愛さえも虜にして

 鳴戸は戸惑いを隠せないようで、龍宝の髪を優しく引っ張り拒絶を促してくる。
「お、おい龍宝、止せって! 俺はそこは……」
「んー……? はは、美味しい、ココ。おやぶんの味する……すっごく、美味しい。だから、もうちょっと……すごいコリコリになってます、ココ。やらしい」
「ま、待てって。ちっと恥ずかしいから止せよ」
「あんなに俺の身体いじっておいて、恥ずかしいんですか? おかしいですね……じゃ、ココはどうでしょう。すっごく、勃ってます。あ、恥ずかしい汁が流れてますね」
「ちょ、おいって!」
「気持ちよくしてもらいましたから、親分にもたくさん、気持ちよくなって欲しい……」
 両手で鳴戸のペニスを持ち、早速咥え込みストロークを始める。すると、腰がビグビグと動き、腹が蛇腹のようにうねり始める。
 それを目を細めて見て、カウパー液滲む先端を舌だけでれろれろと舐め取るようにして動かすと、さらに鈴口からコプコプと恥ずかしい液が溢れてきて、それを飲み込む形で少しストロークしてみる。
 すると、ごぐっと鳴戸ののどが鳴りそれを合図のようにして身体を伸び上がらせ、キスをせがむとすぐに応えてくれ、舌と舌とを擦り合わせながら互いの口から溢れる唾液を飲み下し、唇同士が触れ合うとすぐにでも咥内に鳴戸の舌が入り込んでくる。
 その舌を絡め取る形で舌に乗った唾液を啜り飲み、暫くくちゅくちゅといった水音を響かせながら濃厚な口づけに溺れ、唇が離れたところで至近距離で鳴戸の顔をじっと熱い視線を送りながら、下では手をしきりに動かし、ペニスを逆手に持って扱きたくってやる。
「あ、あ、マジで、ちょっ待っ……ヤベエって、龍宝」
「何がヤバいんです? この棒、すっごく硬くなってエロい汁がたくさん出てますけど……おやぶんはいやなんですか? エロい棒、もっと触りたいししゃぶりたい。乳首も……」
 舌を出し、乳輪の縁を辿ったり乳首を突くように舐めたりもしながら、ペニスも揉むようにして刺激を与えてやると、一気に鳴戸に余裕がなくなったのが分かった。
 さらにダメ押しで、乳首を舐めしゃぶりながら手を捻るようにしてペニスに絡みつかせて扱いてやると、カウパー液がさらに溢れ出て龍宝の手をしとどに濡らしてゆく。そして、扱くたびにぐちゅぐちゅといった水音が立ち、乳首もさらに硬くなったようだ。
 どうやら、かなり感じているらしい。
 仕上げとばかりに手で根元を扱きながら吸うようにストロークを繰り出す。そのたびにずちゅるるるるっといった吸引音が立ち、頭を上下に激しく動かしている所為か目の前がクラクラしてくるが、上目遣いで鳴戸を見て目が合った途端だった。
 両手で頭を無理やり退かされてしまい、勢いがつきすぎて視界が反転したと思ったらベッド下に落っこちてしまった。
「うわっ!! ……痛ったたたた……おやぶん!! ひどいですよ、なにをするんです!!」
「うるせえっ! もうだめだ、もう無理だ。早くお前のケツを何とかしてえ。っつーか、ナニ晒してんだお前は」
 そこで露わになる、龍宝の全裸。今は何も隠すものが無く、慌てて後ろを振り向こうとするがそれは制されてしまい、腕を持ち上げられてベッドに乗せられる。
「ほら、イイ身体してんじゃん。なにをそんなにコンプレックスを感じることがあるのお前は。キレーな身体だよ。例えチンポがついていようが、おっぱいがあろうが無かろうが、俺は関係ないね。龍宝、お前がお前でいてくれるのが一番。それが大切なことだ。あんなにサービスしてくれる女も居ねえしな。そういうところも含め、俺はお前が好きなんだ。もう隠すモンもなければ、必要もねえな? 分かるか、俺の言ってること」
「おやぶん……で、でも俺はっ」
「もう聞かねえぞ、もうなにも聞かねえ。これだけいろいろ晒して暴露しといて、恥ずかしいとかぶっこいたらまた殴るぞ。お前はお前。なっ?」
 優しく頭を撫でられ、額にキスが置かれるとじんわりと瞳に涙が盛ってくる。ぐすっと鼻を鳴らし、俯けていた顔を鳴戸に向けると、その顔は困ったように笑んでいる。
「また泣きやがった。あのなあ、この泣き虫小僧。俺は泣かせるために言ったんじゃねえぞ。安心させるためにって……また泣く」
 止めどなく涙が零れ落ち、間違いなく嬉し涙のそれに無理やり笑んで思い切り鳴戸に抱きつく。
「おやぶんっ……! 俺やっぱり、好きになったのが親分で、本当によかった……愛してます、鳴戸おやぶん」
「ん、それで良し! さて、と。散々お前が責め立ててくれたおかげでチンポが大変なことになっててな、そろそろケツをだな」
「はい、すぐに差し出します」
 龍宝はそのままベッドに寝転び、先ほどと同じくM字体勢を決め、なるべくアナルがいじりやすいように足をぐいっと手で上げてみせる。
 さすがに恥ずかしいので顔は反らしたが、恥ずかしい桃色の窄まりは鳴戸の指を今か今かと待ち侘びている。
 ごぐっと鳴戸ののどが大きく鳴る音がした後、その手は勝手に棚を探り横目で見るとどうやらクリームを出したようだ。
 鳴戸とこういう仲になってから、そういった解すものが毎回必要になるので、薬局でコールドクリームの大瓶を買っておいたのだ。それはいつも、ベッドサイドの棚に収まっている。
 何度も交わっているため、鳴戸はクリームの在処を知っている。
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