【企画SS】

ネタ元:学生戦争ったー
Twitter上で派生した【学生戦争二次創作企画】をメインに、その他の企画やタグを題材にして白妖(@LadyBlue_xxx)が書いた(書かせていただいた)小話を置いています。キャラの設定メモも載せていく予定。

企画っ子・関係纏め一覧
関係纏めもコチラ。

※無断転載や自作発言等の常識を逸脱した行為はお止めください。



【夏輝(@akirarera)・琉狩SS】
1 傷は癒えたはずなのに。何故、未だに左目の傷痕だけはこうも痛むのか。「左目、まだ治ってなかったっけ?」目元を押さえていた手を外して声の主に視線をやると、そこには鮮やかな金色。もとい、黒軍きっての過激派司令塔、獅子堂夏輝の姿があった。僕は姿勢を正し、問題ないとだけ答えた。

2 「それより。先日の作戦指揮は見事だったよ」そう賞賛と感嘆の言葉を述べれば獅子堂は目に見えて上機嫌に笑った。その顔は戦況を鋭く見据え、部隊を意のままに動かす「司令塔」の時のものとは別人にすら思える。「今回は、るーちゃんが参戦してくれたのも大きかったけどね」

3 珍しく、と言いたげな彼には苦笑いしかできない。僕は穏健派というわけではないが、過激派の作戦に自ら志願して加わったのはあれが初めてのことだった。その理由を問われれば「わかり合えぬこともあると再確認しただけ」としか言い様がない。…ただ本当に、それだけのことだったんだ。


2014/05/07


【由狩if SS】
ふと時折、焦がれるような思いが胸が締め付ける。俺のであって俺のじゃない、前世の記憶。ずっと傍にと願った、愛しかった彼女の姿だけは色褪せることなく俺に微笑みかける。「…また、会いたいなぁ」今日もまた焦がれる想いばかりが募っていく。もし再び出会えたなら。もう一度、君に恋をしよう。

お題『もう一度、恋をしよう』140文字で書くお題ったー http://shindanmaker.com/375517


2014/05/06


【憂SS】
1 毒島家はいわゆる黒軍至上主義の家系で、私と妹は幼い頃から「立派な黒軍兵士」になるための教育を受けてきた。両親から「お国のために精進なさい」と言われるたびに心底うんざりした。「お国のために」とか言っておいて、その目には地位とか名誉しか映していないのだから。

2 「憂姉さん!」家や両親を嫌悪していた私にとって、妹の妖は数少ない救いだった。私の姿を見つけるなり明るく嬉しそうな顔をして、駆け寄ってくる可愛い子だ。「憂さん」毒島家と同じく黒軍支持派で親交のある風萬家の問題児といわれていた由狩。私は彼の自由な性格をとても気に入っていた。

3 親の意向に流されることなく、自身の心のままに振る舞う彼の姿には羨望すら抱いたものだ。「……今日も平和ね」私にとって平和とは、妖と由狩と共にある日常そのものだ。だから私は、私が愛した平穏を守るために戦うことにしたの。この思いは私の誇り。命懸けとなるには充分な理由でしょう?


2014/04/18


【由狩if SS】
1 視線の先には、目に涙を溜めて怒る恋人の姿があった。彼女は「俺を一人置いてくつもりか…っ」と悲痛に叫ぶ。息が、心臓が止まるかと思った。その言葉は俺の心を深く抉り、とてつもない悲しみと苦しみをもたらした。なんで、こんなことになったんだろう。

2 「――…夢、か…?」目が覚めれば見慣れた天井が視界に映る。いやにリアルではあったが、どうやら夢だったらしい。まったく、なんて嫌な目覚めだろうか。朝から心臓に悪いったらない。「…っ、ん…」ふと隣から小さな声が聞こえ、そちらを見やれば幸せそうな顔で眠る恋人がいた。

