13回目のキスで情死

 蓋を取る音がした後、クリームを掬う音がかすかに耳に届く。指がアナルを目指している。期待と、そしてほんの少しの不安を感じた後、何の前触れもなくぺちゃっと冷たくぬるっとしたものがアナルに塗りつけられ、勝手に足が跳ねてしまう。
「うっ、あっ……!! や、だあっ……!!」
「指いくぞ。こんなもんでいやだとか言ってんじゃねえ。ほら、少しの我慢だろ? イイコのお前は待てるな?」
 こくこくと必死に何度も頷くと、丁寧にアナル全体にクリームが擦り付けられ、中指が一本、ナカへと挿れられる。
「うぐうっ……う、う、う、あぁっ……!!」
 毎度のことだが、この瞬間は慣れないと思う。何度もセックスしているので前立腺の在処は知られているとはいえ、それまでの時間がいつまで経っても龍宝を苦しめる。
 指は細かくピストンを加えながら奥を目指しており、異物感はあれど幸いなのは痛みが無いくらいだろうか。
 しかし、なんとなくのずーんとした重い快感はずっとついて回り、それを踏まえた上でGスポットを嬲られるとたったそれだけでイってしまいそうに感じてしまうのだ。
 二本に指が増やされ、奥を引っ掻くようにして腸壁を掻い潜り責めてくる。
「ん、うっ、ああっ、あっあっ、うっく、おやぶん、早くっ……やだ、苦しいっ……くるしいっ……」
「すぐだ、もうすぐに見つかる」
 くいっと指がペニスの裏側ら辺りを撫でたその途端だった。突然の快感が背を駆け抜け、つい大声で啼いてしまう。
「うああっ! あああああっ!! そ、ソコッ、ソコぉっ!! おや、おや、おやぶんソコッ!! やっ、だめっ、感じるっ!!」
「よっしゃあ、やっぱココだったか。よし、龍宝今からは天国行きコースだぜ! Gスポット責めの開始だ! 覚悟しな!!」
「あっ、はあっはあっはあっはあっ、ん、早くっ……! んっんっ!」
 二本の指が完全に曲がると、その分Gスポットに指が当たる強さが増し、快感もまた倍増しになる。それを知ってか知らずか、痛くも無ければ刺激だけはしっかりと感じられる絶妙な力加減でしこりを撫で擦られ、言葉も出ないくらいの快感が襲いかかってくる。
 腰が勝手に捩れ、跳ね上がるが指は執拗に追いかけてきてGスポットを責めてくる。
「あっ、ああっ!! う、はあっ、はあっはっはあっはあっ!! はっはっ! はあっ、気持ち、気持ちいっ! ああっうあああっ!! おや、おや、おやぶん気持ちいっ!! や、だめ、だめイキそうっ!!」
「お前はイクって言ってからが長ぇからな。信用しねえぞ。ほれ、ほれほれココだろ? お前のイイトコロはよ」
 きゅっと指でしこりを抓まれ、振動を送るようにして細かく震わされるように指が動くと、こたえられない快感が次から次へと湧いてきて、龍宝から理性を奪ってゆく。
 Gスポットにも特に感じる部分があって、そこを重点的に刺激されると声すら抑えることができなくなる。鳴戸は龍宝の啼き声が好きだ。そのことを龍宝は知っている。多分、聞きたいのだろう。意地もあるが、今は無理だ。勝手にのどの奥から喘ぎ声が出てしまうのだ。
「はあっ! ああっ、あっあっあっあっあっあっ!! うあっ、あああっ、あああう気持ちいっ! ああっ、ああっ、気持ちいっ!! おや、おやぶんだめ、だめイキそう……あああうイックッ、イックッ!!」
「だからなー、ホントにイキたくなった時に言えって。未だなんだろ? だったらイイ声もっと聞かせろや」
「あっ、やっ!! やっやっ、ホントに、イクッ……!! ああああイックううううっ!! も、だめ、がまん、できないいっ!! へ、変なの、ヘンなの、来るっ……!! ああああだめっあっあっあっ!!」
 そう言いながらも、本当にイキたいのかよく分かっていないのだ。ただ、言葉にできない快感が下半身を巡っていることは確かで、その正体が何なのか、未だによく分からないがとにかく快感の塊といえば説明がつくのだろうが、それがイキに繋がるのかも分からない。
 だが、イキに限りなく近いなにかだろうとは思うので、イクと鳴戸に訴えているのだ。
 小刻みに指を動かされ、Gスポットが悦んでいるのが分かる。そのうちにだんだんと快感の塊が大きく育つのを感じる。声が抑えられない。明らかに何かのイキの前兆が襲ってくる。
「ああっ!! うああっ、あああっ、あああううううっ!! い、い、イクッ……!! なんか、来るッ! おや、おや、おやぶんだめイクッ!! ああああイックううううっ、ああっあっあっあっあっ!!」
「ん? イクか。今度はホントっぽいな。んじゃあ、追い上げていくか! よしっと」
 さらに指は弱い部分を撫で擦り始め、抓んで震わせてみたり突いてみたりと様々な愛撫を施され、遂にそのイキが本格的に下半身を覆い始める。
 手の行き場がなく、シーツを掻いているとその手は恋人繋ぎで鳴戸が握ってくれ、縋るように手に力を入れて握ると、責めもさらに激しいものになる。
 そして分かった、快感の正体は絶頂だ。男イキではなく、何か違ったものだがイキには違いない。それと感づいたのはすぐで、分かった途端、あっという間にその波に飲まれ、攫われてしまう。
「やっ! やあっ、だめ、だめイクッ!! あああああイック、イックイックイックイック!! ああああおやぶんだめええっ! だめイクッ!! や、あっ……!! あああああああー!!」
 腰が捩れ、足がぴんと上を向きガクガクガクッと腰が傾ぐと同時に、とうとう絶頂を迎えてしまう龍宝だ。
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