4.人生初経験


キーンコーンカーンコーン



「規律、礼!」


クラス委員の挨拶で今日の授業は終わった。
幸いクラス委員を逃れた私は、今の今までずっと廊下に立たされていたアイツをチラチラ見ていた。

なんでアイツは私をかばったりしたのよ。
意味がわからないわ。本当に。

朝、アイツは私をかばった。
なんで?本当に疑問に思う。

(もしかしたら、本当は優しいのかも)

なーーーーーーんて。
あるわけないじゃない!あんなチャラ男にかぎってありえないわ!



「どうしたの?あ!まさかドラグニルのこと考えてるの!?」

「ルーシィ、一回死ぬ?」

「遠慮しときますーーー」



ルーシィ「恋愛」とかいうワードに逐一反応してくる。
私はあんま興味ないんだってば!!



「でもさぁ、そういいながらセナは恋愛経験豊富じゃん?」

「それは向こうからのアプローチがうざかったから仕方なく付き合ってあげただけよ」

「ほんと?ならいいなぁーー。あたしは告白とかされたことないから憧れるわ〜〜」



なにが「憧れる」よ。
ほんと、「男」って苦手だわ。めんどくさいしね。
って、私偉そうなこと言い過ぎよね・・・



「さ、帰ろ!」

「あ、私用事があるから先帰ってて」

「用事?あ!まさかまた告白!?」

「ちがう!ちょっとお礼をいいにいくだけよ」

「お礼?まぁいいや。わかった、じゃあまた明日ね!!」



ルーシィはそう言い残すと教室を出て行った。






++++++++++++++++++





「ナイスシュート!!ナツ!!」



・・・来てしまった。
今私がいるのは男子バスケットボール部が練習をしている体育館。
まわりには女子が沢山。
というか、なんで私がここにいるのかというと、一応助けてもらったんだから、お礼ををいいにここに来たんだ。

まぁ、来たのはいいけど、どうやって話しかけるのかが問題よね・・・



「あ、あれって学園のマドンナのセナじゃね?」

「かっわいい!」

「話しかけてみようぜ!」



ふと後ろからそんな声が聞こえた。



「君ってセナだよね?」

「そうですけど」



いいよってきたのは2人の男。
見た感じ3年生だと思う。



「なんで男バス見に来たの?まさか彼氏がいるとか?」

「・・・ちがいます」

「へぇ、じゃあ今フリー?俺なんて彼氏にどう?」



・・・・本当ウザ。
なんなのこいつら。
私が言い返してやろうと思ったその時、



「センパーーーイ、なーに練習サボってナンパしてるんスか?」

「!」

「ナ、ナツ・・・」



私は目を疑った。
なぜなら目の前に立ってる男こそが、私の目的の男、ナツ・ドラグニルなのだから。



「サ、サボってねぇよ、ましてやナンパなんて・・・」

「あれ?俺ぜーんぶ後ろからきいてましたけど?「彼氏におれなんてどう?」っていってたじゃないスか」

「あ、あれは・・・」

「わりぃなフォールド。俺の先輩が迷惑かけちまって」

「あ、あの!」



アイツはキョトンとした目で私を見てる。
でも、チャンスは今でけよ・・!



「ドラグニル・・くんに話があるんだけどっ!」

「!」



人生初。

私が男を自ら誘うなんて。











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