3 なんだか無性に触れたくなって、伸ばした手は彼女の柔らかな頬へ。掌から伝わる温かさ。いつもなら、安心する温もりなのに…。「一人置いて、か…」苦しい。ずっと彼女の傍にいたいと思うのに、俺は心のどこかで予感しているのだろう。あの夢と同じことが、そう遠くない未来に訪れることを。


2014/04/17


【妖SS】
1 久しぶりにね、懐かしい夢を見たの。私と由狩、そして憂姉さんの三人で実家の庭にある大きな木の下でお茶をしている夢だったわ。あの頃はお気に入りのお菓子を由狩に横取りされては喧嘩して、よく泣かされたものよ。憂姉さんは紅茶を淹れながら苦笑いしていたわね。

2 姉さんが淹れてくれた紅茶はどれも美味しくて、本当に大好きだったわ。何度か見よう見真似でやってみたのだけど、未だに姉さんの味を再現できていないのよね。だから、たまにね。姉さんの紅茶の味が無性に恋しくなるの。あの夢のような日々は、もう二度と戻らないとわかっているから。


2014/04/09


【由狩SS】
1 とくに大きなきっかけがあったわけじゃなかった。だが、あの人との日々の積み重ねが、未だに薄れることのない信頼と尊敬を形作ったのだ。「憂さん…」好きだった。そこに恋愛感情はないけれど、一人の人間として愛していた。だからこそ、彼女を殺した濁った黒が憎くて堪らないんだ。

2 その憎悪が己の身を滅ぼすことになったとしても、俺は俺の中で沸き立つ復讐心を押さえることはできないだろう。それが個人的なただの我儘だと罵られ嘲笑われても構わない。例えあの人によく似た彼女や、大事な人たちの思いを置き去りにしても。必ずこの手で、汚れた黒色に復讐を。


2014/04/03


【妖SS】
私が「愛してる」なんて言葉を口にすることは一生ないのでしょうね。戦争中で、司令という立場からも、未来どころか明日さえ約束できない命ですもの。誰かに甘えるわけにはいかないわ。だから、恋情を抱いても伝えたりはしない。その人を想えるなら、それだけで充分幸せだわ。

2014/03/29


【鷹尾(@akirarera)・妖】
1 噂は耳にしていたし、腐れ縁の彼からも少しだけ聞いていた。隻眼の戟の使い手で暗殺部隊きっての実力者、鷹尾零。「暗部というのが厄介ね…」かの人物に会うべく訪れたのは、表向きにされていない部隊に所属する人間が集まる部屋。扉越しからでも得体のしれない緊張感が伝わってきていた。

2 「見覚えのある顔だね」それが彼の第一声。全てを見透かしたような目が、なんだかとても居心地が悪い。「初対面ですよ、私とは」その一言で私が何者なのか確信したらしい彼の表情には愉悦の笑みが浮かぶ。「毒島の妹が、俺に何の用件かな?」噂に違わずとんだ曲者のようね、この人は。

3 次の大きな作戦で、重要な大役を任せたいのだと私は話した。これは彼の実力を評価しての抜擢である。「出来るか否か、聞きたいのはそれだけです」あなたのプライドの高さを一番買っているの、と付け足せば「…君、可愛げのない女だね」と含み笑いで返された。それは最高の褒め言葉だわ。


2014/03/29


【由狩SS】
暗殺部隊の、とある班に配属された日のこと。「こっちに来ちゃったのね、由狩」そう話し掛けてきたのは俺が心から尊敬している人物だった。「俺を推薦したのはあなたですよ、憂さん」「だって、余所にあげたくなかったの」そう口にして彼女は綺麗に笑う。そんなとこも好きなんだよね。

2014/03/29


【由狩より鷹尾くん(@akirarera)へ】
俺も一年から暗部にいるけどさ。鷹尾といえば、その強さと自尊心の高さだよね。お前の黒への誇りを、今の俺では理解することはできないけれど。「ただ、そのプライドの高さは悪くないと思ってるよ」手の甲へのキスに、敬意を込めて。(手の甲:尊敬)

2014/03/29


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