官能的な命

 思わず肩を揺らすと、そっと顔を上げさせられて頬を両手で包み込まれ引き寄せられる。
「鳴戸おやぶん……」
「オマエは本当に、かわいいんだなあ……違うヤる気が芽生えてきそうだぜ。ほら、こっち来い」
 近づく顔と顔。限界まで薄目を開けていると鳴戸の長くは無いが量が多い睫毛が震えていて、純粋にきれいだと思った。そのまま目を瞑ると、ふわっと唇に温かで柔らかな感触が拡がり、つい夢見心地な気分になってしまう。
 そのまま角度を変え、もう一度口づけるととうとう応酬になり二人して触れては離れてのキスを何度もしながら時折舌を舐め合ったり、柔らかく食み合ったりと愛情が窺える触れ合いをしては幸福を分かち合う。
 そしてほぼ同時ほどに唇が離れてゆき、至近距離で見つめ合う二人だ。
「おやぶん……すき、です」
「龍宝……」
 また顔を近づけ、触れ合うだけのキスを何度も繰り返す。すると突然、鳴戸が唇を吸ってきて咥内に溜まっていた唾液が吸い取られてゆき、龍宝も負けじと鳴戸の咥内へ舌を忍び込ませ、貪るように舌を動かし唾液を啜り飲み下す。
「んはっ……は、は、おやぶん……」
「かわいいやつだな、お前は。ほら、フェラしてくれるんだろ? 焦らすのはよくねえな」
「先に焦らしたのは親分です。俺が親分とするキス好きなの知っててそうしたんでしょう? 策士ですよ」
「知ーらね。俺はなんも知らねえよー。ほら、ほらほら早く先っぽ咥えてくれって」
「助平な人です、親分は」
「男は助平なモンだろ。お前だって俺に負けねえくれえ助平だぜ?」
「助平上等ですよ。俺の助平は、親分限定ですから」
 きっぱりと言葉を叩きつけると、鳴戸の顔がほのかに赤くなったのを見逃さなかった龍宝だ。漸く、言葉で打ち勝つことができたその喜びに、大胆になってしまった龍宝は乱暴に鳴戸の腰に未だ巻き付いていた帯を引き抜き、浴衣を大きくはだけさせる。
 そこで露わになる、屈強な鳴戸の筋肉質な肢体。思わずのどが鳴ってしまう。
 そろっと下腹に手を伸ばし、さらさらと撫でると肌はしっとりとして少し汗をかいているようだった。そしてその下に息づく、鳴戸自身はきつそうに下着を押し上げ、存在を主張している。
 身体を撫でつつ、すっと下着の中に手を入れそのまま擦り下ろしてゆくと下着にペニスが引っかかり、びいんと飛び出て鳴戸の腹に当たったそれは跳ね返ってきて龍宝の頬を打つ。
 そのまま下着を足から引き抜き、無理やり鳴戸の足の間に身体を置く。
「……でっかい、おやぶんの。先っぽだけですね?」
「そうだ、先っぽだけ。そこでも上手くやりゃ充分に気持ちイイからよ。お前も男なら分かるだろ」
 その言葉に少し考えた龍宝は、鳴戸と視線を合わせながら上目遣いで早速、亀頭に何度もキスをし、最終的に鈴口に唇を当て鈴口から溢れ出たカウパー液をぢゅっと音を立てて吸ってみる。
 すると咥内に少しだけしょっぱい液体が大量に流れ込み、のどを鳴らして飲み下す。鳴戸の興奮の味だ。そう思うと、胎のナカがなんとなく熱くなる感覚がする。
 そのままの勢いで舌を出してれろれろと上下に動かしながら亀頭を舐めしゃぶるとむくむくっとしゃぶっているモノが大きく育ち、さらにカウパー液の滲み出しが激しくなる。それを潤滑液にして、カリの部分だけ尖らせた舌でつつうっ……となぞると鳴戸が「っく……!」と息を詰めたのが分かった。
「んっ……ココ、弱いみたいですね、親分。ちょっとコレびくってなりました。かわいいです」
「なにがかわいいよ。ンなもん見てそう言うのはお前くらいしかいねえな」
「だって、親分のですから。他の男や女なんて冗談じゃないですけど、コレは親分のおやぶんですから。俺には、愛しいものに他なりません。親分のは、俺の中でそういうモノなんです」
「あー……クッソ、かわいいなあお前。ホント……ヤベエわ」
「ヤバいって……なにが、です?」
 挑発するように、溢れ出すカウパー液を舌で大きくゆっくりと舐め取ってゆく。すると、舌とペニスの先端が糸を引き、何ともエロティクスな画ができあがる。
「助平な、おやぶんの汁……糸引いてますよ。……美味しい」
「うっわー……助平はお前だよ、オマエ! エッロい顔しやがって、ブチ犯したくなんだろが!」
「ブチ犯してもらうのは後から。今は、おやぶんのコレをかわいがってあげたい気分なんです。先っぽだけなら、いいんでしょう?」
 そのまま何度も舌を出して大きく先端を舐めしゃぶると、ペニスはその刺激に呼応するよう、ぴくっぴくっと跳ねては揺れ動き、龍宝の顔を打ってくる。
 ぱくっと揺れるそれを咥え、亀頭からカリまでをすっぽりと口の中に入れて唾液と共にシェイクするようにもぐもぐと咥内で捏ね回すと、ビグッと鳴戸の腰が跳ね「はっ……!!」と何とも色っぽいオスの喘ぎが耳に届く。
 鳴戸が感じている。
 それも、龍宝の口淫で。すっかり気を良くし、張り切って咥内で亀頭を捏ね回しているとさらにカウパー液が量を増し口の中が唾液と鳴戸の体液でいっぱいになり、一度大きくのどを鳴らしてすべてを飲み下す。
 すると、ふわっと鳴戸の味が鼻の方へと抜け一瞬、頭の中が呆けたようになる。まるで強烈な催淫剤のようだ。
 一気に身体が熱くなり、胎のナカが燃えるような熱を発し始め顔が勝手に火照ってくる。

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