忘れるほどに焦がれる

 幸せを抱きながらくっ付いていると、ぽんぽんと優しく頭を叩かれたことで意識が少しだけ覚醒する。
「ん……? 親分なんです、眠い……」
「なあ、深夜喫茶行かねえか。コーヒーが飲みたくなった」
「……そんなもんはホテルのルームサービスに頼めばいいでしょう。寝かせてください」
「外に出て風に当たりてえんだ」
 思わず目を開けてしまうと、そこには硬い表情をして龍宝を見つめている鳴戸がいる。これは、拒否はかなり難しそうだ。
 眠気を払うように目を擦った龍宝は仕方なく、居心地のいい場所という鳴戸の胸から離れ、身体を起こす。
「分かりました。じゃあ、シャワー浴びてきます。このままじゃ、さすがにちょっと……」
「んじゃあ、俺も行くわ。ついでだ」
「では、お背中流します。その……俺の精液も結構、浴びてるみたいなんで」
 顔を赤らめると、鳴戸は軽く笑って龍宝の手を取り、ちゅっと口づけてくる。このキザな仕草が何故似合ってしまうのだろう。ドキドキと心臓が早く脈打ってくる。
 誤魔化すよう、ベッドから出ると鳴戸も追いかけてきて二人でバスルームへの扉を潜った。
 龍宝はまずは鳴戸の身体を洗ってしまおうとシャワーヘッドを持つが、その手を引かれたと思ったら浴槽の縁に手を置くよう誘導され、先ほどの情交で未だ緩んでいるアナルへと指が差し挿れられる。
「親分? えっ、あぁっ!? や、おやぶんっ……! なに、なにを」
「ここで抱く。いいな」
 後ろに鳴戸が回ったと思ったら、半勃ちしたモノがアナルに押し当てられずぶっと先端が入り込んでくる。
「んああっ!! や、もうっ、もういやです! おやぶん、おやっ……んっ、あぁっ……!!」
 緩くしか勃っていなかったそれだが、胎内に入るなりぶくぶくっと大きくそして硬く膨らんでゆき、あっという間にフルに勃起してしまい、腰をがっしりと固定され律動が始まってしまう。
「んっんあっ! あっあっあっあっあっ! おや、おや、おやぶんっ! あっあっ!! ふ、あっ!」
 胎内が大きく熱いものに犯されている。眠っていた欲情が目を覚まし、夢中で啼いてしまう龍宝だ。
「あっあっ、おや、おやぶんっ! んっはあっ……き、きもち、きもちいっ! イイッ、あっあっ」
「こっち来な。立ちバックしようぜ」
「んっ……? たち、ばっ……?」
 なんのことだか分からない龍宝だが、強引に上半身を起こされ身体にがっしりと鳴戸の太い腕が回り、背後からの激しい責め立てが始まる。
 ここでもGスポット責めは健在で、バスルームだということも忘れて大声で啼いてしまう。
「んあああっ! あっあっあっあっ、ああっあううううっ! おやっおやぶん、気持ちイイッ! あっイイッ!」
「俺もイイぜ。ホント、さいっこうだなお前のカラダ。こんな上等モンに出会ったことなんてないくらいいいカラダしてやがる。なあ? 龍宝」
「やっ、知らないしらないっ! あぁっ……! んああ、気持ちイイッ! すっご、すっごくっ、あっ、イイッ……!」
 バンバンバンバンと二人の身体がぶつかり合い、肉を打っているような音が浴室に木霊する。
 感じて大声で啼いていると、耳や首を舐めしゃぶってきて龍宝をたまらない気持ちにさせる。ぶるぶるっと身体が快感で震える。
「はあっはあっはあっはあっ、き、き、きもち、いっ……! だめ、だめです気持ちよすぎるっ! だめ、です、おやぶんっ!」
「だめってこたねえだろうよ。ほら、こっちは悦んでるぜ」
 身体に回っていた鳴戸の腕が動き、手はペニスをぎゅっと掴んできて快感のあまり思わず「んああっ!!」と大きく啼いてしまう。
 バックから激しく突かれながら前も刺激され、気が狂いそうなほどの快感を送り込まれた龍宝は我を忘れて喘ぎたくる。
「あああああ!! ああっ、うああっ、あああううっ!! おや、おや、おやぶん気持ちいっ! イイッ、あっああっイイッ! んあっ、はあっ!」
 快感で足ががくがく震える。立っているのも困難なほどに感じてしまい、必死になって壁に手を突くと両手で腰を引かれ、尻を突き出した体勢へと持って行かれてそこでまた激しいピストンが始まる。
 Gスポットをペニスで擦られながらの腰の抽送は果てしなく快感を送り付けてきて、荒く呼吸を繰り返しながら鳴戸とのセックスに溺れる。
 今日で一体、何度絶頂に達してザーメンを吐き出しただろうか。いい加減、枯れてしまう。そう思えど、ペニスはしっかりと勃起して鳴戸の動きに合わせ、ゆらゆらと揺れながらカウパー液を撒き散らしている。
 すると今度は両腕を引かれ、腰の動きだけで責め立てられる。その快感に背を海老反らせ、啼いてしまう。
「ああっ! んっあっ、この、体勢すっごく、イイッ! ナカ、入りますッ!! 奥、入ってッ……き、きもち、いっ……! アァッ!!」
 そろそろ、イってしまいたい。絶頂に達して、最高の快感を得たい。
 その欲望に負けた龍宝は自ら身体を起こし、もう一度立ちバックの体勢へ持って行って後ろから首を捻って鳴戸の顔を引き寄せて口づける。
 それでも律動は止まず、責め立てられながらのキスに興奮が止まない。唇が触れ合って分かったのだが、鳴戸も相当息を切らしており絶頂が近いことを教えてくれる。
「おやぶんっ、おやぶんイクッ! イキたい、イクイクイクッ! おや、ぶんも、いっしょに、いっしょ、いっしょに!」
「おお、イクか。よし、ラストスパートかけるぞ。ついてこいよ」
 それからは怒涛の責めで、身体ごとぶつけるようにアナルにペニスが突き刺さり、快感を招いてくる。絶頂はもう目の前にある。

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