伝染する熱恋

 銀糸を引いて唇が離れてゆくと、至近距離で欲情を混ぜた鳴戸の瞳が燃えている。
「は……おやぶん……」
「もう我慢も限界だぜ。いいからお前は大人しくして寝転がってな。すぐに何も考えられなくしてやる。そのくらいの覚悟、できてんだろうな」
「ん、はい……おやぶんの手で乱れることができるなら、乱してください。めちゃくちゃに、して」
「相変わらず、お前は俺を煽るのが上手いな。完全にソノ気にさせやがって。かわいすぎんだろうがっ!」
 まるで言い捨てるようにして言葉を放った鳴戸の手が徐に両膝にかかり、がばっと左右に割り開かれてしまう。そのなにもかもが丸見えの体勢に、龍宝は顔を真っ赤に染め上げて何とか足を閉じようとするが許されず、すかさず足の間に鳴戸が身体を捻じ込ませてくる。
「お、おやぶんっ!」
 しかし、鳴戸は返事をせずにずいっと身体を伸ばしてきて、少しむくれたような顔を寄せてくる。
「あ……」
「いやか。でも止めないぜ。こんなに俺煽った、お前が悪い。いい加減観念して、イイコで抱かれてくれよ。オマエはイイコだろ? 俺をこんなに興奮させて、それで放るなんてイイコのすることじゃねえよな?」
 龍宝は言葉もなく、顔を赤くしたままこくんと大きく頷き自分から足を開いてみせる。
 すると、鳴戸に優しいキスを何度ももらい喜びのあまりに笑んでしまうと頬を包み込まれ、額と額がぶつかる。
「すぐに気持ち良くしてやるから、少し我慢。できるな?」
「でき、ます……ちゃんと、我慢します」
 頬が熱いと思う。そう言って目を伏せると、額に一つ口づけが降ってきて、鳴戸が身体を起こす。思わず顔を上げると、ローションのキャップを跳ね上げ中指や人差し指にトロトロとローションを零し落としており、ぬめるその手が足の間へ入り窄まりへベタついた冷たい液体が塗りたくられる。
 そして、中指がつぷっと小さな音を立ててナカへと挿れられた。相変わらず、この瞬間だけはいつまで経っても慣れないと思う。
 だが、痛みは無くただの違和感だけというのが唯一の救いか。思わず身体がビグッと跳ねてしまうと、宥めるように指を奥へと挿れつつ、器用に龍宝の感じるへそを舐めてきてそちらの方に気を取られてしまう。
 というより、二点責めといった方が正しいか。
「ああっ……あっあ、ああっ、ん、んあっ、あっあっ!」
 思わず啼いてしまうと、へその窪みに舌先が入りちゅぷちゅぷと音を立てて抉られる。ぞくっと快感が背を走り、身体が勝手に海老反ってしまう。
「あああうっ!! ああっ、あっあ、ソコッ、ソコだめです、だめっ、おやぶんっ! あっあっ!」
 必死に喘いでいると、アナルの方で指が細かくピストンされ奥へ奥へと入り込んでくる。そしてすぐに指は二本に増え、ローションもどうやら足されたようで指の動きがさらに滑らかになる。
 ここを我慢してGスポットさえ見つけて穿ってくれさえすれば、一気に天国行きだ。
 幸い、鳴戸がへそを愛してくれているおかげで違和感も薄れいま感じるのはただただ、快感のみだ。
 そのうちに指はナカを探るように動き出し、何度も重ねた情交によりすでに知られてしまったGスポットをいきなりダイレクトに撫でられ、へそへの愛撫も相まって強い快感に思わず大きな声で啼いてしまう。
「うあっ! あああっうううう、うあっあううっ! おや、おや、おやぶんっ、ソコ、ソコ! ソコぉっ! あっあっ、感じるっ!」
「んっ? ココだな? よっしゃ、だんだん分かってきたぜ。お前のイイトコロ。このしこった塊みたいなトコだよな。よしよし、しっかりかわいがってやらねえと」
 何処か上機嫌にも聞こえる声色でそう言われ、つい期待してしまう自分もいることに気づいたがそれは気づいただけに終わり、身体を震わせて更なる快感を待ちわびてしまう。それほどまでにGスポットでも快感はものすごいものがある。
 ナカを掻き混ぜられながら、確実に指はGスポットを刺激してきて痛くもなくかといって物足りないわけでもないその絶妙な指使いに、悶絶の龍宝だ。
「うあっ! ああっ、んっんっんっんっ、あぁっ……! き、きもち、きもちいっ! おやぶん、おやぶん気持ちいっ! イイッイイッイイッ、あっ、い、イイッ!」
「いい声だなあ、オイ。こういう時のお前の声ってそそられるわ。すっげえイイ声出すのな。かわいいヤツめ」
「んあっんあっ、親分おやぶんっ! い、イイッ! き、気持ちいっ、気持ちいっ! ああっ、イイッ! い、イクッ……! イキそうっ……!」
「いくらなんでも未だ早いだろ。ほれ、頑張れ龍宝」
 さらに激しくしこりを撫で擦られ、快感で下半身がどうにかなってしまいそうだ。気持がよくて、腰から下が蕩けてしまいそうになる。
 撫でられる場所でも全体的には感じるのだが、特に感じる箇所というのもいくつかあってソコを集中的に責められるとどうしても声が出てしまう。なにかで発散しないと自分がどうなってしまうか分からないような不安めいた快感が巡るのだ。
 自然、声も大きくなる。
「んんっ! んっんっ、おや、おやぶんっ! い、イイッ! い、イキそうっ……! はあっはあっ、イ、イっちまいそうっ!」
 恐ろしいほどの快感が下半身を巡り、熱がぐるぐると下腹の辺りで塊となって押し寄せてくる感覚だ。当然、それはイキの快感にも発展し責められれば責められるほどにそれは強くなって龍宝にイキの強制を強いてくる。

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