしゃぶってみると、濃い鳴戸の味がして何とも言えない満足感がある。
「んんっ!? っちょ、オイ龍宝お前なにしてんだ! 耳から口離しな!」
 鳴戸の抗議も気にせず、柔らかく耳たぶに歯を当ててみる。すると肉の弾力が歯に伝わり、噛んだところを丁寧に舐め、もう一度噛んだ後、舌を耳の中へと挿し入れたところでとうとう鳴戸ストップがかかり、思い切り顔を押しのけられてしまい危うくベッドから落ちそうになる。
「コラッ! なにやってんだお前は! まったく、親分の耳を食うなんてとんでもねえぞ!!」
「でも……おやぶん、気持ちよさそうだった……」
 すると、僅かに鳴戸の顔が薄っすらと赤く染まりさらに怒りをぶつけてくる。だが、未だしゃぶり足りないと思う。もっと鳴戸を感じたい。
 その気持ちが今はかなり強い。その勢いに任せて、鳴戸に飛びつき再び耳にしゃぶりつく。
「っ龍宝!! コラッ、おいっ!!」
「ん、ん……おやぶん美味しい。すっごく美味しいです」
 真っ赤に染まった耳はかなり熱を持っていて、口のナカに入れていると口まで熱くなりそうだ。だが、そんな熱さも愛おしい。
 軟骨の部分をかみかみと何度も噛み、丁寧に耳の縁に沿って舌を這わせるようにして動かす。すると、鳴戸が「んっ……!」と小さな声で啼いたのが分かった。
 それに気を良くした龍宝は、さらに責め立てるべく耳のナカまで舌を入れ、ちゅるちゅると舐めしゃぶってみると、さらに濃い鳴戸の味がしてそれに夢中になっているとぺんっと頭を叩かれるが、今はとにかく耳だ。なんと言われようと耳がいい。
 先ほど耳たぶの噛み具合がよかったので、耳たぶを中心にはむはむと食んでゆく。軽く歯を当てるたびに程よい弾力が歯に伝わって心地よく、鳴戸の味もする。最高の耳だ。
 舌先で凸凹を辿るように動かすのも愉しい。耳はどこも気持ちいいし美味しい。夢中になって耳ばかりをしゃぶり尽くしていると、呆れたような溜息が鳴戸の口から零れ出る。
「お前さあ、飽きねえのか? そんな耳ばっかりしゃぶって」
「んっ……? 飽きませんね。全然飽きません。どころか、ここおやぶんの味がして美味しいし、すっごく気持ちイイです。好きです、耳」
「お前の意見は聞いてねえよ! もういいだろ。ほら、耳から口離す」
 しかし、それには大いに不服な龍宝だ。その不満を正面からぶつけてみる。
「おやぶんばかりズルいですよ。俺だって少しくらい親分を感じてみたいと思ってもいいでしょう……? 俺だって、男なんですよ」
 そう言って真っ赤に染まった耳にキスを落とすと、わざとらしいくらいに大きな溜息を鳴戸は吐き、反対側の耳を差し出してくれた。
「親分の言うことを無視して文句まで垂れやがった野郎にサービスはしたくないが、次はコッチ。そんなにしゃぶりたけりゃ死ぬまでしゃぶってろ!」
 龍宝は目を輝かせ、鳴戸に飛びつきしゃぶっていない耳を早速食む。こちらもやはり、鳴戸の濃い味がする。香ばしいような、甘いような不思議な味だ。だが、クセにはなる。寧ろ、クセになり過ぎて鳴戸ではないが離れられなくなりそうだ。それくらい、魅力的な耳だ。
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