してよ してよ

 通りに出てタクシーを拾い、行き先を告げて中へと乗り込むと、運転手などはいないも同然の二人は、後部座席でひたすら絡み合って過ごしていた。
 鳴戸からキスし、離れると龍宝が追ってキスをしたり、それでは物足りなくなった鳴戸が首に吸いついてきてキスマークを残したりと、やりたい放題のそれに運転手から文句の言葉が出るが、聞こえないフリをしてさらに激しくキスを繰り返す。
 そうやって散々絡み合いながら自宅マンションへ着くと、金は鳴戸が支払いタクシーが走り去る。すると暗黙の了解とばかりに軽いキスを何度も交わし、部屋へと移動する。
 多少不自然に見えるかもしれないが、どちらかが酔っているように見えればそれはそれで好都合の上、ここに住んでいる住人のことなど龍宝にとってはどうでもいいことだ。
 今はとにかく、身体に篭った熱を発散したい。鳴戸と、甘く絡み合いたいといった欲だけが頭と身体を支配し、玄関扉の前まで行き鍵を鍵穴へと突き刺し扉を開けるとぐいと背を押され、扉が閉まる前に早速、身体に鳴戸の腕が巻き付いてきて唇を奪われる。
「んっんっ、おや、ぶんっ! んんっ……ふっ、うっん……」
 やっと二人きりになれた喜びと、今から体験するであろう甘ったるい時間に興奮を隠せない龍宝は、すぐにでも口づけに応え自分から口を大きく開けて鳴戸の舌を招き入れる。その意図が分かったのか、ぬるっと咥内に舌が入ってきて絡め合わせるように動かすと、柔く噛まれそのままぢゅっと吸われ舌に乗っていた唾液が攫われてしまい大きく鳴戸ののどが動く。
「んはっ、はあっ……んっんっんっ」
 玄関先で早急に靴を脱ぎ捨て、まるで雪崩れ込むようにして室内へと入ると、舌を絡ませ合いながらのキスの傍ら、手を忙しく動かして互いの身体を性的な意味合いを含めて、撫で擦る。
 龍宝の方が先にたまらなくなり、片足を上げて鳴戸の腰へと回し下半身を撫でたり胸に手を当てて揉むように撫でたり、鳴戸の方も龍宝の身体を手で愛してくれ、尻を揉みしだかれもするし身体のラインに沿って手を動かして撫で擦られたりと、初っ端からの愛撫に既にトロトロの龍宝だ。
 その間もずっと、唇は合わせたままで動くたびに触れ合わさっている部分が動くが、基本は舌を絡ませ合いながらの愛撫だ。
 しきりに手を動かし、鳴戸のスーツの前を寛げると、いきなり壁に押し付けられネクタイが解かれ、カッターシャツのボタンも荒々しく外されてしまい、スーツも床に落ち、カッターシャツも半分崩されてしまう。
 そして、はだけた首元や鎖骨にキスが何度も落とされ、舐められ乳首を吸われる。
 やはり鳴戸の愛撫は少し激しいところがあると思う。そんな情熱的な前戯を受け止めながら熱い吐息をついてしまう。
「はあっ、はあっ……あ、ん、おやぶ、んっ……はあっ」
 その手はじきに股間へと持っていかれ、撫でながら揉まれてしまい思わず息を詰めてしまう。ソコは完全に勃起しており、痛いくらいにスラックスの中で脈打っている。
「ん、はあっ、おやぶん、待って、まっ……あっ!」
「待てねえな。どれだけ焦らされたと思ってんだ。俺はいくぜ。いいからお前は啼いてな。イイコだろ?」
「あっ、そんなっ……イイコ、じゃ、ないっ……んんっ!」
 鳴戸の唇は乳首に行き着き、舌を尖らせて勃った乳首を突かれるように舐められ、ぞくっと快感により背が震える。
 その唇はだんだんと下へと降りてゆき、龍宝の弱いへそへと行き着き丁寧に舐められるその刺激にあられもなく啼いてしまう。
「んあああっ! ああっ、あああう親分ソコッ、ソコ、だめですっ、ああああだめっ! うああっ!!」
 ぞくぞくと身体中に快感が走り、身体を震わせるとさらに責め立てるように窪みに舌先が捻じ込まれ、舐めしゃぶられ腰ががくがくと前後に震えてしまい幾分か舐めづらそうだが、つい動いてしまうのだから仕方ない。
 満足がいったのだろうか、徐にへそから舌が離れてゆきベルトに手がかかる。
「お、親分ソコはっ……ソコ、ソコっ……んあっ」
 カチャカチャといった音がやけに生々しく聞こえ、羞恥に身を震わせるとスラックスのボタンが外され、チャックも降ろされるとすとんっと下穿きが落ち、生足がすべて見えてしまい、身を屈ませた鳴戸が早速、内股に吸いついてくる。
 何度も、きつく吸っては舐められることを繰り返され、下を見てみると真っ赤な鬱血痕が股間周りのあちこちにいくつも散っていて、まるでマーキングのようなそれにどことなく満足感を覚える。
 自分は鳴戸のモノで、こうしてキスマークをつけているということは所謂、そういうことなのだろうと推測を立て、舐めやすいように足を少し開くとさらに情熱的に吸いついてきて、思わず甘い声を出してしまう。
「ああっ、んっ、あっ……お、おや、ぶんっ……はあっ、イイッ」
 そうしたところでいきなり伸び上がってきた鳴戸に口づけされ、舌を絡ませ合いながらまたしても互いの身体を撫で擦り合い、今度は龍宝が鳴戸の着ていたスーツを脱がし、ネクタイを緩ませて前を寛げにかかる。
 ソコはしっかりとした勃ち上がりを見せていてスラックスの上から揉みながら上下に撫でると「くっ……!」と鳴戸が息を詰めたのが分かった。
 口づけを交わし合いながら服を脱がし合うのもまた、愉しいものだ。

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